師匠はうっかり転生しちゃった伝説の陰陽師!

彩世幻夜

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第四章 生還

壱話 死にたくない

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    「ひっ……!」
    ニタッと嫌な笑いを浮かべる一つ目が、じっとこちらを見つめていた。
    恐ろしくて震えるけれど、が見える奴が他には居なくて。皆私を気違い扱いして笑う。
    そして奴らも見えない人間には興味がないらしく、見える私ばかりをからかっていく。……奴らのそのからかいは、うっかりすれば小娘なんか簡単に死んでしまうようなイタズラもあって、私は気の休まる時が酷く限られていた。
   「嘘つき!」
    嘘じゃないのに。それを証明する術もなくて。
    私が周囲に理解して貰うのを諦めたのはいつの頃だっただろう?
    何となく何でも適当に誤魔化す癖がついた。とにかく一日無難に、目立たず過ごす術ばかり身に付けてきた。
    親にも見捨てられて、この世に味方なんか誰も居ないんだと思っていた。
    ……だけど。
    この世界に来て、優菜ちゃん達に出会って。
    私のこの力を受け入れてくれる人が居る事を知って。……力の使い方が未熟すぎる私をサポートしてくれる仲間が出来て。
    それが人間じゃなくても、言葉を交わして普通に一緒に生活出来る相手だったし気にならなかった。
    だって、言葉でコミュニケーションも取れず突然あわやで死にそうなイタズラを仕掛けてくる連中をこれまで見てきたんだもの。
    奴らに比べれば……と言うか比べるのも失礼なくらい彼らは良心的だった。
    都とやらに着いたら彼らと離れなきゃいけないかも知れない事を分かっていながら、それをいつしか「嫌だ」と思い始めてもいた。
    ……でも。分かっていたけど、やっぱり私はただの足手まといだった。あの男を相手に何も出来なかった、どころか真っ先にやられて……皆の足を引っ張った。
    生活は日本に比べてかなり不便だけど、意外とこの生活が気に入っていたのに。
    流石にもう見捨てられちゃうかもしれない。
    ……つーか、背中から刺されて腹から刀が生えてたよね?    私、死んでませんかね?
    日本なら手術で傷を縫うとか輸血とか治療方法はあるけど、この世界の文明レベルだと……あまり期待できそうにないしなぁ……。
    でも、このままあの世行きは嫌だよ。
    まだ二十年も生きていないのに。平均寿命が四十だが五十の時代に八十五歳まで生きた上にあの世でも神様ライフ満喫していたあの爺のせいでロクでもない幼少時代を送る羽目になったのに。
    私はまだ死にたくない。生きたい。
    そう強く願った。
    「陽彰ちゃん……」
     ふと、自分の名前を呼ぶ声が聞こえた気がして、私は耳をすませた。
    「陽彰ちゃん!」
     ゆっくりと目を開け――
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