唯一平民の悪役令嬢は吸血鬼な従者がお気に入りなのである。

彩世幻夜

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国王のお仕事

世界規模の夜会

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    オーケストラの生演奏で、円舞曲が流れる。
    広い舞台では多くの人々が躍り、舞台の周りでは食事をしたり歓談する人々がそれぞれに固まっていた。
    食事はこの国の料理が大半のようだけど、多少他国の料理も出されていた。
    ……全体的に和食由来の料理が多い気がする。
    この街で見かけた物からしても、この国にかつて日本人の転生者か転移者が居たのは間違いない気がする。
    それが過去の話なのか、今現在も存在するのかは分からないけれど。
    天ぷらをいただきながら、レイフレッドが鶏肉の生姜焼きを頬張るのを眺めた。……レイフレッドは相変わらず肉が好物だ。美味しそうに食べている。
    こんな場でもそれを見ているとなんとなく和む。
    空になった皿を給仕に片付けさせ、私達は場を移動する。
   「……踊りますか?」
   「食べてばかりもアレだしね。腹ごなししましょうか」
     レイフレッドと夫婦になってもう長い。それだけダンスのパートナー歴も長い。例え別の事を考えながら踊ったって問題なく踊れるくらいには安定している。
     そのせいか、獣人も魔族も人間と変わらない率で存在するこの場でも、ダンスの舞台に立てばそれなりに目立ったらしい。
    一曲躍り終えて舞台を降りると、私達を見つけた女狐女帝様がやって来た。
    「相変わらず仲が良いの」
    「ありがとうございます、お陰さまで子どもも一人残して皆巣立ちましたし」
    「……寿命の長い魔族は子が出来にくいんに早ようから子沢山でしたものねぇ。……まだ作れるお歳やけど、まだ増えるんか? 」
    「増やすつもりはないのですが……、こればかりは授かり物なので……」
    「ふふ、そなたらは国主じゃ。一般庶民はどうかしらんが、国主であれば、ある程度の子沢山は必要じゃ。特にそなたらは初代じゃ。代替わりに問題が起きるようだったり、国家予算をひっ迫させる程の子沢山はあかんけど、な。子が多いのは良い事じゃ」
    ニヤリと笑って言う。
   「国の順位、上がるとよいのぅ?」
   「……やっぱりあるんですね」
   「公然の秘密と言うやつよの。表だって順位が発表される事はないが、各所の扱いに明らかな差がつく。……新興のそなたらの国はほぼ最下位に近いじゃろ?    今回の会議での活躍でどれ程順位が上がるか。帰りの船で明らかになろうぞ」
    そう、いよいよ明日から会議の本番が始まるのだ。
   「我らも自国の利を少しでも多く獲得せねばならん。あまり手助けする余裕もないが、まぁ頑張ると良いぞ」
    そんなアドバイスを残して去っていく女狐様。
    ――宴はまだ始まったばかりだ。
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