唯一平民の悪役令嬢は吸血鬼な従者がお気に入りなのである。

彩世幻夜

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目指せ勝ち組!~君と歩む花道~

ショータイム

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    「――出来ればもう一度見てみたい。何より見せてやりたいんだ」
    それは、体育祭のプログラム調整の為の会議中、王子二人を筆頭とした生徒会メンバーに打診された話だった。
    あの夏の研修で、大鴉退治に同行したメンバーが言うには、ただ的に向けて矢を放つだけではつまらない、と言うのだ。
   「勿論、本来弓術がそういうものであるのは理解している。そしてあれが君なりに努力した結果なのだという事も。……だからこそ、たまにはその実力を示す機会も必要なのではないか?」
    ……魔法や弓術など、戦う術の実力の証は冒険者ランクがその役目を果たしている。
   「……お伽噺や噂話としてその凄さを耳にする機会はある。だが、その実力を実際に見聞きする機会は我々貴族には滅多にない故に、その証は貴族にとってはいまいちピンと来ず、空手形の様に思う輩も居る」
    だから、この機会に見せつけてやれ、と。
    ついでに私達の目も楽しませろ、と。
    ――まずは先生の模範的なお手本が始まり、用意された距離の違う動かない的と、魔法で浮かせた動く的にそれぞれ順に矢を放ち命中させていく。
    遠い的や動く的に矢が命中すると、おお、と歓声が上がるけど、まあこれまで剣術や槍術何かの派手な試合に比べれば盛り上がりは今一つだ。
    先生の番が終わり、私の番が始まる。
    先生の矢が刺さった的は下げられ、私の的が用意される。
    正面にのみ用意された先生の的と違い、360度半ドーム状に大量の的が浮かぶ。
    私は一度目を閉じ深呼吸して精神統一し。
    「――始め!」
    その合図で目を開けて自前の弓を構えた。
    まずは弓を真上に向けて掲げ、三連の光魔法の矢を放つ。
    花火のような火花散る軌跡を振り撒きながら、それは上空に浮かぶ的をそれぞれ射抜き、小規模な爆発と共に的ごと吹き飛ばした。
    続いて前方に氷の矢、後方に炎の矢を放ち、片方は凍らせて粉砕、もう片方は消し炭にして消し飛ばした。
    右手の的にはマシンガンの様に植物の固く小さな実を、左手の的には石の礫を浴びせて砕く。
    その後矢尻を魔法で強化した矢を連射し的を全て貫通させた後、その矢を闇魔法を纏わせた矢で追尾し射落としてやる。
    更に〝氷雨槍アイシクル・スピア〟を宙に放って氷の槍を降らせて的を落とし、グラウンドに氷柱を乱立させてみたり、それを今度は炎の雨で溶かしてみたり。
    最後に土魔法でグラウンドを均して元通りにして見せた頃にはあれだけあった的は一つ残らず消えていた。
    最初こそ楽しそうに歓声をあげてたのに……いつの間にか周囲が静まり返っていた。
    ……あれ?
    「――これで弓術のデモンストレーションを終了致します。アンリ=カーライルさん、アルト=デニス先生、ありがとうございました!」
    アナウンスの声が響き、事前打ち合わせの通りその声を合図にさっさと場をはけて、退場門へと走った。
    「では、次は……」   
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