屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。

彩世幻夜

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第二章

海の漢のエリート飯とは?

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 漁師町に商業港と来て、次の寄港地は――

 「軍港、ですか」
 「はい。伯爵様は他にもいくつか軍港をお持ちですが、この港は沿岸の警ら任務ではなく、万が一他国の軍が海より戦を仕掛けてきた場合の対処や、警らの軍では太刀打ちできない規模の海賊団などが現れた際にのみ出撃する、エリート海軍の港なのです」

 一応、軍の船以外の物資の運搬用の船などの為の桟橋はあるものの、そこへの入港には、他の港とは比べ物にならないほど入念に調べられる。
 まぁ、この船は伯爵様の物だから免除されるそうだけど、それでも他の港ではそれすら省かれた入港許可証の確認は行われた。

 まぁ、それも理解できるよね……。

 「うわ、デカい……、それに格好いい!」
 あんなに大きな軍船が幾艘も係留されていれば、ね……。
 にしても何で男の子ってああいうのが好きなのかしらね?

 無骨なばかりの軍船より、真っ白な豪華客船とかのが見てて楽しいと思うのに。

 「けど……、やっぱ目ぼしいものはないわね……」

 漁師町でも商業港でもないこの港には、軍人たちの腹を満たすための食材は日々搬入されてくるものの、「これは」という食材は見当たらない。

 ちなみに搬入されてくる食材の大半が肉。
 あのいつかの城塞で見た食料庫と似たりよったりのものばかり。

 しかも――だ。

 「え……、これ軍人の食事?」

 先の城塞の経験のせいで、ガッツリしたものを好むとばかり思っていたのに……

 こっそり軍の食堂を覗き見させてもらうと。

 一人一人に給仕がつき、白い皿に盛られたステーキを、フォークとナイフでお上品にお召し上がりになる御仁の姿を沢山見る事になった。

 まるで、銀座や六本木の高級料理店を覗きに来たような……。

 不味くさえなければ質より量を欲していたあの砦の彼らと同じ感覚で料理しても確実に喜ばれないだろう。

 「……だけどさ。私達って基本屋台料理屋なのよ。屋台料理と高級料理って……お門違いじゃない?」
 屋台料理なんてつまりはファーストフードみたいなものなのに。

 港にぽつぽつ並ぶ飲食店も、品の良いバーとかばかりで、いわゆる大衆居酒屋的な店は殆ど見かけない。
 あったとして、軍に雇われる雑役係などの下々の者たちの御用達。

 高級料理……か。今世は勿論、前世でもほぼ縁のなかったジャンルの料理に私は頭を悩ませる。

 「その上パフォーマンスも考えなきゃならないとなると……」

 頭を抱える他ない。

 「フォークとナイフで優雅に食べられる屋台料理……ね……」

 あ。そうだ。
 私の目指す博多の屋台。
 そこで定番のメニューを何となく順に思い浮かべて思い当たったものがあった。
 他の名物料理に比べると少し影が薄いけど……
 「あれなら」

 鶏を連れていれば、新鮮なものが海の上でも食べられる、そんな料理を思いついた私は。

 早速材料の手配に動き出すのだった。
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