唯一平民の悪役令嬢は吸血鬼な従者がお気に入りなのである。

彩世幻夜

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スキル「クリエイト」を獲得しました。

スキル「クリエイト」とは?

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    家に戻ると、既に軽食の用意がなされていて、食卓には一口サイズのサンドイッチが並んでいた。

    「お帰りなさいませ。旦那様、既に会場の支度は整っております。お食事とお召し替えが済みましたらもう一度本日のお客様のご確認とお迎えのご用意をお願い致します」
    「分かった」
    「お嬢様も、お食事がお済みになりましたら、一度部屋へお戻り下さい。エルザがお召し替えの支度を整えてございます」
    おおふ、また着せ替え人形になるのか。

    ……お腹は空いてるけど、サンドイッチ食べて大丈夫かな?    今着ているのよりお腹回りのキツい服を用意されていたらどうしよう。
    悩んでいると、給仕役のメイドさんが微笑んだ。
    「大丈夫ですよ、お嬢様。お召し替えいただくお洋服は、パーティー用に装飾を増やしておりますが、基本の型は今お召しの物と同じ物です。でも、パーティーではご馳走もありますから、少しだけ控えめにお召し上がりになるといいですよ」
     それは良いことを聞いた。
     お腹は空いてるけどパーティーのご馳走も気になるから、腹六分目くらいで止めにしておこう。
    軽食と言いつつ具材のバラエティーに富んだサンドイッチはどれも美味しくて、その決意を貫き通すには苦労したけどね。

    食事を済ませばほらほらさあさあと部屋に押し込まれ、着せ替え人形再び。
    まあ、さすがに風呂場からのリスタートではなく、髪も着けていた髪飾りの花を付け替えただけ。
    服も下着類はそのままに、上のドレスを着せ替えられただけだったから、危惧した程でなくてついホッとしたことは……うん、内緒にしとこう。
     「それではお嬢様、パーティーのお時間になりましたら呼びに参りますので、それまで部屋でおくつろぎ下さい」

    パーティーは三時からの予定で、今は2時。まだ一時間はある。
    なら、気になっていたステータスをもう一度見てみたい。
    〝神眼石〟の使い方は、帰りの馬車の中でお父様に教わった。

    ……でも多分お父様に教わらなくてもできた気がする。
    なんたってラノベ界の〝開けゴマ〟たる呪文を唱えるだけなんだから。
    さあ、いざ!

    「ステータスオープン!!」

     すると目の前にB5横長サイズの半透明のホログラムが現れた。
    これを「ステータスノート」と言うらしい。
    ホログラム状の板自体は用語的に「ウィンドウ」と呼称したくなる物だけど、その中身の仕様は成る程、「ノート」、それもルーズリーフファイル仕様のノートだ。

    表紙となる一ページ目には、教会での鑑定で示された内容――名前・年齢・職業・ステータス・スキル――がそれぞれ記されている。
    これは基本本人以外には不可視のものだが、この表紙画面に表示されている内容のみ可視化でき、それが身分証明になるらしい。

   そしてその表紙の上部と右辺に幾つかタブ状の見出しが付いている。
    タブにはそれぞれ「表示設定」「スキル一覧」「スキル詳細」と書かれているが、タイトルが空白のままのタブも多い。

    表示設定は、表紙部分の身分証明にどこまで可視化するかを設定ページの様だ。
    まあ、ごく一般的に身分証明をする場合に必要な情報は氏名年齢職業位だ。
    必要以上の個人情報をさらさない為の設定だが、例えば町や領地、国境の門では必要とする情報を設定無視で引き出す魔道具が設置されている。
    勿論教会での鑑定は設定など丸無視で丸裸にされる。
    大抵の人には関係ないことだけど、この世界では、犯罪を犯すと、たとえ逮捕を逃れ処罰を受けていなくとも、犯罪歴の全てが身分証明に記載される。
    これは設定でも隠せない。
    設定の項目をよく見てみると、病歴や学歴、所属ギルドなど、ありとあらゆる個人情報の全てがこれに集約されるらしい。
    
    スキル一覧には、今は「クリエイト」が一つぽつんと記載されているだけだが、今後他にスキルを得ればここに記載されていくのだろう。

   そしてスキル詳細のページを見た私は思わずその画面に釘付けになった。
    タブのタイトル通り、それは手持ちのスキルの詳細の説明を表示するページの様だった。
    確かにスキル「クリエイト」の説明がある。でも、これは……

----------------------------
EXスキル「クリエイト Lv.1」
    全ての生産系スキルレベルを最大に上げると獲得できる、統合系ユニークスキル。
    スキルLv.1
    「錬金術    Lv.10」
    「採集    Lv.10」
    「鍛治    Lv.10」
    「ハンマー術    Lv.10」
    「ツルハシ術    Lv.10」
    「金属加工    Lv.10」
    「採掘    Lv.10」
    「木材加工    Lv.10」
    「木こり    Lv.10」
    「斧術    Lv.10」
    「革加工    Lv.10」
    「狩猟    Lv.10」
    「解体    Lv.10」
    「裁縫    Lv.10」
    「細工    Lv.10」
    「布加工    Lv.10」
    「料理   Lv.10」
    「テイム   Lv.10」
    「鑑定    Lv.10」
    「初級魔術(火属性)    Lv.10」
    「初級魔術(水属性)    Lv.10」
    「初級魔術(木属性)    Lv.10」
    「初級魔術(土属性)    Lv.10」
    「初級魔術(金属性)    Lv.10」

   ※ スキルを使用して作成した物に
       スキルボーナス効果(微小)が付く。

----------------------------

    「………………」
    チートか。うん、チートだ。生産系チートだ。
    しかも幾つかは戦闘職や魔術職にも就ける可能性のあるスキルも含まれている。

    戦闘訓練を頑張ったら冒険者にもなれるかもしれない。
    危険を侵さすとも錬金術師として食いっぱぐれの心配のない安定した生活を選ぶことも。
    何かの職人になるのも良い。

    ……奴の、婚約者でさえなければ。

    平民なら、何もせずとも人生ウハウハ、超イージーモードで過ごせる位のチートスキルだと言うのに。
    貴族の生活で役に立ちそうなのはせいぜい各魔術系スキルと裁縫スキル位だろうか。
    このままなんの努力もしなければ、それすらどれ程生かせるか……。

    せっかくのスキルだ、このまま宝の持ち腐れなんて勿体ない。
    よくよく磨いて研いで、上手く駆使して上を目指すんだ。
    
   と、部屋に時間を告げるノックの音が響く。
    私は満面の笑みを浮かべながらパーティー会場へと向かった。
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