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第九章
上陸
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ふふふ、帰ってきたぜダンジョン島!
今日からは装備もマトモなんだ。
もう鍋のフタを盾にするなんて格好の悪い事しなくて良いなんて、何て素晴らしい!
フフフッ、お陰でモンスター狩りも捗る!
さて、次のボスまで何日かかるかな?
……なーんて。
私がはしゃいでいる頃。
「……おいおい、マジで行くのか?」
「最近じゃそんな馬鹿も随分減ったと思ったんだがな」
「済まないな。どうしてもあの島へ行かなきゃならない用事があってな」
「そうか。そこまで言うなら行くといいさ。どうなっても知らねぇがな」
「ああ。それで良いさ」
何しろ、だ。
路銀を稼ぐだけのつもりだったのに、コンパスの針が明確にあの島を示してやがるんだ。
元の依頼を達成出来たら、即座に国に戻らなきゃならない。
そしてその路銀は、安全な稼ぎ方をしなくてはならない。
小船を降ろしてもらい、俺はゆっくりオールを漕ぎ出した。
正直、どんな奴なのか知らないが、何だってこんな島に、と、思わなくはない。
俺と同じく路銀を稼ごうとしたのかも知れないが、他にも選択肢はあっただろうに、と思わなくもない。……それについちゃ俺もあまり人の事は言えないけど。
船を離れてしばらく。
「これが噂の……」
続々と集まり迫ってくる黒い影。
数匹、海面から顔を出し、そののこぎりの刃の様な歯を見せびらかすように口を開け閉めしてみせる。
お前は俺達の餌食だ、と。
「しかも、数の暴力もそなえてやがる、か。こりゃ確かにそこらの冒険者連中じゃ、あっという間に奴らの腹の中なんだろうな」
しかし俺は違う。
まあ、下らない依頼を無理矢理押し付けられた身ではあるが、これでも「勇者」と言われる程度の力は持っている。
「スキル、『威圧』!」
俺の持つスキル、威圧は自分より弱い相手を脅しつけ、自分より強い相手には挑発効果のあるスキルだ。
……よし、連中の動きが鈍った。
数の暴力さえなければ一匹一匹は俺にとっては楽勝レベルの敵。
俺の威圧にビビって大人しく道を開ける連中の合間を縫って、俺は島へと船を寄せた。
ちょうど良い砂浜があったからな。
うっかり波に流され帰りのアシが無くなるなんてお約束なミスが起こらないよう、しっかり浜に船を上げ、俺はもう一度コンパスを見る。
砂浜から島の奥へと続いていそうな獣道。
コンパスの針はその道の先を示していた。
「やっぱり対象はダンジョン攻略中って事で良いのか?」
取り敢えず行ってみるか。
俺はその道の先へと歩き出した。
ちなみにその頃。
「すやすやぴー」
……とある少女は、彼が降りたその船に乗ったまま、ゆっくり島を離れていくのであった。
今日からは装備もマトモなんだ。
もう鍋のフタを盾にするなんて格好の悪い事しなくて良いなんて、何て素晴らしい!
フフフッ、お陰でモンスター狩りも捗る!
さて、次のボスまで何日かかるかな?
……なーんて。
私がはしゃいでいる頃。
「……おいおい、マジで行くのか?」
「最近じゃそんな馬鹿も随分減ったと思ったんだがな」
「済まないな。どうしてもあの島へ行かなきゃならない用事があってな」
「そうか。そこまで言うなら行くといいさ。どうなっても知らねぇがな」
「ああ。それで良いさ」
何しろ、だ。
路銀を稼ぐだけのつもりだったのに、コンパスの針が明確にあの島を示してやがるんだ。
元の依頼を達成出来たら、即座に国に戻らなきゃならない。
そしてその路銀は、安全な稼ぎ方をしなくてはならない。
小船を降ろしてもらい、俺はゆっくりオールを漕ぎ出した。
正直、どんな奴なのか知らないが、何だってこんな島に、と、思わなくはない。
俺と同じく路銀を稼ごうとしたのかも知れないが、他にも選択肢はあっただろうに、と思わなくもない。……それについちゃ俺もあまり人の事は言えないけど。
船を離れてしばらく。
「これが噂の……」
続々と集まり迫ってくる黒い影。
数匹、海面から顔を出し、そののこぎりの刃の様な歯を見せびらかすように口を開け閉めしてみせる。
お前は俺達の餌食だ、と。
「しかも、数の暴力もそなえてやがる、か。こりゃ確かにそこらの冒険者連中じゃ、あっという間に奴らの腹の中なんだろうな」
しかし俺は違う。
まあ、下らない依頼を無理矢理押し付けられた身ではあるが、これでも「勇者」と言われる程度の力は持っている。
「スキル、『威圧』!」
俺の持つスキル、威圧は自分より弱い相手を脅しつけ、自分より強い相手には挑発効果のあるスキルだ。
……よし、連中の動きが鈍った。
数の暴力さえなければ一匹一匹は俺にとっては楽勝レベルの敵。
俺の威圧にビビって大人しく道を開ける連中の合間を縫って、俺は島へと船を寄せた。
ちょうど良い砂浜があったからな。
うっかり波に流され帰りのアシが無くなるなんてお約束なミスが起こらないよう、しっかり浜に船を上げ、俺はもう一度コンパスを見る。
砂浜から島の奥へと続いていそうな獣道。
コンパスの針はその道の先を示していた。
「やっぱり対象はダンジョン攻略中って事で良いのか?」
取り敢えず行ってみるか。
俺はその道の先へと歩き出した。
ちなみにその頃。
「すやすやぴー」
……とある少女は、彼が降りたその船に乗ったまま、ゆっくり島を離れていくのであった。
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