唯一平民の悪役令嬢は吸血鬼な従者がお気に入りなのである。

彩世幻夜

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目指せ勝ち組!~君と歩む花道~

初心者ダンジョン

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    『――お嬢様』
   二階のマッピングが終わり、下階への階段を下りているとき、レイフレッドからの受ける通信が入った。
    『この階のマッピングが完了しました。……上へ行く階段は見つけましたが、例の二人の姿と下階への階段はなく、明らかにボス部屋っぽい扉を発見しました。……どうやらここが最下層の様です』
   「そう。……モンスターはどう?    ――ダンジョンは死体を食うから、その場に居合わせた者が運んで連れ帰らない限り遺体は残らないからね」
    『……トロールが出ました』
    トロールは体が大きく重くてパワーのある強敵だけど、同時にとてつもなくとろいモンスターでもある。
    前衛だけで戦うにはキツイ相手だけど、魔法使いにとっては前衛なしでも狩れるドル箱だし、逃げるなら簡単な魔物だ。
    ……まあ、前衛だけで云々は一般人の話で、レイフレッドレベルなら問題はないから彼の心配は必要ない。
     『お陰で色々ドロップしましたけど……ショボいし今は荷物も増やせないんで拾わず来てしまいましたが』
   「いいわよ。私だっていい加減ゴブリンのボロ刀に飽き飽きしてきちゃって。空間収納に入れるのも面倒でほっぽらかして来たんだもの」
    あんなの二束三文でも儲けられれば上等でしょ。
   「……最悪貴方と落ち合うまで彼らが見つからなかったら、一応ボス部屋も探索しときましょう」
    三階層のマッピングを開始しながら、ゴブリンパーティーを倒す。……この階のゴブリンは群れるだけじゃなく、ゴブリンソード・ゴブリンメイジ・ゴブリンアーチャーをゴブリンナイトが統率するパーティーとしてかかってくる。
    ……こりゃ私にはショボいが、初心者冒険者の修行の場としてはかなり優良なダンジョンかもしれない。
    ――にしてもホントに居ないなー。
   『……一つ上の階のマッピングが完了しました』
   「私もこれから四階層に下りるところよ」
    ……ここまで見つからないとは。これは、最悪の事態を覚悟した方が良いかなぁ。
    「お嬢様!」
     四階層に着いた途端、通信機を介さずレイフレッドの声が直に耳に届く。
    「さっきの通信の後に階段を上った?」
    「……いいえ。ではここが四階層で。最下層が五階層――。本当に若いダンジョンですね」
    「でも、これであと探してないのはボス部屋だけよ」
    お互いにマッピング情報を交換しあうけど、嫌な予感がどんどん膨れていく。
   「……急ぎましょう」
    この程度の規模のダンジョンなど、私達には準備運動にもならない。
    四階層を爆走して突っ切り五階層のトロールをまとめてなぎ倒し進む。
    そして。
    『開けゴマ!』の呪文て開いてくれそうな大岩の扉が目の前に立ちはだかる。
    「――行きます!」
     レイフレッドがその岩に手を当て、ボス部屋の封印を解く。
    ロックアイテム探索すら必要ないお手軽封印。
    ……いきなりボス部屋に突撃する阿呆は居ないと言ってくれ、と思いたいのに。その可能性に賭けるしかない状況が情けない。
    大岩が音を立てて横へスライドし――
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