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職人街で弟子入りします。
ギルドに登録します。
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「それでお嬢様、先程のお話はどういう意味だったんです?」
散々弄ばれた挙げ句お姫様抱っこされて椅子に座らされ。
レイフレッドが作ったふわとろ卵のオムライスケチャップ味をいただく私。
……レイフレッド、また腕を上げたらしい。とろとろ卵が美味しい。
「前にもちらっと言った話の事よ。冒険者をしながら各地を回ってついでに行商するの」
「 ……そう言えば確かに。あの頃の僕はまだお嬢様の規格外ぶりを知らなかったから夢物語と思ってましたが、来年には不可能じゃ無いですね」
「だからさ、二人で旅に出ない? 期限をまずはレイフレッドが12歳になるまでって事で。私、シリカさんの国にも行きたい」
私は喋りながら自分のステータスノートを開き、身分証部分を可視化してレイフレッドに向けた。
「……お嬢様?」
「レイフレッド、これのスキル欄を見て欲しいの」
一緒に魔術の授業を受けているレイフレッドは勿論、私が全属性の適正を持つことを知っている。
「……? ……あれ、お嬢様これ表示設定いじってます?」
魔術関連のスキルが闇しか表示されていない事に気づくと、当然考えれる可能性を口にする。
「いいえ、教会の鑑定結果同様全てを表示してるわ」
「……まさか、適正も無いのに攻撃魔法を使える程の規格外に――」
「いやいや、適正はあるから」
私の矛盾した応えにレイフレッドは困った子を見る目になっていく。
「あのね、そのスキル欄にクリエイトってあるでしょう?」
「ええ、聞いた事の無いスキルですね」
「三歳の鑑定式でも言われたわ」
そのやり取りの間に、スキルの説明欄にある表記をそのまま紙に書き出し、彼に見せた。
「これがスキルの説明欄に表示されてるクリエイトの情報よ」
「お嬢様、あまり安易に自らのスキルを明かすのは感心しません……は? ――お嬢様、これはなんですか」
「スキル『クリエイト』に内包されていてスキル欄に表示されない私のスキルよ」
「……あの一週間の騒ぎはこれのせいですか?」
「だけじゃないけど大いに影響はあったわね」
「これ、この先余程の事がない限りは一生食いっぱぐれる心配のないスキルじゃないですか!」
「そうよ。あの男との婚約破棄さえできれば。――この街に居る内にスキルを磨けば。少なくとも食うに困ることはない。……冒険者としても強くなれれば、もっと。どこへ行っても困らない」
ステータスノートを消し、スキルを書き出した紙を魔法で燃やす。
「レイフレッド。不本意極まりないけど、今の私はあの男の婚約者。あの理不尽の塊の前に自分の弱点は絶対晒せない。だから今、あなたに明確な答えを伝えられない。……でも、それを伝えるべき日のために、魔族の国も獣人の国も自分の目で確かめたい。だから、旅をしよう」
その為に一年、ここで可能な限りの知識と技術を詰め込もう。
「ならば、早速この後ギルドへ行きませんか? 職人ギルドに商業ギルド、魔術ギルド、錬金術ギルドにも」
冒険者ギルドは五歳にならないと登録できないけど、他は登録だけなら三歳から可能だ。
……まあ三歳から登録する大半の人は家業の跡取りとかだけど。
――とまあ、そういう訳でやって来ました。
この街のギルドは冒険者ギルド以外全て街の頂上にある。
城を取り囲む棟のそれぞれにギルドの看板が出されている。
「まずは国で一度登録している商業ギルドから行きましょう」
そう、露店を出すのに必要で登録したんだ。
門を開けると、何となくブランドショップの様な高級感溢れる内装で、ギルド職員もきっちりと制服を着こなし、訪れている人たちも礼儀正しい。
「すみません、ギルドカードの更新をお願いします」
レイフレッドと共にカウンターに並び、受付のお姉さんに用件を伝える。
「僕達は先日この街に来たばかりなので」
「はい、ではこちらに〝神眼石〟をかざしてください」
と、カードリーダーもどきを差し出される。
「はい、確認が済みました」
「ありがとうございます」
「この街でも露店を出しますか?」
「そうですね、余裕があれば。ただこの街に来たのは勉強の為なので……」
「では、この街での出店の決まり等を纏めた資料をお渡ししますので、ご確認の上でお願いします」
「ありがとうございます」
……うん。荒っぽい人の少ない商業ギルドは簡単に済んだね。
さ、次行こう。
魔術ギルドと錬金術ギルドで登録を済ませばギルドの書庫を試用できるようになる。
適正が無いと登録に失敗するらしいけど、特にトラブルも無く登録を完了した。
さあ、最後だ。
職人ギルドはやはり商業ギルドとは対照的で、元の建物が全く同じなはずなのにこうも印象が変わるのかとある意味感心する。
装飾の一切無い実用に最適な環境を極めた造りは、お祖父様のギルドとも全く別物だ。
「すみません、シレイド国スイの町のギルドで作った仮登録を本登録に更新したいのですが」
……あ、なんか今更感半端ないけど、シレイドはウチの国の名前でスイは街の名前。ついでにこの国の名前はアディエンス。
「おや、この街には来たばかりかい?」
「ええ、訳あってちょっと……。でもせっかく来たのだから、この街で修行したいの」
「そうか、ならちょうど良いのがある。紹介するから先に登録しちまってくれ」
明らかに現役を引退した老ドワーフさんがカードリーダーを示した。
「さて、実はウチのギルドでは最近〝派遣〟という働き方が注目を集めているのですよ」
普通職人を目指すなら、どこか一つの工房に入り、イチから修行、腕と運があれば独立と言うのが当たり前。
「ですが、どんな業種にも繁忙期というものがありまして……」
つまり、忙しい時に合わせて人を雇うと人件費がかかり、暇な時に合わせれば当然忙しい時にムリが出る。
その調整弁として派遣という雇用形態が試験的に導入されているのだという。
「まあこれもこのルクスドだから成り立つ制度なんですがね」
私のようにルクスドの技術を学びたい者は多い。
この制度を使えば色々な工房を経験できる。
「一期一ヶ月更新で各工房のヘルプに入って貰います」
「派遣先の希望は聞いてもらえるんですか?」
「名指しの希望は受け付けない事になっているが、業種やポジションの希望は受け付けてる。100%かなうかは分からんが」
「では、申し込みの受付をお願いします」
こうしてレイフレッドは商業ギルドと魔術ギルドに、私はそれに加えて職人ギルドと錬金術ギルドに登録を終えた。
レイフレッドは冒険者ギルドにも登録してるから、私の研修中はこの国ならではの素材収集を頑張って貰おう。
散々弄ばれた挙げ句お姫様抱っこされて椅子に座らされ。
レイフレッドが作ったふわとろ卵のオムライスケチャップ味をいただく私。
……レイフレッド、また腕を上げたらしい。とろとろ卵が美味しい。
「前にもちらっと言った話の事よ。冒険者をしながら各地を回ってついでに行商するの」
「 ……そう言えば確かに。あの頃の僕はまだお嬢様の規格外ぶりを知らなかったから夢物語と思ってましたが、来年には不可能じゃ無いですね」
「だからさ、二人で旅に出ない? 期限をまずはレイフレッドが12歳になるまでって事で。私、シリカさんの国にも行きたい」
私は喋りながら自分のステータスノートを開き、身分証部分を可視化してレイフレッドに向けた。
「……お嬢様?」
「レイフレッド、これのスキル欄を見て欲しいの」
一緒に魔術の授業を受けているレイフレッドは勿論、私が全属性の適正を持つことを知っている。
「……? ……あれ、お嬢様これ表示設定いじってます?」
魔術関連のスキルが闇しか表示されていない事に気づくと、当然考えれる可能性を口にする。
「いいえ、教会の鑑定結果同様全てを表示してるわ」
「……まさか、適正も無いのに攻撃魔法を使える程の規格外に――」
「いやいや、適正はあるから」
私の矛盾した応えにレイフレッドは困った子を見る目になっていく。
「あのね、そのスキル欄にクリエイトってあるでしょう?」
「ええ、聞いた事の無いスキルですね」
「三歳の鑑定式でも言われたわ」
そのやり取りの間に、スキルの説明欄にある表記をそのまま紙に書き出し、彼に見せた。
「これがスキルの説明欄に表示されてるクリエイトの情報よ」
「お嬢様、あまり安易に自らのスキルを明かすのは感心しません……は? ――お嬢様、これはなんですか」
「スキル『クリエイト』に内包されていてスキル欄に表示されない私のスキルよ」
「……あの一週間の騒ぎはこれのせいですか?」
「だけじゃないけど大いに影響はあったわね」
「これ、この先余程の事がない限りは一生食いっぱぐれる心配のないスキルじゃないですか!」
「そうよ。あの男との婚約破棄さえできれば。――この街に居る内にスキルを磨けば。少なくとも食うに困ることはない。……冒険者としても強くなれれば、もっと。どこへ行っても困らない」
ステータスノートを消し、スキルを書き出した紙を魔法で燃やす。
「レイフレッド。不本意極まりないけど、今の私はあの男の婚約者。あの理不尽の塊の前に自分の弱点は絶対晒せない。だから今、あなたに明確な答えを伝えられない。……でも、それを伝えるべき日のために、魔族の国も獣人の国も自分の目で確かめたい。だから、旅をしよう」
その為に一年、ここで可能な限りの知識と技術を詰め込もう。
「ならば、早速この後ギルドへ行きませんか? 職人ギルドに商業ギルド、魔術ギルド、錬金術ギルドにも」
冒険者ギルドは五歳にならないと登録できないけど、他は登録だけなら三歳から可能だ。
……まあ三歳から登録する大半の人は家業の跡取りとかだけど。
――とまあ、そういう訳でやって来ました。
この街のギルドは冒険者ギルド以外全て街の頂上にある。
城を取り囲む棟のそれぞれにギルドの看板が出されている。
「まずは国で一度登録している商業ギルドから行きましょう」
そう、露店を出すのに必要で登録したんだ。
門を開けると、何となくブランドショップの様な高級感溢れる内装で、ギルド職員もきっちりと制服を着こなし、訪れている人たちも礼儀正しい。
「すみません、ギルドカードの更新をお願いします」
レイフレッドと共にカウンターに並び、受付のお姉さんに用件を伝える。
「僕達は先日この街に来たばかりなので」
「はい、ではこちらに〝神眼石〟をかざしてください」
と、カードリーダーもどきを差し出される。
「はい、確認が済みました」
「ありがとうございます」
「この街でも露店を出しますか?」
「そうですね、余裕があれば。ただこの街に来たのは勉強の為なので……」
「では、この街での出店の決まり等を纏めた資料をお渡ししますので、ご確認の上でお願いします」
「ありがとうございます」
……うん。荒っぽい人の少ない商業ギルドは簡単に済んだね。
さ、次行こう。
魔術ギルドと錬金術ギルドで登録を済ませばギルドの書庫を試用できるようになる。
適正が無いと登録に失敗するらしいけど、特にトラブルも無く登録を完了した。
さあ、最後だ。
職人ギルドはやはり商業ギルドとは対照的で、元の建物が全く同じなはずなのにこうも印象が変わるのかとある意味感心する。
装飾の一切無い実用に最適な環境を極めた造りは、お祖父様のギルドとも全く別物だ。
「すみません、シレイド国スイの町のギルドで作った仮登録を本登録に更新したいのですが」
……あ、なんか今更感半端ないけど、シレイドはウチの国の名前でスイは街の名前。ついでにこの国の名前はアディエンス。
「おや、この街には来たばかりかい?」
「ええ、訳あってちょっと……。でもせっかく来たのだから、この街で修行したいの」
「そうか、ならちょうど良いのがある。紹介するから先に登録しちまってくれ」
明らかに現役を引退した老ドワーフさんがカードリーダーを示した。
「さて、実はウチのギルドでは最近〝派遣〟という働き方が注目を集めているのですよ」
普通職人を目指すなら、どこか一つの工房に入り、イチから修行、腕と運があれば独立と言うのが当たり前。
「ですが、どんな業種にも繁忙期というものがありまして……」
つまり、忙しい時に合わせて人を雇うと人件費がかかり、暇な時に合わせれば当然忙しい時にムリが出る。
その調整弁として派遣という雇用形態が試験的に導入されているのだという。
「まあこれもこのルクスドだから成り立つ制度なんですがね」
私のようにルクスドの技術を学びたい者は多い。
この制度を使えば色々な工房を経験できる。
「一期一ヶ月更新で各工房のヘルプに入って貰います」
「派遣先の希望は聞いてもらえるんですか?」
「名指しの希望は受け付けない事になっているが、業種やポジションの希望は受け付けてる。100%かなうかは分からんが」
「では、申し込みの受付をお願いします」
こうしてレイフレッドは商業ギルドと魔術ギルドに、私はそれに加えて職人ギルドと錬金術ギルドに登録を終えた。
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(追記2018.07.24)
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