師匠はうっかり転生しちゃった伝説の陰陽師!

彩世幻夜

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第二章 都に来た理由は

壱話 都の街並み

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    壁が、どこまでも続いている。
    左右どちらを向いても壁の端は見えないし、高さだって、はしご車でも届かなそうだし。その壁の周囲を空堀と水堀とが二重に囲み、万全の防御体制を整えていた。
    壁の上は通路になっているらしく、時折巡回の兵士が規則正しく歩いている。
    勿論街に入るための橋の前と門の前にも警護の兵士の姿がある。
    どうやら身分証明書を見せないと街へは入れてくれない様で、門の前に長い列が出来ていた。
    私達もその最後尾に並ぶ。
    「これは、短くとも三十分は待つだろうな」
    げんなりしながらそう予測を立てた草治は、前の街で買っていたらしい干し芋を出して来た。
    「甘いもんでも食うか?」
    この世界、ケーキなんてお洒落なものは無い。街なら和菓子なんかもあるけど、農村の甘いものなんて芋かカボチャか栗、あるいは果物くらい。
    なかでも干し芋は手軽に食べられて結構美味しいので気に入っていた。
    「いただきます」
     うん。甘くて美味しい。……飲み物が欲しくなるけど。
      もくもく食べていたら、何故か草治に頭を撫でられた。……最近、草治は何かと私の頭を撫でるようになった。まるで犬猫でも愛でる様に。
    私は愛玩動物か……。
    草治の出した干し芋が全て皆の胃袋に収まった頃、ようやく私達の番が来た。
    ここで出すのは冒険者カードで良いらしい。
    全員分のカードを確かめて――うん、どうやら問題は無かった様だ。……ただ、入都には税金だか何だかがかかるようで、お金を要求された。
    だけど私はお金を持っていない。
   「……五人分だ。確認してくれ」
    けど、慌てるより前に草治がまとめて兵士に金を渡した。
    兵士は小銭を数え、頷く。
    「うむ。通って良いぞ」
    許可を得て、私達は堀の上の跳ね上げ橋を渡り、街へと入った。
   「うわぁ、これが……都……!」
    これまで立ち寄って来た大半が田舎の農村かその旗艦の町だったせいか、庶民的な町が多かった。
    そのせいもあって、その街並みはキラキラエフェクトが見えそうなくらい贅沢な装いをしていた。
    勿論、日本の都会の街に比べたら断然ショボいんだけどさ。
    けど、目抜通りの両脇に建つ商店が延々と続き、その向こうに天守閣が見える。天守閣のある高台の周りには貴族の屋敷が建ち並び、縦横無尽に走る道路を除いてびっしりと建物で埋まる街。
    空き地なんて全く無い。
    「取り敢えず宿を決めようか」
    他にもやらなきゃいけない事は色々ある。
    「はい……」
    正直これだけ建物が色々ある中で宿屋がどこにあるかとか、どこの宿屋が安くて、けど安全かなんて今来たばかりの私にはさっぱり分からないけど、彼らには心当たりがあるようで、勝手知ったるとばかりに歩き出した。
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