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第一章 もしかして異世界……?
肆話 命の恩……人?
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「そこの娘! 木に登れ!」
もう無理だろ、って諦めて目を閉じようとした私の耳に、突然叱咤する大声が届いたのは、まるでトラックでもぶつかったのかというような轟音と共に猪モドキがぶっ飛ぶのとほぼ同時。
直後、私の視界が青に染まった。――いや、青というよりは藍かな?
こんな時なのに何故かそんなどうでも良い事が思い浮かぶ。……だって、登れって言われたって、木登りなんかした事ない女子高生が制服姿で突然出来るようになる訳ないじゃん!
それも、近場の木はどれも杉みたいな背が高くて地面近くの幹には枝どころか取っ掛かりも無いような真っ直ぐ伸びた木しか見当たらないんだから。
それでも大声に戦いて、制服が汚れるのも気にせずセミみたく不格好に幹にしがみついてみるけど、やっぱりどうすればいいのか分からない。
ほぼ垂直な幹に足をかけてみるけどどこにもひっかからず、まして体重なんかかけられやしない。
「捕まれ! 引き上げる!」
と、今度は頭上からさっきとはまた声色の違う叫び声が降ってきた。
見上げれば、上の方の枝に細身の男性と、私と同じ歳くらいの女の子が居た。
彼らが投げたらしい縄の端が私の目の前で揺れる。
……背後に再び迫る荒い鼻息。
悩む暇は無かった。
ロープを幾重にか手に巻き付け、拳を握りしめる。
「上げるぞ、暴れるなよ!」
人一人の体重のかかったロープを、不安定な足場のはずの枝の上からするすると、オートリールで引き上げられる魚みたく、あっという間に吊り上げられた。
男性とはいえ、細身で体育会系にはどうやっても見えない文系タイプのイケメンだ。
隣の女の子も可愛い系の美少女。
顔の作りが似てるから兄妹かな?
……それにしても。
改めて下を覗こうとしたけど、高くて怖くて無理で、仕方なく美形兄妹を見ると、二人して何故か着物姿で居る。
それも、成人式とかで見るような豪華なのじゃなくて、水戸のご老公や某お奉行様なんかの時代劇で、エキストラの町人が着てそうな普段着っぽい質素な着物。
「っしゃらぁ、次で最後だ!」
と、下からまた怒号が飛び。
「おらよッ!」
獣の断末魔が耳に刺さった。
「っし、良いぜ! 降りて来いよ!」
……さて。
ロープで上げて貰ったは良いけど、私、どうすれば良い?
ちょっと……今私ってば木から降りられなくなった子猫状態なんですけど……。
にゃーにゃー泣いて震えて涙目状態はちょっと恥ずかしいからなんとか堪えているけど、ちょっとここから動ける気がしない。
「た……、助けて下さい……!」
「……はぁ。仕方ないな。――騒ぐなよ。優菜は一人で降りられるな?」
「うん」
そして私は。
イケメンさんに前触れもなく肩に担ぎ上げられたかと思えば次の瞬間、彼は躊躇いもなく枝から跳び降りた。
もう無理だろ、って諦めて目を閉じようとした私の耳に、突然叱咤する大声が届いたのは、まるでトラックでもぶつかったのかというような轟音と共に猪モドキがぶっ飛ぶのとほぼ同時。
直後、私の視界が青に染まった。――いや、青というよりは藍かな?
こんな時なのに何故かそんなどうでも良い事が思い浮かぶ。……だって、登れって言われたって、木登りなんかした事ない女子高生が制服姿で突然出来るようになる訳ないじゃん!
それも、近場の木はどれも杉みたいな背が高くて地面近くの幹には枝どころか取っ掛かりも無いような真っ直ぐ伸びた木しか見当たらないんだから。
それでも大声に戦いて、制服が汚れるのも気にせずセミみたく不格好に幹にしがみついてみるけど、やっぱりどうすればいいのか分からない。
ほぼ垂直な幹に足をかけてみるけどどこにもひっかからず、まして体重なんかかけられやしない。
「捕まれ! 引き上げる!」
と、今度は頭上からさっきとはまた声色の違う叫び声が降ってきた。
見上げれば、上の方の枝に細身の男性と、私と同じ歳くらいの女の子が居た。
彼らが投げたらしい縄の端が私の目の前で揺れる。
……背後に再び迫る荒い鼻息。
悩む暇は無かった。
ロープを幾重にか手に巻き付け、拳を握りしめる。
「上げるぞ、暴れるなよ!」
人一人の体重のかかったロープを、不安定な足場のはずの枝の上からするすると、オートリールで引き上げられる魚みたく、あっという間に吊り上げられた。
男性とはいえ、細身で体育会系にはどうやっても見えない文系タイプのイケメンだ。
隣の女の子も可愛い系の美少女。
顔の作りが似てるから兄妹かな?
……それにしても。
改めて下を覗こうとしたけど、高くて怖くて無理で、仕方なく美形兄妹を見ると、二人して何故か着物姿で居る。
それも、成人式とかで見るような豪華なのじゃなくて、水戸のご老公や某お奉行様なんかの時代劇で、エキストラの町人が着てそうな普段着っぽい質素な着物。
「っしゃらぁ、次で最後だ!」
と、下からまた怒号が飛び。
「おらよッ!」
獣の断末魔が耳に刺さった。
「っし、良いぜ! 降りて来いよ!」
……さて。
ロープで上げて貰ったは良いけど、私、どうすれば良い?
ちょっと……今私ってば木から降りられなくなった子猫状態なんですけど……。
にゃーにゃー泣いて震えて涙目状態はちょっと恥ずかしいからなんとか堪えているけど、ちょっとここから動ける気がしない。
「た……、助けて下さい……!」
「……はぁ。仕方ないな。――騒ぐなよ。優菜は一人で降りられるな?」
「うん」
そして私は。
イケメンさんに前触れもなく肩に担ぎ上げられたかと思えば次の瞬間、彼は躊躇いもなく枝から跳び降りた。
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