唯一平民の悪役令嬢は吸血鬼な従者がお気に入りなのである。

彩世幻夜

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職人街で弟子入りします。

鍛冶職人に弟子入りします。

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    暑い。
    以前にも一度短時間とはいえ体験していたから覚悟はしていたけど。
    金属と金属がぶつかり合う幾重にも重なる音が四方八方から聞こえてくるため、自然と普段の会話も声を張り上げるようになる。

    「ほいじゃあ嬢ちゃん、まずは倉庫整理を頼むわ。今日入荷した素材を仕分けしてそれぞれ収めてくれ」
    まずは素材の見分けを覚えるよう言われる。
    一番よく使用する鉄、銅。金銀にミスリルとオリハルコン。
    加えて魔物由来の素材や装飾用の宝石など。
    力仕事で体力的には少々キツかったけど、これはこれで楽しい。

    鑑定スキルを使えばミスリルなどの希少金属や鉱石は同じに見えて微妙に質や性能に差異があると分かる。
    ……スキルが無い場合はひたすら目を肥やす時間が要る修行だろうだけに、スキルチート様々である。

    次は炉の管理。
    素材ごとに違う温度の管理を覚え、それを使う職人達の仕事を見て学ぶ。
    剣の作り方。鍋などの生活雑貨の作り方。
    紹介されたこの工房では彫金などの装飾加工まで行っているから、本当に素材から完成品になる工程全てが、与えられた仕事をきっちりこなしさえすれば見学のし放題。

    もちろんこれも本当なら見ただけで真似できるはずはない。
    見よう見まねでやって失敗して、どこか悪かったのかもう一度見比べて……そんな修行を経て腕を磨くものだ。
    その過程を全てすっ飛ばせてしまう私のスキルはやっぱりこの業界では無双し放題になる。

    ……レイフレッドと参加したいつぞやのやらかしを繰り返すまいと自重はしてたから、騒ぎは起こさなかったけど。
    代わりに最近では学校の体育館程度の広さになった空間に鍛冶スペースを作って自主練すれば、見てきた通りの作業のチュートリアルがインストールされ、同じ様に作れる事が確認出来た。
    ……作ったものは暇な時に露店を出して売り、レイフレッドへの給料に回す。

    あ、ちなみに派遣依頼の報酬も受け取っているから、レイフレッドへの給料は払えている。
    下宿の部屋代はお父様が出して下さっているけど、生活費は自分達で稼いでいる。
    剣等の鍛練も、魔術の訓練も、連携の確認も毎朝必ずやってるし、教養も出がけに大量に渡された教科書を使って夕食後にレイフレッドと勉強している。

    朝起きて鍛練した後風呂に入って汗を流し朝食を食べ、出かける。
    ランチは各々で済ませ、先に戻った方が夕飯を作る。夕食の後で勉強し、風呂に入って寝る。
    休日は露店かギルドの書庫に行き先が変わり、ランチもレイフレッドと食べる。

    ――ちなみに、例の質問に対するシリカさんの答えは〝可能だが、無問題とは言えない〟
    パートナーとの婚姻そのものに問題は無いけれど、まあ周囲の事とかいずれ子ができれば混血児になる為、それに付随してくる諸問題とか、まあ懸念はあるよ、と。

    つまり結局は全て私の覚悟次第って事の様です。
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