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帰還
拠点購入
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吸血鬼がメインのこの国では、町のタイムスケジュールもまた夜型で動いている。
故に、他の町にはないイルミネーション的な装飾が特長的な町なのだと、この間この街に到着した時にはまだ日が出ていて見れていなかった町の装いに目を奪われつつ、私は王城で用意された馬車に乗り、案内人兼御者に商業ギルドへ向かうように告げ、レイフレッドと窓の外の眺めを楽しんでいた。
「この国の拠点もできたし、次はルクスドにも拠点が欲しいな」
けど、その為には先立つ物が必要不可欠な訳で。
これまで露店での稼ぎをちまちまこつこつ貯めてきたから、今回家――もとい小屋一つ買う頭金位はある。
……ついでに資金の足しになればと持ってきたこれの特許権が認められればローンを抱え込まずに済む。
でも、流石にルクスドに二つ目の拠点を買えるほどの収入見込みはなかったから。
「……あの馬車を売れば一般庶民の普遍的な家程度は余裕で買えるし、例の魔道具研究の為の場所だと言えば王家の持ち出しで下級貴族の別邸程度の屋敷は建つぞ?」
……流石にあの馬車そのものは売れないから、車体だけ同じ様に作って、内装と仕上げの塗装はご自由に、と投げたら、結構な報酬と一緒に追加注文が幾つも舞い込んだ。
……とても個人では裁ききれないから、先日の一件で仕事をクビになったあの使用人の彼――サムをこの拠点の代理人として雇う事にした。
各種ギルドが並ぶ庶民街の一等地に店舗兼事務所兼住宅の、四階建てビルを購入し、一階を店舗に、二階を事務所に、三階を従業員用住居に、四階を私達の拠点とし、空間と繋げた扉を設置した。
おかげでここで拠点を買うつもりだった分の資金が丸々残っている。
「帰る途中、ルクスドにも寄って帰ろうね」
今度こそランクの低い棟しか買えないだろうけど。
研究やらもの作りをしたいなら、やっぱりあそこ以上に適した町は無いからね。
「……そうですね。お嬢様ならいつか旦那様を越えて、世界に通じる大商会を作れそうです」
レイフレッドが笑う。
「それでお嬢様、それは一体何なんですか?」
今回特許登録の為に持ってきた物を指してレイフレッドが問う。
「ああ、これは……」
ごく簡単な魔道具で、既に技術的な特許は魔術ギルドで取得している。
「私達のあの馬車に取り付けた冷蔵庫。あれを手軽に再現できるポータブル冷蔵庫用の魔道具よ」
この魔道具を、適当な戸棚なりボックスに取り付ければあら簡単、簡易冷蔵庫が出来上がる。
「簡単よ、取り付けた場所の広さに沿った結界を張って、その内部だけを冷やす。それだけの魔道具だもの」
まあそれなりに便利な物だから売れると踏んでるけど、単価が安いから儲けは期待していない。
「……そうですかね? 少なくともルクスドに着くまでにはルクスド中階層の棟一つ買える程度の金額が入ってそうですけど」
レイフレッドが呆れたように言うけど……。
「だって、家庭用の置き型の冷蔵庫は既にあるんだよ?」
もしそれがなければ馬車なんか目じゃ無いほど儲けられると思うけど。
だから、私はレイフレッドの呆れを逆に笑い飛ばした。
特許の申請は問題なく済み、数日後には出発する予定で準備を進め。
私達はシリカさんと一時の別れを惜しみながら、吸血鬼の国を後にした。
故に、他の町にはないイルミネーション的な装飾が特長的な町なのだと、この間この街に到着した時にはまだ日が出ていて見れていなかった町の装いに目を奪われつつ、私は王城で用意された馬車に乗り、案内人兼御者に商業ギルドへ向かうように告げ、レイフレッドと窓の外の眺めを楽しんでいた。
「この国の拠点もできたし、次はルクスドにも拠点が欲しいな」
けど、その為には先立つ物が必要不可欠な訳で。
これまで露店での稼ぎをちまちまこつこつ貯めてきたから、今回家――もとい小屋一つ買う頭金位はある。
……ついでに資金の足しになればと持ってきたこれの特許権が認められればローンを抱え込まずに済む。
でも、流石にルクスドに二つ目の拠点を買えるほどの収入見込みはなかったから。
「……あの馬車を売れば一般庶民の普遍的な家程度は余裕で買えるし、例の魔道具研究の為の場所だと言えば王家の持ち出しで下級貴族の別邸程度の屋敷は建つぞ?」
……流石にあの馬車そのものは売れないから、車体だけ同じ様に作って、内装と仕上げの塗装はご自由に、と投げたら、結構な報酬と一緒に追加注文が幾つも舞い込んだ。
……とても個人では裁ききれないから、先日の一件で仕事をクビになったあの使用人の彼――サムをこの拠点の代理人として雇う事にした。
各種ギルドが並ぶ庶民街の一等地に店舗兼事務所兼住宅の、四階建てビルを購入し、一階を店舗に、二階を事務所に、三階を従業員用住居に、四階を私達の拠点とし、空間と繋げた扉を設置した。
おかげでここで拠点を買うつもりだった分の資金が丸々残っている。
「帰る途中、ルクスドにも寄って帰ろうね」
今度こそランクの低い棟しか買えないだろうけど。
研究やらもの作りをしたいなら、やっぱりあそこ以上に適した町は無いからね。
「……そうですね。お嬢様ならいつか旦那様を越えて、世界に通じる大商会を作れそうです」
レイフレッドが笑う。
「それでお嬢様、それは一体何なんですか?」
今回特許登録の為に持ってきた物を指してレイフレッドが問う。
「ああ、これは……」
ごく簡単な魔道具で、既に技術的な特許は魔術ギルドで取得している。
「私達のあの馬車に取り付けた冷蔵庫。あれを手軽に再現できるポータブル冷蔵庫用の魔道具よ」
この魔道具を、適当な戸棚なりボックスに取り付ければあら簡単、簡易冷蔵庫が出来上がる。
「簡単よ、取り付けた場所の広さに沿った結界を張って、その内部だけを冷やす。それだけの魔道具だもの」
まあそれなりに便利な物だから売れると踏んでるけど、単価が安いから儲けは期待していない。
「……そうですかね? 少なくともルクスドに着くまでにはルクスド中階層の棟一つ買える程度の金額が入ってそうですけど」
レイフレッドが呆れたように言うけど……。
「だって、家庭用の置き型の冷蔵庫は既にあるんだよ?」
もしそれがなければ馬車なんか目じゃ無いほど儲けられると思うけど。
だから、私はレイフレッドの呆れを逆に笑い飛ばした。
特許の申請は問題なく済み、数日後には出発する予定で準備を進め。
私達はシリカさんと一時の別れを惜しみながら、吸血鬼の国を後にした。
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