唯一平民の悪役令嬢は吸血鬼な従者がお気に入りなのである。

彩世幻夜

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領主のお仕事

闇ギルド

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    職人ギルドに商人ギルド。冒険者ギルドに……と、この世界には様々なギルドがある。
    これらは国を問わず公的な機関として機能している。
    ――だが、ある意味国を問わず公的な機関として機能はしていても、決して日の下には出て来ない地下組織の様なギルドが一つ存在する。
    存在事態は知れていても、他のギルドと違って公に窓口は出していないのだ。
    窓口の場所は、ギルド員しか知らない。
    そのギルドに関わるには、既にギルド員になっている者の紹介が必要となる。
    だから、全うな人間はまず関わることの無い組織……なのだが、後ろ暗いことをする貴族などは人を介して関わる事もある……らしい。
    少なくとも私、アンリ=カーライルはそんなもののお世話になった事は無いし、できればこれからも関わりたくはなかったのだけど……。
    「闇ギルドの人間……ですか」
    「ああ。依頼主の名は……」
    「あの元子爵……ですか」
    「息子達が関わっているかどうかまでは分からんがな」
    「目的は……」
    「我が国と……お前達も標的の一つにされていたらしいな」
    「お前達を目標にしたのは奴だろう。……さすがにあの男の依頼だけでこんな大それた計画を実行しようとは思わんだろう」
    「主目的は我々の方だろう。お前たちの方はあわよくば……といったところだろう」
   「私達の領地に闇ギルドの窓口があるとは思いたくないけど……」
   「一応、気を付けておけよ」
    陛下と殿下に気遣われつつ、私達は城を後にした。
    本来ならカーライルの実家に顔を見せに帰る予定だったけれど、余計な者を連れ帰っちゃマズイという事で急遽中止となり、私達は真っ直ぐ自領に帰った。
    念のため、闇ギルドの窓口らしき物がないか、不審な人物の出入りはないかの確認と注意の徹底を指示して通常の政務に取り掛かる。
    「まぁ、城の後ろの山に竜が住んでて、それが領主様のだってんだから、そんな領に馬鹿なことをしようなんて考える連中がいるのかねぇ?」
    なんてシリカは懐疑的だ。
    ……まぁ確かにうちの領地の犯罪率は極端に低い。
    賊の類いは寄って来ないし、物取りも少ない。
    前者は竜を恐れて、後者は領が豊かで盗難の必要が無い事が理由だろうと言われている。
    最近では宿場町も整い、外から物が出入りするようになって、より城下は賑わっている。
    「闇ギルドが根を張ろうとするなら今が絶好のチャンスでしょう」
   一応ウチでは戸籍制度を利用し、納税率と成果を上げている。
    登記管理も厳しくしているから、他よりは根を張りにくい筈だけど、どこまで偽装を防げるか……って言うと……ね。
    「パトロールを厳しくしましょう」
   今のところはそれ位しかできないか……。
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