唯一平民の悪役令嬢は吸血鬼な従者がお気に入りなのである。

彩世幻夜

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目指せ勝ち組!~君と歩む花道~

バカとハサミは使い方次第と言うけれど

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    このゲームは、この初等部と上級学校が舞台となっている。ただし、それはヒロイン視点からの話。私含め悪役令嬢は、この初等部の卒業パーティーでざまぁされて退場となる。
    だから私もこの三年が正念場だと思うから、頑張ったのに……。
    まだようやくゲームのチュートリアルを終えたばかりの段階で、もう黄信号が点灯するとか……。
    そう、私に嫌がらせをした筆頭はあの子。ヒロインちゃん。……何がしたくて私に嫌がらせしてるかは知らないけど、もっとやり方考えれば良いのに、ヒロインちゃんの無能っぶりに呆れるしかない。
    「――平民の身で殿下にご意見申し上げる事、失礼とは存じますが、発言をお許しいただけますか?」
    「……聞くだけは聞いてやろう。だが、聞き入れるか否かは聞いてから考えよう」
    「ありがとうございます」
    だから、勿論これは彼女の為などではない。
    自分のために、私は顔をあげ口を開く。
    「確かに私はこれが誰の仕業であるか存じております。――ですが、この件を王子殿下がお咎めになるのでしたら、あくまで殿下方のお言葉を軽んじた不敬罪とし、私に対する処遇については不問としていただけないでしょうか」
    「……何?」
    「殿下。確かに分かりやすく嫌がらせという行為を働いたのは今のところ一人だけです。……ですが、些細な陰口やあまり好意的でない視線を向けて来た方は珍しくありませんでした。――殿下はその全てを罰するとおっしゃいますか?」
    ……これは、彼が愚かな王子でないからこその賭け。
    「そもそも、この学校……いえ、世間においても平民は貴族に下に見られる存在であり、この程度のの嫌がらせなどで一々弱っていたら、商人も職人も貴族からの依頼を受けられません。もっとずっと理不尽な事を言われても黙らなければならないのがこの国の平民なのです」
    そう。酷い婚約話でも断れないくらいに。
    「そのような常識を、常の習慣を変えるのは一朝一夕に叶うものではないのです。それを、他の平民の皆さんは今まで通りで私のみ特別扱いでは、彼らからもやっかまれます。殿下、この件で私が国を見限ることは致しません。ですから、今回の件は穏便に。無理に急がず、校内のみならず国の将来も合わせてお考え下さいませんか?」
    問題と論点を少しずつずらしていく。……まるで詐欺師のやり口のようで嫌だけど、そうも言っていられずに、何とか王子を宥める。
    「……そう言えばこれが初めてでは無いのだったか。ならばこのクラスにも他に現場を見た者が居るはずだが、報告を受けていないな」
    彼がギロリと教室に居る生徒を見回せば、覚えのある者がそっと目をそらす。
    中でも彼女――王子の婚約者の公爵令嬢は震えていた。
    「――申し訳ございません。殿下を煩わせまいと口止めを命じておりました」
    「成る程、確かに実行犯を一人罰しただけでは何の解決にもならない……、か。承知した。今回は皆に厳重注意のみで終いとするが、次からは必ず報告せよ」
   ああ。この王子はまともで本当に良かった。
   けど、今回は乗りきったけど……。いい加減そろそろ何とかしないと、だよねぇ……。
    どうするかなぁ。
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