唯一平民の悪役令嬢は吸血鬼な従者がお気に入りなのである。

彩世幻夜

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国王のお仕事

虚偽報告

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    神界から突如現実リアルに引き戻された私達。それを見守るのは他の姉兄達と、何より神官様達だ。
    特に彼らは「どんなお言葉を賜られたのだ。早く話せ」と急かしてくる。
    ……彼らによると、祈りの直後、天より光が降り注ぎ、私達は祈りの体制を保ったまま意識が無くなっていたらしい。
    だけど今はそんな事はどうだって良いんだ。
    それより何より今すぐに彼らを誤魔化しきれるような嘘話を考え付かなきゃならない。
    私、そういう方向の頭はそんなに良くない。
    せめてレイフレッドやカイルと相談出来る位の時間は下さいよ! 
     と、ついつい神様達に恨み言を言いたくなってしま――
   「ああ、それは……」
     ……え?
     何か意図せずするりと口から言葉が出た。
    「私達にとある魔道具を作るようご注文をいただいたのですよ。作ったそれは各教会に奉納するようにと仰せになられました。――神々からのご注文でございます。早急に帰国し、早速取りかかりたいと存じますので、明日にもマルクニアの港へお送りいただけませんか?」
    するすると自分でもビックリするくらい口が良く動き、あながち嘘でもない、けれど大事な部分を丸っと抜かした言い訳が出てくる。
    ……ああ。これが新しいスキルの効果なのか。
    これは確かにありがたい。うっかり恨み言を言わなくて良かった良かった。
    「魔道具、とな?」
    「ええ。小さな教会でも信心深い信者に奇跡をお見せしたいそうですわ」
     『我らに造らせろ』『手伝ってやる』と言うのを、何とか誤魔化し、私達は帰国する船に乗り込んだ。
    「……疲れた」
    「――まだエルシーの船の中ですよ。せめて港に着くまではもう少し我慢して下さい」
    分かっちゃいるけど、やっぱり疲れてる。
    でも、帰ったらすぐにも魔道具の作成を始めなければならない。
    「カイル、レイフレッド、空間の屋敷を使うよ」
    城に住むようになって滅多に使わなくなったそこでの内緒話を目論む。
    「皆、エルシー側の誰かが訪ねて来たら教えてちょうだい」
    そして、屋敷の応接間に防音魔法をかける。
   「んじゃ、早速製品企画会議の第一回目を始めましょうか」
    私はにっこり微笑んでそう宣言した。
    「製品の企画会議……?    あれ、口から出任せじゃなかったの?」
    「……魔道具の意図については半分口から出任せだけど、作ること自体は本当だよ」
    「何を作るつもりなの、母さん」
    「――魔王誕生の原因を集めて神界へ送り込む魔道具よ。イメージとしちゃエアコンみたいな?    本体で空気を浄化して、室外機でポイするイメージね」
   「成る程。それを教会の数だけ作ればその原因も減るわけですね。確かに面白そうですね」
    カイルが愉快そうに微笑んだ。
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