唯一平民の悪役令嬢は吸血鬼な従者がお気に入りなのである。

彩世幻夜

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魔王対策

設計案

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    「で、だ。取り敢えずの原案を見てくれ」
    その原案をカイルと二人でプレゼンしていく。
    「それに搭載すべき主な機能は三つ。肝心の負の感情から生まれた良くない気……あえて言うなら『邪気』を吸い取る機能、吸い取った邪気を神界に送る機能、そしてその機能を神官の目から誤魔化すた為のオマケ機能。……オマケ機能についてはまだ何が有効か案が纏まってなくて、取り敢えず装飾的な機能としたが、そこは大いに検討が必要だ」
    「だが、あくまで神官を誤魔化せればそこは機能としてそれで十分だ。真に必要な機能は前者二つなんでな」
    「その為の術式の原案がこれだ。で、その為の筐体がこうで……」
    「で、素材にこれを使う予定でね。確定したら勿論私達で採りに行ってくるわ」
    私達が考えた原案の魔道具は、外見は薬玉を模した物だ。
    ――ただし、薬玉と言っても祝いやパーティーなんかで紐を引っ張ってパカンと割ったら垂れ幕や飾り紐が出てくるあのくす玉じゃない。
    元から飾る目的で作られた薬玉の方。
    簡単なのだと発泡スチロールの球体に、綺麗なまち針なんかを刺したりして飾って作る手芸品だから、私も前世では何度か作ったことがあった。
    土台の球体に本命の術式を仕込んだ魔道具を隠し、装飾部分を偽装の術式を仕込んだ魔道具で飾る。
    これなら見映えも悪くないし、装飾として使って貰える……と思う。
    「ふむ。装飾を数種類用意し、配布する際に好きなものをお選びいただく形にすれば不満も減りそうですね。形状に関しては大筋ではこれで良いと思います。装飾デザインについては議論の余地が大いにあると思っていますが」
    カレンが頷いた。
    「では、肝心の本命の術式部分については?」
    「……ふむ。邪気、と仰いますが、概念的には理解できても、技術的に実現出来る程の理解がまだ我々にありません。原案では周囲の空気を掃除機のように吸い取り、フィルター的な術式で邪気だけ除いて、それがある程度溜まったら神界へ送るとあります。が、除けるべき物が現段階で曖昧なので、実験しない事には何とも言えませんし、それが出来ても、神界ってどこ宛に送れば良いんですか?    勿論度々の鑑定式で教会には足を運んでいますし、神々の存在を否定した事はありませんし、当然お住まい的な場所も何となくのイメージ位はありますが、その程度の認識では魔道具に刻めるレベルの術式構築は難しい」
    「具体的な術式構築の前にその曖昧さをはっきりさせる為の実験が必要でしょうな」
    ――という訳で。
    「〝第一回〟目の会議」は終了したのだった。
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