唯一平民の悪役令嬢は吸血鬼な従者がお気に入りなのである。

彩世幻夜

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目指せ勝ち組!~君と歩む花道~

任務完了報告

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    ――煩いので鳩尾に一発入れて気絶させました、まる。
   「記憶、弄っときましょうね」
    うん。後で喚かれると困るからね。
    闇属性魔法に長けたレイフレッドなら、この程度の記憶操作はお手の物。
    ……勿論、洗脳なんて恐ろしい事までは出来ないけど、直前の出来事の記憶を混乱させるくらいは可能だ。
    その上で睡眠薬を二人に飲ませ、空間に放り込んだ。
    これで身軽に動ける。
    「あー、さっさと帰ってお風呂入ってご飯食べましょ、お腹空いたわ」
    「――ですね。今日のメニューは何でしょうか?」
     ――私達二人、探し物もなく帰るだけなら立ち塞がる雑魚な魔物など文字通り蹴散らしてしまえばいいのだから、往路の半分以下の時間と労力でギルドが見える場所まで辿り着く。
    ……人目がないのを確認して空間から二人を取り出し、改めて担ぐ。
    藪を抜け、向こうからもこちらの姿が見える場所まで出ていけば、心配そうにしていた先生方や生徒会メンバーがお出迎えしてくれる。
    「おお、無事じゃったか!」
    「よくやったぞ、流石黄金級冒険者だな!」
    「……いえ。もう少し遅ければ危ないところでした。――未発見の洞窟タイプのダンジョンに誤って入り、入り口付近にあった落とし穴の罠で最下層まで落ち、ボス部屋へ迷いこんでいました。私達が発見した時にはボスの前で二人揃って気絶していまして……あわや、というところで間に合って……本当に危ないところでした」
    「ダンジョンについての報告は任務完了報告と共にギルマスに報告させていただきますが、彼らはどう致しましょうか?」
    「うむ。彼らに事情も聞かないとならん。目を覚ますまでこちらで預かろう」
    案の定、先生預かりになるようだ。……あの言い訳を聞いて、果たして彼らにどんな処分が下されるのか。
    私が何もしなくとも勝手に次から次へとトラブルを起こす彼ら。
    私が断罪されるより先に彼らが学校を追い出されるんじゃない?
    それが子爵の爵位を剥奪される程の大事なら、こちらから婚約を蹴っても相手はもう平民扱いなのだから全く困らないんだけど、息子が学校を辞めさせられたくらいじゃ醜聞程度で終わってしまう。
    子爵家に付いた傷は直に被害を及ぼす事はないけど、人に見限られた家はどんどん廃れていくだろう。遠からず瓦解し結局爵位返上となったとしても、そうなればむしろあちらは今以上にこちらにしがみついてくるだろう。
    「……これは。学校内のままごとで一喜一憂してる場合じゃないわ。早々に子爵家を探って息の根を止められるネタを掴まなきゃ!」
    ――そして、波乱たっぷりだったBクラスの研修日程も終了し、学校へ戻る馬車に乗り込む前に先生方から発表があった。
    大変自分勝手な理由で騒動を起こした二人の所業が暴露され、その処分が明らかにされた。
    まず夏休みの没収。夏休み中ずっと毎日休みなく学校で補講を丸一日受けさせられ、夏休み明けからは逆に三ヶ月の謹慎。
    二学期が丸々潰れ、楽しい行事目白押しの秋を全てスルーする事になる。
    学園モノの乙女ゲームプレイヤーとしては手痛いとかいうレベルじゃないペナルティ。
    ま、自業自得よね。
    私達も、来週のAクラスが終わればいよいよ自分達の番だ。
    取り敢えずの懸念も片付いた事だし、しっかり楽しまなきゃ、ね!
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