唯一平民の悪役令嬢は吸血鬼な従者がお気に入りなのである。

彩世幻夜

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領主のお仕事

里帰り

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    先日、帰り損ねたから改めて……と、本日私達はシレイドのカーライル家にやって来ていた。
   「お祖母様、こんにちは!」
    元気に挨拶するのはいいけど、双子達、お祖母様と呼ぶのは止めておけとあれ程言ったのに……!
    「……こんにちは」
    「こんちゃー」
    おお、女の子達は無難に挨拶を済ませたね。
    「はい、いらっしゃい」
     少しばかり顔をひきつらせているような……気が、しないでもないけれど。お母様は私の子を笑って迎え入れた。
    「お茶とお菓子を用意してあるのよ」
    「おじ……お兄様も、こんにちは!」
    ……よし。弟は呼び間違えなかったな。
    「ひいお祖父様、こんにちは」
    うん。お祖父様は間違いなくお祖父様だからね。
   「おうおう、孫は可愛かったが、ひ孫はもっと可愛いのぅ」
    お祖父様はひ孫にデレデレだ。
    双子を両腕で抱えてご満悦なお祖父様に苦笑しながら、私達は食堂へと案内された。
    そこには既に着席しているお父様の姿があった。
   「お久し振りです、お父様」
   「ああ」
     お母様と弟、お祖父様で子供達の相手をして居る間に、お父様に例の闇ギルドの話をする。
    「こちらも場合によっては狙われるやも知れません。……お気をつけ下さい」
   「……そうだな」
    お父様は疲れたように頭を抱えた。
   「何かありましたか?」
   「ああ、いや……大した事ではないのだが」
    最近、商会の馬車がよく賊にターゲットにされると言う。
   「無論、護衛はつけてあるから馬車は無事なのだが……」
    商業ギルドや冒険者ギルドにも報告を上げているが、他の商会では通常頻度のままなのだと言う。
    「闇ギルドの仕業にしてはやり方が温すぎる。……出る杭は打たれるとは言うがね、今のところ対処療法での対応をするしかないのがもどかしくてな」
   「ああ……それは……削られますね……」
   「金銭的被害は無くとも、精神的にね……少々厳しくてな」
   「――心中、お察し致します」
   「もしこれがあの男の仕業だと言うなら、よく考え付いたものだと感心するよ」
    あの男は恐らく依頼しただけで、実際に考えて行動してるのは別の奴だろう。……とはいえあの男にもそんな財力があるとは思えないから、何かしょーもない仕事でもやらされてるんだろうけど。
    カーライル商会、儲かってるからね。余所から嫉妬もされるだろうし、妨害だってあるだろう。
    きっと似たような依頼が他にもあったんだ。
   「何かあったらいつでも連絡してきて。すぐに駆けつけるから」
   「ああ。……なるべくならウチだけで解決したかったんだけどね」
   「闇ギルドが関わっているなら、いち平民では荷が重いでしょう。陛下にも進言しておきますから」
    幸い、私達の滞在中には何もなかったんだけど。
    ……不穏の包囲網は徐々に狭まってきていた。
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