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第一章 流行らないダンジョン
ゴブリン討伐
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はい、二階層にやって来ました。
一回層に比べて明らかに松明の数が減って、より薄暗くなっています。
階段を降りてきてほんの数歩歩いただけで、すぐにゴブリンと遭遇しました。
オークの所に居たゴブリン達は弓矢で私を狙ってきたけど、このゴブリンは……
「剣、か……」
ただ、剣の扱いについては私とほぼ同レベル。
適当に振り回しているだけ。
そして、ゴブリンらしくボロボロでサビ放題の剣で戦うゴブリンナイトの相手であれば――
「えいっ!」
ちょっと剣を弾いてやれば、剣は半ばからポッキリ折れた。
「ギュギュ!」
何て事だ! と言わんばかりに慌てるゴブリン。そのすきに剣で突く。
「ギャギュ!」
痙攣するゴブリンの体から剣を抜くと、パッと返り血が吹き出す。
顔は腕で庇って無事だったけど……
「うわ、服が血だらけだわ……」
どうしよう、と思っていたら。
次に出てきた棍棒持ちのゴブリン――ゴブリンソルジャーを倒した所で、レベルが上がった。
「レベルが上がりました。新しいスキルを覚えました」
確認すると、それぞれの職業に付属しているものと思われるスキルを二つ、獲得していた。
一つ目はテイマーのスキル、アイテムユーズ。
ニつ目は掃除人のスキル、クリーンアップ。
……試しにクリーンアップを使ってみた。
服の血のシミが綺麗サッパリ消え去りました。うわ、これ戦闘には役立たないけど便利なスキルだ! 血のシミってなかなか落ちないんだよねー……。
そして、ダンジョンだから魔物の死骸はダンジョンに喰われて残らない。
……これはありがたいシステムだった。
今どきの都会っ子に、魔物とはいえ血みどろスプラッターな死骸を前に冷静にドロップアイテムを拾うなんて出来ないもん。
お、今度はチーズか。
カビ系チーズみたいなコアなチーズじゃなく、多分ゴーダチーズ辺りの食べやすいチーズ。
お? セイランが興味津々だ。顔はウサギでも体型はカピバラさんだしなー。カピバラさんはネズミである。……となればやっぱりチーズが好物なんだろうか。
ころころと人差し指と親指でつまめるキューブ状のチーズがいくつか入った小袋だ。一つ取り出してセイランにあげてみる。
「みゅー」
美味しそうにもぐもぐ咀嚼しております。
「みゅ!」
もぐもぐごっくんすると、セイランはやる気に満ちた顔で勇ましく鳴いた。……いや、その顔だと可愛いだけなんだけどね?
「ギュギュ!」
そして、続いて現れたゴブリンは杖を持っていて……何と魔法を放ってきた。
……まぁ、パチンコ玉サイズのファイヤーボールなんで、ちょっと避ければ良いだけではあったけど。
遠距離攻撃持ちかー、さーてどう攻略するかな、と思案しようとしたら。
「みゅ!」
ここは任せろとばかりに鳴くので任せてみた。
「みゅみゅみゅー!」
……狭い洞窟の中につむじ風が発生しました。
ゴブリンさんは吹き飛ばされました。
――後にはドロップアイテムだけが残されていました。
取り敢えず褒めてやろう。よしよし。
けど、洞窟が崩れたら怖いから、次から威力には注意するように言いました。
一回層に比べて明らかに松明の数が減って、より薄暗くなっています。
階段を降りてきてほんの数歩歩いただけで、すぐにゴブリンと遭遇しました。
オークの所に居たゴブリン達は弓矢で私を狙ってきたけど、このゴブリンは……
「剣、か……」
ただ、剣の扱いについては私とほぼ同レベル。
適当に振り回しているだけ。
そして、ゴブリンらしくボロボロでサビ放題の剣で戦うゴブリンナイトの相手であれば――
「えいっ!」
ちょっと剣を弾いてやれば、剣は半ばからポッキリ折れた。
「ギュギュ!」
何て事だ! と言わんばかりに慌てるゴブリン。そのすきに剣で突く。
「ギャギュ!」
痙攣するゴブリンの体から剣を抜くと、パッと返り血が吹き出す。
顔は腕で庇って無事だったけど……
「うわ、服が血だらけだわ……」
どうしよう、と思っていたら。
次に出てきた棍棒持ちのゴブリン――ゴブリンソルジャーを倒した所で、レベルが上がった。
「レベルが上がりました。新しいスキルを覚えました」
確認すると、それぞれの職業に付属しているものと思われるスキルを二つ、獲得していた。
一つ目はテイマーのスキル、アイテムユーズ。
ニつ目は掃除人のスキル、クリーンアップ。
……試しにクリーンアップを使ってみた。
服の血のシミが綺麗サッパリ消え去りました。うわ、これ戦闘には役立たないけど便利なスキルだ! 血のシミってなかなか落ちないんだよねー……。
そして、ダンジョンだから魔物の死骸はダンジョンに喰われて残らない。
……これはありがたいシステムだった。
今どきの都会っ子に、魔物とはいえ血みどろスプラッターな死骸を前に冷静にドロップアイテムを拾うなんて出来ないもん。
お、今度はチーズか。
カビ系チーズみたいなコアなチーズじゃなく、多分ゴーダチーズ辺りの食べやすいチーズ。
お? セイランが興味津々だ。顔はウサギでも体型はカピバラさんだしなー。カピバラさんはネズミである。……となればやっぱりチーズが好物なんだろうか。
ころころと人差し指と親指でつまめるキューブ状のチーズがいくつか入った小袋だ。一つ取り出してセイランにあげてみる。
「みゅー」
美味しそうにもぐもぐ咀嚼しております。
「みゅ!」
もぐもぐごっくんすると、セイランはやる気に満ちた顔で勇ましく鳴いた。……いや、その顔だと可愛いだけなんだけどね?
「ギュギュ!」
そして、続いて現れたゴブリンは杖を持っていて……何と魔法を放ってきた。
……まぁ、パチンコ玉サイズのファイヤーボールなんで、ちょっと避ければ良いだけではあったけど。
遠距離攻撃持ちかー、さーてどう攻略するかな、と思案しようとしたら。
「みゅ!」
ここは任せろとばかりに鳴くので任せてみた。
「みゅみゅみゅー!」
……狭い洞窟の中につむじ風が発生しました。
ゴブリンさんは吹き飛ばされました。
――後にはドロップアイテムだけが残されていました。
取り敢えず褒めてやろう。よしよし。
けど、洞窟が崩れたら怖いから、次から威力には注意するように言いました。
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