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ざまぁの前哨戦
11-4 作戦会議
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「さあ! 早速作戦会議を始めるわよ!」
屋敷に帰り着くなりマリーが気合いたっぷりに宣った。
「さ、作戦会議……ですか?」
「ええ、そうよ。この国の決定に少しでも私達の要望を織り混ぜたいなら絶対に事前準備は欠かせないもの」
「うん。そうだね。……正直政治なんてさっぱりな小娘が百戦錬磨の狐や狸との化かし合いに何処まで対応できるか分からないけど、だからって最初から努力もしないで負けるのは嫌だもの」
「何もしなければ、私達は御前会議で事実確認の証人として証言して終わり、あとは蚊帳の外に置かれたまま全てが終わるわ」
「……猶予は三日、か。その辺の小役人が相手なら何とかなりそうだけど、国の重鎮が集まるんだもの、のんびりしてる暇はないよね?」
「まあ、ヒカルったら。私が気付いてないとでも? あなた、イマルに書庫に入る許可を貰ったのでしょう? ……で、成果はいか程で?」
「ん。この国の政治体制と、今の重鎮の顔ぶれとその家の事については調べたよ。それと、この国の刑法とか最近の外交とかの時事も。……歴代の聖女についてはこの国に来る前に調べてあるし。流石に他の国の事まではここの本じゃ調べきれなかったけど、今回はこの国で意見を通すのが最優先だから、今は置いとこうと思ってる。……ただ、ヘルナイト王国の情報は切実にもっと欲しいと思った」
「……そうですか。――こうなると、武の道に傾倒して文の道にあまり重きを置かなかった事が今更ながら悔やまれますわ」
「――私の国には貴族は居なかったけど、外国には――特に歴史で習うくらい昔には貴族が居て、でもそんな貴族のお嬢様は政治の事なんて知らないのが当然だったんだよ。……多分この世界でもそうなんじゃないかと思って。だから、マリーが武器を扱えるだけでも、私は凄いと思ってた。……それに、誰にも向き不向きってあるもの。でも、マリーは必要最低限以上にちゃんとしてたでしょう? だって、あの国の偉い人で私に謝ってくれたの、マリーだけだった」
「でも……」
「大丈夫だと思うよ。多分、イマルが情報を持ってると思うから。……流石に直に情報をくれるとは思わないけど、少なくともヒントはくれると思う」
何というか、そんな変な確信があった。
「あは、主ってば信頼されてるのかされてないのか……。いやー、面白い面白い」
……けど。
「やあ、その噂の主からのお届け物だよー」
突然天井から人が降ってくるとか。
「は? お前……レン!」
「あはは、俺本当はこの国の隠密でレントっての。あ、俺隠密だしよろしくしてくれなくていいよ、むしろ忘れて?」
にっこり笑った元メンバーは。
「で、これ。主からのお届け物」
そう言って、どこからか取り出した資料の山でテーブルを一杯にして去って行った。
屋敷に帰り着くなりマリーが気合いたっぷりに宣った。
「さ、作戦会議……ですか?」
「ええ、そうよ。この国の決定に少しでも私達の要望を織り混ぜたいなら絶対に事前準備は欠かせないもの」
「うん。そうだね。……正直政治なんてさっぱりな小娘が百戦錬磨の狐や狸との化かし合いに何処まで対応できるか分からないけど、だからって最初から努力もしないで負けるのは嫌だもの」
「何もしなければ、私達は御前会議で事実確認の証人として証言して終わり、あとは蚊帳の外に置かれたまま全てが終わるわ」
「……猶予は三日、か。その辺の小役人が相手なら何とかなりそうだけど、国の重鎮が集まるんだもの、のんびりしてる暇はないよね?」
「まあ、ヒカルったら。私が気付いてないとでも? あなた、イマルに書庫に入る許可を貰ったのでしょう? ……で、成果はいか程で?」
「ん。この国の政治体制と、今の重鎮の顔ぶれとその家の事については調べたよ。それと、この国の刑法とか最近の外交とかの時事も。……歴代の聖女についてはこの国に来る前に調べてあるし。流石に他の国の事まではここの本じゃ調べきれなかったけど、今回はこの国で意見を通すのが最優先だから、今は置いとこうと思ってる。……ただ、ヘルナイト王国の情報は切実にもっと欲しいと思った」
「……そうですか。――こうなると、武の道に傾倒して文の道にあまり重きを置かなかった事が今更ながら悔やまれますわ」
「――私の国には貴族は居なかったけど、外国には――特に歴史で習うくらい昔には貴族が居て、でもそんな貴族のお嬢様は政治の事なんて知らないのが当然だったんだよ。……多分この世界でもそうなんじゃないかと思って。だから、マリーが武器を扱えるだけでも、私は凄いと思ってた。……それに、誰にも向き不向きってあるもの。でも、マリーは必要最低限以上にちゃんとしてたでしょう? だって、あの国の偉い人で私に謝ってくれたの、マリーだけだった」
「でも……」
「大丈夫だと思うよ。多分、イマルが情報を持ってると思うから。……流石に直に情報をくれるとは思わないけど、少なくともヒントはくれると思う」
何というか、そんな変な確信があった。
「あは、主ってば信頼されてるのかされてないのか……。いやー、面白い面白い」
……けど。
「やあ、その噂の主からのお届け物だよー」
突然天井から人が降ってくるとか。
「は? お前……レン!」
「あはは、俺本当はこの国の隠密でレントっての。あ、俺隠密だしよろしくしてくれなくていいよ、むしろ忘れて?」
にっこり笑った元メンバーは。
「で、これ。主からのお届け物」
そう言って、どこからか取り出した資料の山でテーブルを一杯にして去って行った。
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