大海サバイバル! チートな船で俺TUEEE な旅を満喫します

彩世幻夜

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第十三章

フロイス・ネージュ

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 「……一体私に何を望んでるんだろう?」

 戦争をしたいらしい事は分かった。
 けど、私に戦争なんか出来るはずもない。

 海戦なら別だけどさ。

 精霊のチカラを、大量殺戮に使う事は出来ない、と。
 改めて確かめたらそう言われた。

 モンスター相手ならまだしも。
 賊の一団を討伐するくらいならまだしも。

 戦争で一軍を殺戮するのは。
 本来自然を司り命を育みその巡りを守る精霊の存在意義にかかわる大事であると。

 つまり、私のチート要素を除けば、残るはアルトに鍛えられたダンジョン攻略スキルと……あと何だ?
 少なくとも戦争に役立つスキルなんかありはしないのに。

 ……同い年の女性にくらべれば少し体力に自信があるったって、職業軍人相手に勝てないのは百も承知だよ!

 これは、聞いてみるしかないよね。
 流石にあのあの兄さんの目も覚める頃だし、一度戻るか。

 ……良かった、まだ起きてなかった。

 しかし……こうまじまじ見ると……まあ綺麗な男だな、と。
 黙ってるだけなら、な。

 でろん、と部屋の椅子でだらけていると。

 「ううっ……」

 うめき声をあげて男が目覚める。

 「な、何が……」

 「あっ、起きたー?」

 「わ、私は……。そ、そうだ、お前! 何を!」

 「いや何もしてないし。何、こんな小娘にアンタみたいな大の男を素手で落とせると?」

 「……ぐ、」

 「この国、力が一番な国って聞いたけど。アンタどう見ても軍人じゃなさそうだけどさ、流石に素人の小娘に落とされたって言いふらされたらさー、恥ずかしくない?」

 「口の減らないメスガキめ……!」

 あー、やっぱり起きるとその美貌も台無しか。

 「それで? 良いの、時間は?」

 「はっ、……ぐ、もう研究している時間が……!」
 頭を抱えてぷるぷるする男。

 「で、結局アンタ何者なのよ。私に何の用なのよ」

 「そんな事は知らなくて宜しい……と言いたいところですが、あのアホ王が嫌でも絡んで来るんでしょうね。またおかしな事を言い出さないうちに自己紹介は、しておいたほうが良さそうです」

 はぁ、と疲れたため息を吐いて。

 「私はこの国で賢者と呼ばれる地位にある者。文官への助言者という立場としては最高位の位になります。名はフロイス・ネージュ。ネージュ伯爵家の三男です」

 ……やっぱり貴族か。長男じゃないなら彼自身に爵位は無いかもしれないけど。

 「賢者の地位を賜っておりますので、一代限りのものですが、私個人で伯爵位を賜っておりますよ? ええ、伯爵ながらあのような……平民と変わらぬ旅など……! ふふふ、謁見にてようやく魔王様に苦情を申し上げられる機会が……ふふふふふ」

 賢者フロイス・ネージュ、やっぱりアレな人疑惑、再浮上。
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