唯一平民の悪役令嬢は吸血鬼な従者がお気に入りなのである。

彩世幻夜

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目指せ勝ち組!~君と歩む花道~

警告

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    あのヒロインちゃん。顔は知ってるけどそう言えば名前ってなんだっけ?    こないだ婚約者様とウチのクラスに顔を出したときに名乗ってたっけ?    ……いや、聞いた覚え無いな。
    そっと警告文を下駄箱なり彼女の机なりに忍ばせたくても名前も分からなきゃどうしようもない。
    仕方なく彼女についての情報収集から始める事にして、ゲームの記憶を頼りに彼女が接触していそうな人物とさりげない世間話で顔見知りになり情報を融通して貰えるよう働きかける。
    ……そうなると、一番やり易いのは先生の補助を任された魔法実技の授業だ。
    皆与えられた課題をこなすのに集中しているから、他人の雑談なんか気にしない。
    アドバイスを与えるときにさりげなく世間話を混ぜながらのリサーチは、遠回りのように見えて実は一番手っ取り早く情報が得られる。
    まず彼女の名はアリス。……欧州系ファンタジー世界だとありがちな名前。
    でもキラキラネームだったんじゃなければ日本人らしくない名前で、転生者かどうかは分かりにくい。
    彼女は先生の前では真面目に勉強しているように見せているけど、成績はあまり振るわず。同じく私の婚約者様も成績は良くないのだけど、こちらは先生にも少々横柄な態度を見せ、度々彼女――アリスを庇っているそうで。
    休み時間などは二人してイチャコラしてるそうだ。
    「……あの。噂ではビル様の婚約者はあなたなのですよね?    ……よろしいのですか?」
    「――私は平民で、元々妾として求められた身です。伯爵家のお嬢様相手に文句は言えませんわ」
    「そんな……。あの方は確かに今でこそ伯爵令嬢ですけど、元は伯爵が余所で生ませた庶子だと皆存じておりますわ!    個人としての価値ならあなたの方が……。ましてやビル殿のご実家は子爵、それも序列としてはほとんど男爵と変わらないようなお家なのですから、平民を正妻に迎えて煩く言う方など……ましてや貴女ほどの方がお妾の扱いで良いと言うなら侯爵家だって欲しがりますよ?」
    「まあ、勿体ない評価だわ。でも……ありがとう。このお話は私が生まれる前に彼のお父上の現子爵様からいただいたのだけど、ビル様はお気に召さない様なの。……政略結婚だと思うから何も言わず受け入れていたけど……彼の方から要らないと言われれば未練なく次へいくわ」
    「あら。……もしかしなくても気になる方がいらっしゃいますのね?」
    「ああ、もしかしなくとも、先日のパーティーでご一緒にいらした殿方かしら!?」
    「素敵な方でしたわね。殿下方ともお言葉を交わされておられて……。間違いなくビル殿より素敵な方でしたものね」
    ……あれ。情報収集のつもりがいつの間にかレイフレッドの話になっちゃった。
   何か、凄い期待に満ちた眼差しを向けられている……。
   え、何、貴女達は私に何を期待しているの……!
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