大海サバイバル! チートな船で俺TUEEE な旅を満喫します

彩世幻夜

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第八章

酒の席で

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 私は多分酒に弱くはないと思う。
 ……けど、強いと言えるかどうか。

 まだ成人して酒を呑める歳になってまだそう日も経ってなくて、まだ酒を呑んだ経験も少ない。

 正直まだビールや日本酒、焼酎みたいな酒らしい酒を美味しいとは思えず。

 だけど、酒のつまみとして出されるような食事メニューは割と好きで。
 だから、甘いお酒を飲みながら、皆とワイワイするのは好きで。

 ただ、付き合いとしてビールは呑めなきゃ困るから、美味しいとは思わないけど呑めないことはない。

 ――が。

 「アルトって酔ったことはあるの?」

 「そりゃ、訓練し始めはな。しかし先に薬やら毒やら耐性あったせいかすぐに慣れたが」

 酒に酔ってちゃ仕事にならないアルトは、訓練で耐性をつけさせられたらしく、酔っ払いアルトは見たことが無い。

 ……どう言う方向に酔うのか分からない今、二人きりの席で泥酔されたら怖いから、有り難いっちゃ有り難いんだけどな。

 「酔えない分、美味い酒は嬉しいな。酔えれば何でも良いと言わんばかりの安酒を散々呑まされた時は酔いとは別の理由で吐きそうになった。ここで買う酒は安価で美味い、いい酒だ」

 どうやら、日本で普通に売ってるメーカー品の酒を気に入った様で。

 「……アルトが稼いだ経験値分は好きに使うと良い。酒でもつまみでも好きな物を買って、飲み食いすれば良い」

 航海しながらの経験値稼ぎに於いてはアルトが役に立つことはないのだが、ダンジョン攻略を初めて以来、経験値の項目にアルトの表示が増えた。

 魔物を倒した経験値はアルトの分も計上されるらしい。

 「流石に居候というのは情けないんだが」

 「じゃあ、稼ぎの半分は貰う。もう半分は好きに使えば良い」

 そう言ったら嬉しそうに笑った。

 ああー! イケメンの微笑みとか! 普通は目の保養なんだろうけど、私には刺激が強すぎてむしろ目の毒なんだけど!

 「それじゃ。私はもう寝るし。ごゆっくり」

 私は耐えられずに戦略的撤退を選択した。

 風呂へと直行し、汗と一緒に煩悩も洗い流すつもりで頭からシャワーを浴びる。

 「――無自覚無防備の上初心とか、頼むからいい加減にして欲しいんだが……はぁ、無理か」

 後に残されたアルトが、渋い顔で呟きながら、一人酒を嗜んでいるとも知らずに。

 「俺の理性と我慢が何処まで続くか。何の訓練なんだか、これは……」

 その嘆き節を聞く者は誰も――

 「ふふふ、人間観察もたまには面白いものなのねぇ」

 いや、密かに観察する者は居たようだが。

 残念ながらフォローに回れる人員など、居るはずも無く。

 夜は着々と更けていくのだった。
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