唯一平民の悪役令嬢は吸血鬼な従者がお気に入りなのである。

彩世幻夜

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目指せ勝ち組!~君と歩む花道~

定番ネタ来ました。

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    「……お約束、って言うけど。これもゲームの強制力ってやつなのかしらね?」
    週明け初日。
    いつものように校門前でレイフレッドと別れた私が自分の下駄箱を前に思わずため息を吐きたくなる。
    ――予想はしてたし覚悟もしてたけどね。
    私の下駄箱の扉にのみ、インクでべっちょりと、あまりお上品じゃない単語が書き殴られていた。
    「まあ!    これはどう言う事ですの!」
    門を入ってすぐに遭遇はしたものの、最低限の挨拶だけして道を彼女に譲り、その後を歩いていた私はその声でイタズラに気付いた。
    「標的が平民の小娘とはいえここは我がクラスの物ですのよ!?    王子殿下の目に入る物に何と言うことを!」
     憤るのは公爵令嬢。第二王子の婚約者。……一昨日のアレを見てどう感じたかによっては容疑者の一人。
    「誰の仕業か存じませんが……この様なもの、殿下の目にお目に入れる訳には参りません。貴女、何とかなさいな」
    ……さて。この世界のインクには水性のものと油性の物と在る。基本的な特徴は水性ペンと油性ペンと同じ。でだ。こんな嫌がらせに水性インクなんて使ってくれる甘い敵なら良いんだけど。油性だと……まあ普通は大変だよね。
    でも、私は初日にこの手のイタズラに対し対策をしてあった。
    「――かしこまりました」
    私は普通に自分の下駄箱の鍵を開けて扉を開ける。
    その扉の裏に張り付けた魔道具の機能の一つを使えば――
     「え……」
     あっという間に元通り!
     ……これ、下駄箱の周囲に極薄く結界を張ってただけなんだけどね。
    ただ、これは単純な物理結界でも魔術結界でもない。
    普通に履き物を出し入れするのを弾いちゃ問題だからね……。ただ、ワックスみたいなイメージで薄く膜を張り、それに受けたダメージ――今回はインクの汚れ――を結界を解くことで無かったことにする。
    改めてもう一度結界を張り直せば何度汚されても対処可能。
    あ、勿論鍵を壊すなりなんなりして中に嫌がらせを仕込むパターンも想定した対処も魔道具には仕込んである。
    何より……
    私はアクセサリーの一つとして身に付けていたブレスレットの魔道具をさりげなく下駄箱の魔道具と触れ合わせる。
    これで一つ証拠ゲットだ。
    「……はぁ。どうやら殿下達の忠告の意味を理解でになかった愚か者が居るようね。嘆かわしいですが、殿下達を悲しませたくはありませんの。この件は私が預かります。殿下達に知らせてはなりませんよ」
    さて。彼女が犯人なら口止め工作なんだろうけど……。
    まだ確定しないうちから公爵令嬢を疑ってかかるのはまずい。
    「かしこまりました」
    私は従順に頭を下げた。
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