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領主一族のお仕事

レイリアのお仕事

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    「お母様、こちら先月の報告書です」
    「ありがとう、レイリア」
    先だって、双子が学校を卒業し、正式に領主の仕事を手伝い始めた。
    そのタイミングでレイリアは魔法師団を立ち上げ統率する立場となった。
    近々式を挙げる旦那は団長になるにはまだ遠いけれど、それでも中隊長を任せられる位には出世していた。
    レイリアのパートナーとなり寿命が延びた筈のシンならいつかは将軍職を得られるだろう。
    ――そしてその頃には魔法で戦う軍もある程度揃うはず。
    研究職も募集していたから、私もうかうかしているとあっという間に抜かされそうだ。
    まぁ、頼もしいけどね。
    私やレイフレッドばかりが強くても、以前の誘拐事件の様に抑える方法が無い訳じゃない。だから、周りが強くなるのは良い事だ。
    私は渡された予算の使用報告書を確認し、判を押した。
    「式の準備はどう?    大丈夫そう?」
    だから私はもう一つの心配事を尋ねた。
    「うん。大半城の人がやってくれちゃうから、私は多少意見言ったら後ははいはい言ってれば良いような……。シンも脳筋馬鹿だから『式は常識と予算が許す限りはお前の好きにしろ』って言ってくれてるし」
    ……それは……良いのか?
   「お祖父様達を呼びたいってくらいかな、私の我が儘は。あとはお衣装にちょっと口出ししただけよ?」
   「まあ、今回は皇帝様方も出席したいとは言ってなかったしね」
    私達の時には重鎮が多く来すぎてパーティーを二日に分けたけど、今回はそこまでしなくとも大丈夫らしい。
    ……だとするなら最大の難点はやっぱりレイフレッドか。いよいよ、となって彼は毎晩アンニュイな感じになっている。
    そろそろいい加減諦めろ?    と一応慰めてはやるけど、あんまりしつこいと嫌われるぞ?    と言ってやってる。レイとイチャイチャするのは嫌じゃないから私は良いんたけどさ。
   「……式までには何とか気持ちを切り替えます」
    レイフレッドが宣言してからしばらくの後。
    レイリアの結婚式が執り行われた。
    式をして、城下をパレードして、夜会を開く。一日通してのお祭り騒ぎだ。
    私がお父様と歩いたバージンロードを、レイリアはレイフレッドと歩く。
    親子というより兄妹に見える二人だけど、レイフレッドは複雑そうだ。ついでにジロリとシン君を睨み付ける。
   「……泣かしたりしたら承知しないからな」
    なんてレイフレッドは言うけど。
    レイリアってそう簡単に泣くような柔な子じゃないし、むしろ何かあったら自分で魔法でも何でも使って解決しちゃう子だろうに。
   「はい。勿論です、お義父さん」
    なんて素直に返しちゃうシン君、良い子や……。
    まぁ、仕方ないから今夜もレイフレッドを慰めてやるか。
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