師匠はうっかり転生しちゃった伝説の陰陽師!

彩世幻夜

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第四章 パーティーの実力

弐話 姐さんの武器

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    「おいおいテメーら、ちょっと待ちな!」
    宿で食事と風呂を堪能し、お布団でゆっくり眠った翌日、私達は街を出ていつものように歩き出した。
    そして背後に街の壁が見えなくなった頃、不意に声をかけられた。
    と同時に森の木々の影から現れる複数の男達。その先頭に居るのは……見覚えのある顔だった。昨日私達を口説いて華乃さんはやり返された男。
    これは……仕返しに来たのか。
   「はぁ……。しつこい男は嫌われるよ?」
    華乃さんも呆れた目をして男達を眺めた。
    「おい、昨日のアレはまぁよくあるいさかいだから見逃したけどよ、これ以上やるなら見逃せねぇぞ?」
    包丁や鉈といった本来は道具として使うはずの刃物を武器に持つ男たちの前に出て、蒼月さんが彼らを威嚇する。
    男達もそれなりにガタイは良いけど、それでも蒼月さんには負ける。何より道具ではない本物の武器を持つ本職の蒼月さんの迫力には敵わない。
    ……だけど。
    「奴は一人だ、皆でかかれば怖くねぇ!」
    と一斉にこちらに向かって駆けて来た。
    「チッ、覚悟しろよてめぇら!」
    「……まったく面倒臭い」
    「悪いねぇ。ほれ、優菜と陽彰は下がってな」   
     華乃さんは扇を、草治さんは針を――それも縫い針みたいな小さな針でなく、アイスピックの先端みたいな太くて長い針を握った拳の指と指の間から覗かせている。
    「全く、俺らに本気で喧嘩を売るたぁ全く馬鹿な連中も居たもんだぜ!」
     蒼月さんが刀を振るうと、それを防ごうと構えたあちらの武器が飛ぶ。
    その後ろから草治さんが針を次から次へと男達に投げつけていく。
    「痛てっ!」
     ……あの太さの針が刺さればそれは痛いだろうが――だからって大の男が針が一本刺さったくらいでへたるとはどう言う訳か。……多分あの針に何か薬でも塗ってあるんだろう、とは思うけど。
    そして圧巻なのが……
    「えっ!?」
    「なっ!」
    「はぁっ!?」
    更に後ろの男たちの持つ武器が突然みじん切りになった。
    「ええっ!?」
     私にも何が起きたか分からず驚いたけど、男たちの恐怖はそれ以上だったらしく、「ちくしょう、覚えてやがれ!」と負け犬の遠吠えのお約束台詞を残して逃げて行った。
   「ええ……と……今、一体何が起きたので……?」
   「そう言やアンタの前で戦うのは初めてだったか。なら今後の為にも教えておこう。アタシの武器はこれ、鋼糸なのさ」
     と、手にした扇を見せてくれる。
    「糸……?」
    「そう。鋼で出来た刃付の糸だよ。扱いは難しいが、優れた使い手ならさっきみたいに武器破壊も出来る。……が、うっかり射程に入られると途中で軌道修正するのは難しい。陽彰を刻みたくはないから、アタシが戦ってる時にはなるべく動かんでくれ」
    他のメンバーについては既に華乃さんの武器については知り尽くしていて、動きもそれを承知で動くそうで。
    確かに私にそんなのすぐにやれと言われても無理だ。ここは大人しく言う事を聞いておいた方が良さそうだった。
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