星の迷宮と英雄たちのノスタルジア

いわみね

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第32話 ガレディア王都・冒険者ギルド本部訓練所

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 ガイアスくんたちと別行動になってから3日目となる翌日

 朝食のあと シナップくんはエレイナさんたちと一緒に仮受験札を持って魔導ギルドへ向かう。
 エレイナさんたちは魔導ギルドから依頼された魔導石の納品もしてくるそうだ。

「では行って参る、なのだ」
「行ってきます」
 シナップくんたちを見送ったあと、私はロデリックくんと一緒にギルド本部の訓練所へ行くことにしている。

「羊君、準備運動だ、走るぞ」

 建物を一度出てロデリックくんと1刻ほど走ると、柵に囲まれた広い敷地内に建てられた2階建ての施設に到着する。
 どうやらここが冒険者ギルド本部の訓練所らしい。
「遅いぞ、羊君」
 先に着いて待ってくれていたロデリックくんが、追い付いた私に言った。
 ただの感想であって、咎めているつもりでは無いようだ。
 呼吸も乱さず涼しい表情のロデリックくんに対し、私は少々息を切らしている。
「こ、これでも急いだんだけど」
「そうか。この速さが通常だとすると馬車を使わず日に平均200カロノーツ以上移動するためには……ふむ」
「でも今は魔術の助けが無いからね。あればもう少し頑張れるとは思うよ。さすがに1日にひゃ」
「よく言った、羊君」

 200カロノーツの移動は厳しい、と言いかけた私の手をロデリックくんが掴んで早足で歩きだした。
 あっという間に門にたどり着き、冒険者カードの提示をすませると、訓練所の建物入り口に向かう。

 歩いているだけとは思えないほど速い!
 走っているのと差し支えない速さと言っても大袈裟ではないだろう。実際に何人も追い抜いている。
「この施設は本部の一部で登録者であれば無償で利用が可能だ。寮もある。教官以外は見習いから銅級くらいまでだが、君ならちょうど良いだろう。良い魔術の実験台が大勢いるぞ」
 訓練所はよく知る場所なのだろう。
 迷うことなくズンズンと進む。
 そういえばカマルのギルド出張所では、自警団の施設が訓練所のような役割だったのかもしれない。
 私はロデリックくんに引っ張られて早足で歩きながら思い返していた。
 しばらく施設内をロデリックくんと移動していると、金属と水晶板で出来た大きめの扉のある通路に出た。
 窓の外を見ると、扉の先にも続く通路は屋外に繋がっていて、もうひとつの棟がある。
 その棟の窓から複数の大人や少年少女が屋内で稽古をしているのが見えた。いくつか設けられた窓からは、奥の方では剣や杖を使った稽古も行われているのがわかる。
 もう一方の窓から見える敷地は屋外の稽古場になっている。
 そちらでは魔導術も組み合わせた稽古をしている。
 ロデリックくんが扉を開けて、まず向かったのは棟の方だった。
 扉のない屋内の稽古場に入ると、壁の側にいる男性がすぐにこちらに気がついて歩いてきた。
「……誰かと思えばロデリック・クラインか。白金が訓練所に何の用だ」
 不審人物でも見るような視線と物言い。
 忘れかけていたけれど、ロデリックくんは問題を起こすので、多くのギルド関係者に警戒されているのだった。

 男性の態度を意に介すこともなくロデリックくんが答えた。

「訓練所に用と言えば訓練に決まっている」
「……お前の相手になるやつはいないが」
「この羊君の相手を用意してくれ」
「……だろうな」
 男性はロデリックくんを一瞥すると腕を組んだ。
 それから少しの無言のあと、周囲の訓練生を一度見回してから言った。
「……まあいい。わかった、訓練の相手は俺が引き受けよう」

 準備があるのか、男性は後ろを向いて稽古場の奥へ移動する。
 訓練相手を引き受けてくれたのにほっとした私とロデリックくんが、男性の後を追いながらお礼を言った。

「そうか、ありがたい。来た甲斐があった」
「ありがとうございます」

 断られるのかと思った。

 ◇

 稽古場の空いた場所まで来ると、男性が振り返り「ここでしばらく待て」と私たちに指示をした。
 そして稽古場の奥に設けられた物置部屋のような場所へ入って行ったが、すぐに顔を出し
「ロデリック・クライン。おまえは訓練生にちょっかいだすなよ。訓練生が怪我をするからな」と念を押した。

 ほどなくして、男性はもう一人、職員らしきヒトと一緒に戻ってきた。台車には革製の防具や木の盾や木剣などが載せられている。
「悪いが、最低限その防具は身につけてくれ」
 そう言って、男性は革の胸当てや帽子を私の方に差し出した。

「それと、あんたのライセンスカードを見せてくれ。うちのギルド以外にもあるんなら確認させてくれないか。そっちは無理にとは言わない」
 そう言われて私は持っているギルドカードを見せた。
植物級標準級と銅級、それに銀級か。なるほど」
 カードを返却しながら男性が言った。
「名乗るのが遅れたが、俺の名前はジェイドだ。よろしく」
「マクスです。こちらこそよろしく」

「それで訓練だが、どういったものが希望なんだ?カードを見る限り冒険者としてのランクが一番低いようだ。魔導術の方が得意ならそっちを伸ばした方がいいんじゃないか」
「羊君には支援魔術を覚えてもらいたいと考えている」
「そういうことか。俺たちを実験台にしようって言うんだな。ロデリック・クライン、おまえらしい発想だ」
 ジェイドさんはそう言うと薄く笑った。
「合理的という意味だ。効果が出ているか知るには手っ取り早いし、結局誰でも必要なことだ。実践で試すより実際のリスクは低くなる」
「話が早くて助かる。その上で羊君の基礎体力、剣術も向上させる」
「はっ、欲張りな希望だな。1日2日で出来るわけがない」
「羊君に向いた訓練計画を授けてくれればいい」
「……」

 ◇

 ジェイドさんとの訓練を開始して1刻ほどが経過する。

「一度休憩にしよう」
 壁際に座り水分を補給しながら、ジェイドさんと話す。

 朝のうちで稽古場に訪れるヒトが増えてきた。

 ロデリックくんはジェイドさんから稽古に参加するのを禁止されてしまったので、すぐに戻ると言って何処かに出掛けた。

「マクス、稽古でわかったことを言わせてもらうと、あんたの魔力はべらぼうに高いと言えないが、低いとも思えないな。魔力操作も下手じゃない。なのに術がうまく発動しないのは別の原因がある」
「別の原因?」
「あんた、攻撃するの怖がってないか。他の魔導術のいくつかはあっさり発動させたし、魔導ギルドで銅級ならそれなりの実績もあるはずだ」
 ジェイドさんはさらに続けた。
「支援魔術に攻撃性は無いが、間違えれば対象者に負荷がかかる。そういうのも恐れているんだろう。使える魔術を聞いてみても、どれもヒトを対象にしないか、表面にしか干渉しないものばかりだ。難易度は関係が無いように思う」
「……」
「剣術も、動きが悪いというより打ち込みが弱い。強く打ち込めば相手を傷つけるから、無意識に抵抗があるんだろう」

 ◇

「稽古はここまでだ」
 数度の休憩を挟みながら、訓練を続けていた私にジェイドさんが言った。
「成果は出ている。続けるにしても昼メシを食って十分休んで回復してからだ」
 ジェイドさんはそう言うと、訓練施設内の食堂に誘ってくれた。
「ここのメシは、訓練所で栽培された野菜を使っているから、安くて美味い」
 迷宮探索にはまだ早い、子供たちや、見習いのヒトたちが主に手伝って育てている学舎と併設された薬草園や農園が、訓練所施設内にあるそうだ。
「諸説あるが、建国の初期は城も無く、この辺りを中心に街を形成していたって話だ。防衛の要でもあった冒険者ギルドの前身は住民の食糧なんかの生産にも力をいれていたようだ。その名残だな」
 案内された食堂は古めかしさを残しつつ、広々とした造りの過ごしやすい佇まいだ。
「それにしても、ロデリック・クライン。ヤツは戻ってこないな。俺が追い出したんだが、それにしたってすぐに戻ると言っていたのに」
 ジェイドさんが運ばれてきたばかりの麺料理を、細長く刻まれた具材と一緒に器用にお箸でつかみ口に運んだ。
「ところで、このあとも稽古を続けるか?」
「お願い出来れば」
「わかった。稽古を再開するのは1刻半後の昼14刻だ。それまでは休むのがいいんだが、暇なら訓練所の見学でもしていてくれ」
「ありがとうございます」

 私がお礼を言うと、ジェイドさんは何か言いかけて止めた。

 稽古場に戻ったジェイドさんとわかれて私は別の稽古場を見学させてもらっている。
 来るときに窓から見えた屋外の訓練場だ。
 首から紐のついた見学札を下げているので、自然に見学出来ている。
 屋外の訓練場では訓練生同士の術や剣が当たらないよう一部に柵や結界が設けられ、それぞれが大小ある的に向かって剣や弓矢、魔術を当てる訓練が主に行われている。

 ジェイドさんたちの稽古場の訓練とは目的が違う。
 中には動く的もあるけれど、動かない的がほとんどなので簡単そうに見えるのだけれど、その的との距離が遠かったり、的そのものが小さければ話は別だ。

 剣のヒトが目の前の的を案外空振りしてしまう。
 用意された的は破壊しなければならないので、ある程度の力が剣から伝わらないと、当てたことにならない。
 しかし速く剣を振り下ろすと、剣筋がうまく定まらず外してしまうのだ。

 小さな的の場合、剣では動く的の方が破壊しやすいのかな。

 離れた場所に置かれていた、小さめの的が不意に焼け落ちた。
 先ほどから何度も術を発動させていた魔術師の女性が、遠くから術を当てたのだ。当たりさえすれば、術式によって一定の効果が見込める魔導術は強い。

 ◇

 しばらくそうやって見学をしていると、職員のヒトから声をかけられた。手持ちぶさたに見えたのかもしれない。
「よかったら、この装備を試してみませんか」
「これは……魔弾銃ですか?」
「ご存じなんですね!そうです。へゼリア大陸ではよく使われ、必中の銃と呼ばれています。力の少ない女性でも使えるよう工夫もされています」

 昔、同行した冒険者パーティの一人が使っているのを見たことがある。実際には必中とは少し違うものだった。
「狙った的に必ず当たる。でも狙いが外れていれば外れた場所にしか当たらない」
「その通りです。必中というのはい言いえて妙で、結局狙った物や場所を的に出来るかどうかは、使い手の力量次第です。偶然や運を排するので、ヒトによっては命中精度が下がってしまう」

 ◇

 昼14刻

 稽古場に再び現れた私にジェイドさんが気がついて手招きする。
 先程より、ずいぶんと訓練の人が増えている。
「こっちに場所を空けてある」
「申し訳ない。こんなに混み合うものだと思わなかったもので」
「気にしなくていい。俺もこんなに稽古目的でヒトが来ると思わず驚いているくらいだ。時間を指定しておいて場所が無いでは通らないからな。ただ場所の移動は必要になってしまった」

 なるほど。稽古場に入って来るヒトたちのために少し場所を詰めたようだ。

 稽古を再開し早速ジェイドさんに魔導術を試させてもらう。
【強脚】
 昼前は成功しなかった術式だ。
 足の筋力に作用し、腰から背中までを魔力で支えるように補助がかかる。踏み込みに影響し、発動すれば『俊足』と似た効果を生む。持続時間は1刻。

「……発動している。問題なさそうだな」
 ジェイドさんはそう言うと、私から数歩距離を取って木剣を振る動作を数回行った。
 手近に置かれた金属製の剣を持ち換え、踏み込んで突く動作をした。剣を持ったまま、さらに膝を折り曲げてからの跳躍、足踏みなどの動作を続ける。

「違和感もない。成功だ」
 ジェイドさんの言葉で私の心に光が射した。

 ジェイドさんで術を成功させた後も、数人の訓練生に協力してもらって術を試させてもらえた。
 昼に食堂から稽古場へ戻ったジェイドさんが、訓練生たちに声をかけておいてくれたのだ。
 協力してくれた訓練生は5人。
 最初4人連続で成功したけれど、5人目で不発に終わった。
 けれど、ジェイドさんは「上出来だ。最後のは正真正銘単なる燃料魔力不足だな」と言ってくれた。

「ありがとうございます」
 協力してくれた訓練生さんたちにもお礼を言うと、皆揃って笑顔で応えてくれた。

「魔力をだいぶ消耗したはずだ。回復するまで大人しくした方がいいだろう」
 ジェイドさんに促され休憩を取っていると、訓練生のヒトたちの話し声や掛け声、剣の音に混ざって、微かに自分を呼ぶ声が聴こえた気がした。

 ◇

 昼16刻

 休憩を終え、再びジェイドさんと稽古を始めた。
 時折、呼ばれているような錯覚があるけれど、周囲に呼んでいるヒトの姿は見当たらない。
 どうやら集中出来ていない。
 魔弾銃も狙いが定まらず、うまく扱えなかった。
 あれは弓の得意なエレイナさん向きの装備だ。
「…クス……ん」
「マ……さ…ん…こ…すかー」
 あちこちから聞こえる音や声が混ざって、そう錯覚してしまうのだろう。
「おい、マクス」
「すみません、集中します」
「いや、あれ」
 ジェイドさんが入り口の方を指差す。
「マク…さ……」
「マ……くーんど……のだー」
 稽古の順を待つ訓練生たちに紛れて、壁際を歩いてこちらに向かってくる小さな人影がある。
「シナップくん!」
「知り合いか」
「見つけたのだ、マクスくん!」
「いたいた、マクスさん」
「ジェイドさん、パーティメンバーのシナップくんとバッシュくんです。シナップくん、よくここにいるのがわかったね?」
「ロデリックくんが迎えに来て、教えてくれたのだ」

 そうか。だいたいの場所がわかれば、犬族のバッシュくんとノアくんが私を見つけられるからね。
 というか、ロデリックくんはどこへ出掛けたのかと思っていたら、魔導ギルドに行っていたのか。
 ヒトの多くなった稽古場の奥に、背の高い金髪の青年の人影が見えた。ロデリックくんだ。
 ほどなく壁際沿いからノアくんとエドくんに続いてエレイナさんが現れ、そのすぐ後ろをロデリックくんがついて来た。
「マクス、あんたの自己評価が低くなっている理由の察しはついた」
「え?」
「そうだ、シナップくん。試験の手続きは上手くいったかい?」
「ふふふ、急いで来たのは、その件でなのだよマクスくん。見るのだ」
 シナップくんはそう言うと、アイテムバッグに手を入れ、厚手の用紙を1枚取り出した。
 魔導ギルド発行の“特殊技能”の『仮証明書』
「無事に合格だね、おめでとう!シナップくん」
「ありがとうなのだ!明日、正式なカードが出来上がるから、取りに行くのだ」
「特殊技能」
 私たちの会話を聞いていたジェイドさんが、驚いた様子だ。
 そしてシナップくんの方に屈み、色んな角度で観察してから言った。
「こんな、なんの変哲もない普通そうな子供が信じられん。何か不正でもはたらいたんじゃないのか」
「初対面のいたいけな子供に向かって失礼な大人なのだ!」
「冗談だ」
「言って良い冗談と悪いのがあるのだ」
「そうか。それはすまなかった。そのくらいキミが手にした資格はスゴい、と冒険者ギルドが評価しているという意味だ。恥じない働きを期待する」
「……キミ、なんとなくロデリックくんと似たタイプに思うのだ」
「何!!?俺がこんなのと一緒だというのか?!」
「ハハハハハッ、ジェイド、この私に似ていると思われるとは。光栄だと思うがいい」
 そういえばジェイドさんって、ロデリックくんが他人を気にするようになった感じかもしれない。
 私は意見を求めるジェイドさんに、首を横に振りながら思っていた。
 でもそれだけ違えば十分別人なんだよシナップくん。
 

 ◇

 ジェイドさんとの稽古を終え、ギルドへの帰り道。
 日は傾いているもののまだ明るい時間帯を歩いている。

 ジェイドさんのおかげで支援魔術も使えるようになったし、シナップくんも無事に特殊技能の試験に合格した。
 バッシュくんたちの支援魔術には及ばないけれど、なんとかなりそうで良かった。
 あと私の課題は魔力量の関係で、一度に全員に術を施すのは厳しいことだろう。
 道に備えられた街灯が早くも灯りはじめた。
「ガイアスくんたちも、今日から試験が始まってるね」
「朝が学科で昼から実技だと言ってたのだ」
「そうだな、実技は日をまたぐ試験だ。今ごろは疑似迷宮の中だろう」
「実技の方の心配はあまりしないけど、ガイアスの学科が不安ね」
「ふっ、冒険者ギルドは魔導ギルドと違って学科はテキトーだ。問題ない」
「いくらなんでもそこまで差はありませんよ」
 ノアくんが慌てたように言った。
 話をしながら歩くうち、何台かの馬車やヒトとすれ違う。
「催しの食事で、記憶力と理解力を向上させる料理を食べさせてやったからな。教本も渡したし、自分でも買うだろう。大丈夫だ」
 ロデリックくんがそう締めくくったところで、能力向上効果のある料理に話が移った。
「“獣王の御用達”の料理もだけど、一昨日の食事処で食べた催しの料理も効果覿面だよね」
「うん!」
 バッシュくんが言うのにノアくんが嬉しそうに同意した。
 私の方も疲れにくさや、説明の難しい好調さを実感している。
 測っていないのでわからないけれど、ブルウェリアベリーのアイスクリンの効能で魔力量が増えたせいかもしれない。

 バッシュくんたちの場合、子供で成長中だし、もともとの能力も高いから、ごくわずかな増加でも能力全体をぐんと押し上げているのかもしれない。
「ロデリック君から聞いていたけれど、素晴らしく料理研究が進んでいるのだ!美味しさを追及するのみならず、その料理が食された時にもたらす効能にまで目を向け、作り上げる飽くなき現代人の探求心にボクは脱帽なのだ……」
 シナップくんはそう言うと、身振りで帽子を脱ぐような仕草をしてみせた。
「料理することを調理と言うくらいだからな。“獣王の御用達”のように殆どをそうした献立にしている店は少ないが、増えている」

 だいぶ薄暗くなってきた頃合いで、ギルド本部の入り口に帰りついた。

 ◇

 ギルド本部に借りた部屋へ戻り、荷物を置いたあとは晩の食事のために1階に設けられた食堂に来ている。

「今日はシナップちゃんの合格のお祝いよ。好きなのを頼んでいいわ」
「ほんとなのだ?甘食でもいいのだ?」
「ええ。高いのでも良いわ。今日は特別だから。でも明日からはちゃんと、しっかりご飯も選んで食べるのよ」
「うん、なのだ!」
 シナップくんが喜んで献立表を眺め、それから少し遠慮がちに、献立表に書かれた甘食を指差した。
「これが食べてみたいのだ」
『サックリ食感と魅惑の甘しょっぱさ!シェフが本気を出した甘食』
 値段は白銅貨5枚5シルバー
 ブルウェリアベリーのアイスクリンや飛竜の肉料理より高い。
 ギルドの食堂は、ギルド登録者で宿泊施設も利用だと、日に1人2シルバーまで追加料金無しで食べることが出来る。
 1品だけでそれを大きく越える価格設定だ。

 これはちょっとした特別感がある。
 ただ、気になるのは何を使った甘味なのか書かれていないことだ。
「他の献立は何が使われているか、名前でだいたいわかるのに、この品目はわからないようになっていますね」
 ノアくんも気がついて言った。

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『チョコラータのテリーヌ』大銅貨5枚500ゴッズ
『ウッシーミルクプディング』大銅貨4枚400ゴッズ
『キャラメル層仕立て!珈琲ジェラート・オン・キャラメル』|大銅貨5枚
『ガレディア王都北“マレル農園”玉葱使用!天麩羅定食』白銅貨1枚1シルバー
『野生水牛肉の甘辛丼(大盛)』白銅貨1枚

 ーーーーー

「ほんとだ」
「前に見て、気になっていたのだ」
 するとロデリックくんが教えてくれた。
「それは料理長の気分や手に入った食材で決まる献立だ。運がいいと効能が付与されていたりもするが……確率は低い。だが美味いぞ」
「効能に関してだけ、くじ引きみたいね」
 エレイナさんが笑いながら言うと、バッシュくんとノアくんが言った。
「僕も頼もうかな!貯まってるギルドコインがあるから!」
「ボクも!ちゃんとご飯も食べます」
 バッシュくんとノアくんがそう言うと、なんとシナップくんが私たちを見回して「エレイナ君、ボクのお祝いでバッシュたちの分も頼んでほしいのだ」と言い出した。
「シナップちゃん」
 エレイナさんが感激しているようだ。
 エレイナさんが私とロデリックくんに確認をとるようにして振り返った。
 私もロデリックくんにも異論はない。
「その甘食は私も頼んで食べるつもりだった。数量限定でもない」
「私も食べたいと思ったところだよ」
「わかったわ。お祝いなんだから、どうせならみんなで一緒に頼んじゃいましょう!」

 ◇

 時刻魔導具の2本の針は、盤の12と8を示す場所を指し、12個ある小さな魔石が、昼間の白色から青い色に変わって光りを放ち、夜を教えてくれている。

「お腹いっぱい食べたのだー」
『のだー』「だねー」「満腹ー」
 シナップくんとノアくんとバッシュくん、ジュエルスライムのエドくんが、備え付けの寝台にコロンと転がって満足げにお腹を撫でて休んでいる。
 ギルドの食堂から部屋に戻って、食後の一服中である。

 少し食べすぎたかもしれない。

 食堂で注文した『サックリ食感と魅惑の甘じょっぱさ!シェフが本気を出した甘食』は、思いの外大きなお皿に盛られて運ばれてきた。
 1人サイズのホール生ケーキは、周囲を細長い板状のお菓子で装飾されたもので、サクッとした不思議な食感の水分の少なめの甘じょっぱいクリームをたっぷり挟んだクッキー生地は、濃厚なバターの香りと風味が絶妙だった。
 効能の方は期待しない方が良さそうだけれど、十分な満足感が得られたと思う。
 私は今しがた食堂で食べたばかりの、他の献立も思い浮かべた。
 天麩羅定食も美味しかった。

 料理長はハンターギルド出身の元冒険者で、色々な地域や国の料理を食べ歩いて修行して来たヒトなのだそう。
 ハンターギルドは数ある組合などの組織系統の中で、国が公認している魔導ギルド、魔導研究ギルド、商人ギルド、冒険者ギルドに並ぶ大きな組合のひとつだ。
 それで多くの料理を実際に食べて作って知っているようだ。

 ロデリックくんがシャツの襟をゆるめ、軽く伸びをしている。

 エレイナさんたちの話では、シナップくんの正式な手続きをするため魔導ギルドに行って、時間の経った昼過ぎに魔導ギルドにロデリックくんがやって来たそうだ。
「イシュタルさまは所用で出払っていて、いなかったんですけど。受験の枠はちゃんと確保されていました」
 エレイナさんが笑顔で教えてくれた。
 おかげで正式な手続きも順調に済み、他の受験生との兼ね合いで、すぐに試験を受けることまでできたらしい。

 それでシナップくんが試験が終わるのを待つ間に、バッシュくんたちは納品をすませて、魔導ギルドの研究施設を兼ねた練習場で勉強しているところへ、ロデリックくんがやって来たというわけだ。
 お互いに今日の報告をし終えると、エレイナさんがバッシュくんたちに、就寝の準備のため湯浴みを促した。

 ガイアスくんたちも、ちゃんと食事できただろうか。


 ◇

 ──ガイアスくんたちと別行動になってから4日目の朝

「登録が完了しました。カードをお返しします」
「ありがとうございます、なのだ」

 魔導ギルドで発行された、正式な“特殊技能”の証明カードを受け取ったシナップくんが、無事に冒険者ギルドで特殊ランクに昇格した。

 ガイアスくんたちからギルドへ特に言伝てのようなものは届いていない。
 疑似迷宮を使っているのなら、外との連絡も難しいし、中の様子を知ることも困難だ。
 迷宮の中と外は、質の違う魔力で隔絶されてしまっていることが多い。物理的にも波長を遮断する分厚い岩の壁で覆われた洞窟や建造物であれば、なおさらだ。
 だからこそ試験場に選ばれた。
 率直に言って、実技試験中のガイアスくんたちは今、言伝てどころではないだろう。
 そんな環境の中で、私たちが洞窟でバッシュくんとノアくんに出会えたのは、追跡を得意とする犬族の彼らの力によるものだ。

「連絡が無いということは、予定通りに試験が行われているようだな」
 ロデリックくんが結論付けた。

 私たちも予定通りに、王都出発から15日後を飛行船の搭乗の日に決め、予約を行った。
 王都にお客を乗せて飛ぶ飛行船乗り場は無いけれど、航空便を取り扱う一部の店舗で、旅客飛行船の空き状況の確認と予約が可能だ。
 旅客飛行船の乗り場は航空貨物便の発着場でもある。
 貨物便と違い、当日の予約は王都からでは受け付けていない。

「試験を終えたガイアスたちと合流してからの予約では、空きが無いかも知れんからな」

 海の異変は治まっておらず、船便は事実上使えない状態が続いている。
 そのせいでこれまでより、航空便の利用者が急増しているのである。
 その影響は、旅客飛行船にも及んでいる。
 飛行船以外での航空便は主に訓練された飛竜や、大型の鳥だけれど、多くの荷や大勢の人を乗せて運ぶことは出来ない。

「確認だけど白銀月の暦第1の月の9日の予約でいい?」
 航空便の受付の男性が、金属と薄い水晶板で出来た操作盤を指でなぞったりしながら私たちに確認した。
「はい、今日から数えて19日目の9日でお願いします」
「ややこしいよね、第2の月琥珀月だと19日目は28日だし」
 先月が調整月で今月の19日目は29日かもしれない。
 と思ったけれど、男性はややこしいよね、といいたいだけなのでそこにだれも触れない。
「何で神様は月を3つも作っちゃったんだろうねぇ。お嬢ちゃん、おじさんは神様はバカだと思うんだよ」
 受付の男性は、あてもない神様への不満、という接客話を言いながら作業を進め、搭乗券を人数分用意してくれた。
 お金を受けとるとポンポンポン!と券に素早く判を押す。
「前日と当日の取り消しとかは、返金出来ないから気をつけて」
「ありがとうございます」

 メルン行きは『満月祭』の開催日前後から、それ以降がかなり埋まって、券が値上がりしている。
 船便が使えない分も値が上がっているようだ。
「近々お披露目される新型の飛行船が普及してきても、船が止まっている状況じゃあ当分値上がりは続きそうだよ」
「空の方は大丈夫なんですか?」
「聞かないなあ。飛行船は高いところを飛んでいる時間が多いから。魔物や魔獣と出くわすことも少ないし」

 上空は一定の高さになると大気の魔力の影響なのか、地上よりも実は激しく風や雷が巻き起こっている。そのせいで魔物も魔獣もあまりいない。特に顕著に少ないのは魔物だ。
 いてもかなり大型なので先に見つけて回避しやすい。
 飛行船はそのさらに上空の比較的安定した雲の上まで上昇して飛行することが多い。
 そこまで高度を上げるために多くの魔力を必要とする。
「飛行船に使われる魔障壁の技術は、魔力消費の多さを無視すりゃ相当なもんだ。旅客飛行船には護衛の竜騎も特別強いのが付くし。ちょっとやそっとでは止まらないと思うよ」

 荒れた上空を飛行船と一緒に突破できる空飛ぶ竜とその騎手。
 竜は魔力の高い、選ばれた飛竜が通常だけど、時には一段上のワイバーンか、ドラゴンのこともある。
「高い分、安心して空を楽しんでおいで。よい旅を」
 搭乗券を無事に購入して店を後にする際、受付の男性はそう言って送り出してくれた。

 ロデリックくんが不必要に高い座席を選んだので、メルン観光の贅沢旅行だと思われたようだ。
 その代わり飛行船の費用はすべてロデリックくんが支払ってくれた。一見わがままに見えるが、ひょっとすると彼なりの気遣いなのかもしれない。
 もしそうなら、彼は少しばかり損な性分だ。

 ◇

 搭乗予約を済ませた私たちは、ギルド本部を後にした。
 1刻ほど馬車を使わずに歩いて第三城壁の外へ出る。
 支援魔術の『強脚』は4回しか一度に発動させられなかったけれど、『走者』は自分も含めて今いる全員に発動させることが出来た。
 まだいくらか余力がある。

「楽に歩けるのだ」
「マクスさんの支援魔術、快適に機能しています」
「これだけ効果があって魔力の消費も少ないなら、すごく効率的だよね」
 軽快に私の前を歩くシナップくんと、ノアくんとバッシュくんが言ってくれた。
 ジュエルスライムのエドくんがピョンピョンと跳ねた。
「魔力を回復させながら、日に3回を全員に施せば羊君が使える魔力も増えて、一石二鳥だな」
「僕たちの鍛練にもなるし、それ以上だね」
「一粒でたくさん美味しいのだ」

 ロデリックくんは最初から飛ばしていくつもりではなくて、日ごと徐々に移動速度を上げていくつもりのようだ。
 エレイナさんたちが乗り気だったのは、その辺りを織り込んでいたからなのだろう。
「最終的に1刻100カロノーツ、1日7刻くらい行けるか?」
「700カロノーツ!?」
 バッシュくんたちのすぐ斜め後ろを歩いていたエレイナさんが、隣を歩くロデリックくんを見上げて声を上げた。
 続いてシナップくんが悲鳴のように言った。
「い、嫌なのだ!百犬隊のヒトでも3,000カロノーツを10日かかってるのだ!」
「さすがにそれはちょっと」
「いくらなんでも」
 バッシュくんたちも引き気味だ。
 でも支援魔術で擬似的に体力や持久力を増やせば、それだけ鍛練できる時間を増やすことができる。
 ギルド本部を出て1つめの馬車乗り場を通りすぎ、3つめの馬車乗り場に到着したのは、ちょうどお昼の頃合いだった。

『聖パルルシア馬車乗り場』

『グレゴリアス百花実馬車乗り場』と反対側、東に位置する高速馬車の発着場でもあるこの乗り場は、塀や柵で囲われ厩舎の他、人が休める食堂も備えられた施設になっていて、少し大きい。

 売店の、水晶で出来た箱形の展示棚には、容器に詰められた美味しそうな食べ物がいくつも並んでいる。
「ヤッギーミルクのとろとろチーズ。美味しそうな響きなのだ」
「コッコ肉のカラッと揚げも美味しそう」
「僕、カラッと揚げ食べる」

 馬車の中で食べる用に買った食料を持って乗り込んだのは、快速馬車だ。順調であれば4刻ほどで第三城壁東門地区に到着する。
「冷めても美味しいカラッと揚げ」
「うまうま、なのだ。とろとろチーズをつけるのだ」
 ジュエルスライムのエドくんの無言の催促に、シナップくんたちが一つずつカラッと揚げをわけてあげている。
 エレイナさんもロデリックくんも『コッコ肉のカラッと揚げ』を美味しそうに食べている。お米とよく合うご飯のお供だ。
 料理は温かいままで食べられるように、容器の底に付けられた小さな魔石で工夫がされている。

 食事中も馬車は順調に歩を進め、窓の外の景色が流れていく。
 ほんの少し雨が降っている。
 空は明るいのですぐにやむだろう。
 整えられた道を急に曲がることなく快適に進む。

 褐色中銅貨1枚で購入出来る3社の情報紙に目を通していると、一つの広告が目に留まった。
 “魔王城の下僕募集中”
「……」
 レオパルド領との国境近く、古城で行われる催しの人員募集みたいだ。
 下僕募集なんて、個性的だね。

 ◇

 数度の休憩と馬の交代を行いながら、4刻ほどで馬車は無事に第三城壁東門地区の乗り場に到着した。
 座席に忘れ物がないか確認し、御者さんに乗車券を見せ、人数分の料金白銅貨18枚をまとめて渡し、馬車から降りた。

「予定時刻より早く着いたな」
 運行の予定表では昼16刻半が到着時刻だけれど、それより四半刻近く早い。
「部屋の空きがあるとは限らないし、都合が良いわね」
 馬車から降りた他のお客さんたちの中にも、ギルドの宿泊施設を使う冒険者がいるかもしれない。

 ただ、王都は定住しないで宿を利用する住民の割合が多いので、宿泊施設が充実しており、例え部屋の空きがなくてもそれほど困らない。
 その理由も生業もさまざまではある。
 遠征や依頼内容によって、家を持っても使わない、というのが普通に起きる冒険者、仕入専門の商人、探索者。

 単に一つの場所に留まれない、留まりたくない質のヒトもいたりする。

「それじゃあ行きましょうか」
「はい」「うん」「うん、なのだ」

 私たちは第三城壁東門地区の、冒険者ギルド支部に向かって歩きだした。
 魔力は回復しているけれど、支援魔術は使わない。
 支部は普通に歩いて半刻ほどで到着する距離にある。

 ◇

 支部に着いて部屋を確保し、新しい情報があがっていないか確認をすませた私たちは荷物を置いて食堂へやって来た。

 本部の食堂に比べると小規模ながら、十分な広さを保っている。見習いの子供が依頼で給仕を請け負っているようだ。
 冒険者見習いの札を首からぶら下げて、お客さんに料理のお皿を運んだり、テーブルを拭いたりしている。

「子供に見えるが、あれは大人だぞ、羊君」
 偉いなあと思っている私に、ロデリックくんが言った。
「君のことだ。呑気に偉いなーとか思ったのだろうが、幼く見える種族だ。明らかに成人しているし、年寄りかもしれん」
「そうなの?」
「能力も低くない種族だ。なぜこんなところで見習いの札を下げて給仕などしているかは、あまり詮索すべきではないか」
 そう私に教えたあと、ロデリックくんが独りで納得した。

 頼んだ料理が運ばれて、次第にテーブルが華やかになってくる。
「お肉と野菜もちゃんと食べてね」
 エレイナさんが、バッシュくんたちに大皿から料理を取り分け、バッシュくんたちも、自分でお肉や葉の料理を自分のお皿に盛り付けて食べ始めた。
「いただきます」「いただきますのだ」

 東の大陸でもこんな風に食事が出来るとは限らない。
 果汁飲料ジュースも運ばれてきた。
 ロデリックくんは自分用に果実酒を頼んだようだ。
「羊君も一杯飲んでみたまえ」
 そう言うと、私の空になった湯呑茶碗に果実酒を注いだ。
「甘い」
 言葉通り砂糖を加えたように甘い果実酒である。
「似たものに特殊な菌で発酵させた果実酒もあるが、こちらは凍った果実を使った果実酒だ。どうだ、うまいだろう」

 思いの外、高級果実酒だった。
 けれども甘党のロデリックくんらしい果実酒ではある。

 食事を終え部屋に戻り、明日の段取りを決め、就寝の準備を整える。
 5階建ての窓の外に王都内の灯りが見えている。

 そろそろガイアスくんたちの試験も終了しているだろうか。
 合否に関わらず合流の予定だ。
 “試験中のによる失格”は、彼らに限って考えられない。

 ◇

 ガイアスくんたちと別行動の5日目 

 東門地区の冒険者ギルド支部に向かうため、早朝の馬車乗り場に私たちはやって来ている。

「段取りでは、今日には東門地区の支部に到着する予定、と伝えてあるから、言伝てするなら東門支部ね」
「即即便なら、昨日のうちに試験結果の報せが届いているかも知れない」
 “即即便”は、ゲイル商会の配達人が荷物を直接受け取り、人から人へと手渡しで引き継ぎながら届ける、夜間の特急配達網のことだ。ゲイル商会のような配達事業は、今や馬車や竜車、牛車などでは補えない物流を支える重要な社会基盤の一つとなっている。
 商会には、脚力・体力・持久力に優れ、魔物や魔獣をものともしない、腕に覚えのある屈強な配達人たちが日夜働いている。

 閉門の時刻に縛られず、国と商人ギルドからの許可を得て王都内を担当する配達人は、“疾風の配達人”と呼ばれているという。
 中でも“神速”の技能を持った配達人は、特別に速度制限を課せられない。
 高速での移動が禁じられた中央区内であっても、緊急火急の任と同様に移動が許可されているのである。
 “神速”は魔術ではないため、私が魔導書で覚えたりは出来ない。
「そういえばそうね!昨日は無理でも、今日はもうとっくに届けられているかも知れないのね」
「はい」「うん」
 ノアくんとバッシュくんの返事に、エレイナさんがちょっと目を輝かせた。
 合格を疑っていないけれど、気になるからね。
 こうして、私たちは高速馬車に乗り込むことにしたのだった。
 今からなら昼前に到着するにちがいない。

「ちょっと贅沢だけど、仕方ないわよね」
「仕方ない」
「仕方ありません」
「仕方ないのだー」
 設えと座り心地の良い座席に座って、エレイナさんが少し申し訳なさげに言うと、寛いだバッシュくんたちが気持ち良さそうな表情で返した。

 ◇

 ほどなくして、私たちと他の乗客を乗せた高速馬車が、専用の道路に入った。
 通常の乗り物や馬車、魔導車も侵入出来ない専用の道路は、結界と柵によって護られ、一段と上げた緩い曲線の道路が要所で馬車の進行を助ける都市構造となっている。
 ここから第六城壁東門地区まで、魔力の高い馬が4頭で牽引する馬車は、休憩と交代以外、ほとんど留まることなく速度を上げて走る。
 青々とした牧草地帯、作物が育てられた農園と田畑。
 遠くに見える商業地帯と居住区。あるいは工業地帯。

 馬車の窓に、柵の向こう側で目まぐるしく移り変わる景色。
 シナップくんたちが、小さな体を寄せ合うようにして、窓の外に見入っている。

 ◇

「まだ到着まで時間がかかる」
 というロデリックくんの言葉で、私は魔導書を開いた。
 私が新しく使えるようになった魔術は『走者』『強脚』『追い風(小)』『軽量化(小)』『掘削(小)』

『軽量化(小)』は効果時間が半刻ほどだけれど、風だけは巻き起こっているので発動しているのはわかるが、気休めほどの効果しかなく、その割に魔力の消費が大きい。

『掘削(小)』は魔力の消費は少ない魔術で、地面を掘る魔術だけれど、硬い地面は全く掘れない。引っ掻き傷すら付かなかった。
 それでもジェイドさんやバッシュくんたちは「これは菜園には使えそう」と言ってくれたが、ロデリックくんには「なぜ覚えた」と、覚えたこと自体を咎められてしまった。

『追い風(小)』
 効果時間が一つ数える間もないほど短く、強風というには優しいものの、前方向に強めの風を起こすことが出来る。
 魔力の消費も少ない。高い場所での使用の危険性についてと、無闇に本人の許可なく使用しないこと、などの注意事項がある。
 範囲魔術なので自分以外の複数のヒトに使える。
 比較的使えそうだと思ったのに、「術者の羊君は我々に術を施している間に追い付けなくなるのではないか」と指摘された。
 どうにか「私は支援魔術で強化を」と言い返すのが精一杯だったが、ロデリックくんは「魔力の減っている時には使える案だ。別のことにも使えば良いだろう」と、最終的に納得はしてくれた。
 ここはもう少し役に立つ支援魔術を探して覚えなくては。
 そう思いながら私は魔導書のページをめくった。
 ジェイドさんの言うとおり、どうやら『俊足』を使えないのは魔力が少ないからでは無いらしい。
 術を発動させられない理由を、ジェイドさんは私が人を傷付けることを恐れていると、良いように考察してくれたけれど。

 そうではなく、私は失敗をおそれて魔力が安定しないのだ。

 とはいえ、ロデリックくんが貸し与えてくれた魔導書は、私にとってまだ難易度が高い。
 これで中級の魔導書らしい。
 読むだけでも時間がかかった。
 内容を理解するにはもう少しかかりそうだ。

「お疲れ様。マクスさんも、よかったらどうぞ」
 エレイナさんが、笑顔でお菓子と飲み物を差し出してくれた。
「勉強するときは甘いものや栄養も必要よね!」
「うん、必要!」
「必要です」
「必要なのだ」
『のだ』
「エレイナ、私には飲み物だけなのか」
「ロデリックは自分のぶんがあるじゃない」
「じゃあロデリックくんには私のを」
「それは自分で食べたまえ」
 私がカマルでもらった焼き菓子をロデリックくんにあげようとしたら拒否された。

 ◇

 朝8刻半 
 高速馬車は運行予定表通りに第六城壁東門地区に到着した。

 王都の六重の城壁の一番外側になる第六城壁内側の地区は、東西南北に関わらず、居住区が少なく、そのほとんどが工業、商業、農業・酪農畜産、観光業に集約されている。

 城を中心に築かれた第一城壁と第二城壁との間が20カロノーツほどなのに対し、第五城壁と第六城壁の間は58カロノーツと広く取られている。
 高速馬車が速度を落としながら、専用の道から幅の広い整えられた幹線道へ戻り馬車乗り場へ進む。
 王都東門のギルド支部まで、あと少しだ。

「この馬車はこの乗り場が最終です。忘れ物、忘れ魔獣の無いようお願いします」

 料金の白銅貨90枚90シルバーを支払って馬車を降りたら、馬車を使わなくてもギルドまでさほど距離はない。
 登録されている飼い魔獣のエドくんは今回も無料だった。

 朝9刻前 『冒険者ギルド・王都東門支部』に到着

 早速受付に向かい、確認するとガイアスくんたちから、パーティ宛に言伝てが届いているのがわかった。

「ふたりとも合格ですね!」
「どっちもゴールドに昇級だ!」
「やったのだ」

 今朝届いたばかりという言伝てには、合格と夜行馬車でこちらに出立する旨が短く書かれていた。

 エレイナさんとノアくんたちが、受付の職員さんから渡された言伝て用紙を持って喜んでいる。
「なんだ、何刻に出立なのか書いていないな。これではいつ着くのか予測がつかん」
「夜行とあるから昨日の可能性もあるけど」
「今日の可能性もある。休みたがっていたし、合流予定も明日だからな」
 疑似とはいえ、迷宮ダンジョンで多人数と日をまたいで対峙するという試験だ。
 すぐに出立は難しいかもしれない。

 ◇

 ──朝10刻

『アリオン迷宮』地下9階
「うぉおおん!」『んおおおぉん!』
「うわぁーーー」「わーーー」
 私たちは王都東門地区にある迷宮ダンジョンにやってきていた。
 独りでの侵入が許可されない中級の迷宮で、地下5階より深い階層は銅級だけではたどり着けない。
「この!」
 エレイナさんが弓矢を放つ。
 硬い殻を持つ素早い動きの魔物に中々当たらない。
「魔術を使わずに倒すのは無理だよ!」
 逃げながら言ったバッシュくんに、
「無理ではない」
 腕を組んでロデリックくんが言った。

「エレイナ!弓ではなく君はそれをつかえ!」
 エレイナさんがロデリックくんから投げられた装備を受け取り驚く。
「これは、銃?」
「魔弾銃だ。君なら扱える!」
「エレイナさん相手でも容赦がありませんよ!」
 ノアくんが悲鳴のように言った。
 次々と階層にいる魔物たちが、こちらに気がついて向かってくる。魔物の多くはシナップくん、エドくんを特に狙う様子がある。魔力を視ているからだろうか。
 ガシャガシャと音をたてながら、迷宮内を縦横無尽に這いまわる魔物たちは天井さえも這いまわっている。
 ──まるで次元を無視しているかのようだ。

 ロデリックくんにも群がっているのに、私が挑発しても反応がない。
「羊君!魔物を引き付け足止めを!誘引石だ!バッシュ、ノア!シナップ!回避して回数で削れ!君たちの方へ行く魔物の数は調整してやるからまかせたまえ」
 私があわてて取り落とした誘引石を拾い上げて作動させると、途端に魔物が私の方へ集まり始めた。
 効果は抜群だ!
 私自身も誘引石を買っているけど、こんなに効果があるとは。
 バッシュくんたちから魔物が離れて、私の方へ向かってくる。
「マクスさん!!」
「マクス君!」
 大丈夫。私の耐久はロデリックくんのお墨付き。
 回復薬も薬草もたくさん持って来ている。
「良い覚悟だ!羊君!まかせたまえ」
 ロデリックくんが宣言通り、私の周囲にいる魔物たちをあっという間に倒して数を減らしていく。
 それも武器も使わずに素手で。
 あまりのことに絶句する私たちを気にもせず、ロデリックくんは次々と魔導石を放り投げた。
 すると魔導石から障壁が現れて向かってこようとしていた魔物たちは遮断され、周りにいる魔物はわずか4体になった。
 出来上がった壁はぴったりと天井まで隙間なく埋め、見た目も周囲に馴染んでいる。
 5つほどで完全に私たちだけの空間が迷宮内に作られた。
「さっきまでこの近くだけで50体くらいはいたのに」
「これが白金級」

 1刻ほどをかけて5人で4体の魔物の討伐を完了する。
 私たちは改めてロデリックくんを見る。
 白鎧も斧も持っていない、ほとんど丸腰と言って差し支えない姿だけれど、シャツさえ破れていないのは何故なのか。
 カマルで買った魔導石の障壁に守られた、魔物のいない静寂の中で、魔物を4体倒し終えて私たちはようやく上がった息を整えた。
 数十体の魔物を倒し、疲れた様子もなく、涼しげに立つロデリックくんに私は唖然としていた。

 それはまるで彼と外の世界を隔てているみたいだったからだ。

 ◇

「身体強化も使わずに、なんとか倒せたね」
「う、うん。ロデリックさんが数を減らしてマクスさんが囮になってくれたからだけど」
「けど、倒せたのだ」
 シナップくんたちの表情に明るさが戻ってきた。
「言っただろう。無理ではないと」
「でもせめてバッシュちゃんたちだけでも防御魔術くらい」
「エレイナ、君のそういうところは美点だが、それで困るのはシナップたちだ。魔導術の効かない場所や魔物はどうする気だ」
「……言ってることはわかる」
 少しうつむいたエレイナさんに、ロデリックくんが話題を逸らすように言った。
「そうだ、エレイナ、魔弾銃を早速使いこなしていたな!」
 必中の魔弾。
 それを専用に籠めて使用する“魔弾銃”
 狙いが確かでないと当たらない銃だ。狙いが確かであればたとえ的が動いても、逃げる魔物であろうとも“魔弾”はそれを追尾する必中の魔弾銃。
 エレイナさんが銃から放つ弾は、私の見立てではすべて命中していた。
「マクスさんのおかげです。魔物が集まって狙いを定めやすかったんです」
「そうだとしても、私も魔物も動き回っていた」
 じっとしているとさすがに大怪我なので、時々避けたりはしていた。
 そのくらいの広さを、ロデリックくんが魔物を倒して作り上げたのだ。
『鉄蜘蛛』と『鉄蟻』、『鋼鉄蜘蛛』『鉄甲百足』
 魔物たちが落とした『魔鉄鉱石』を拾い上げ、ロデリックくんが言った。
「この迷宮の魔物はもともと魔導術が効きにくい」
 辺りには倒された魔物が落とした素材や魔石が、少ないけれど散らばっている。
 ロデリックくんが魔導石で用意した壁の向こうから、声が聞こえてきた。音を遮断してしまったりはしないらしい。

「おい、行き止まりになってるぞ!」
「待って。これはわかりにくいが魔力の壁だ。先客がいるなら向こうへ行こう」
「そうだね、ここで止まってると……」
「もう追い付いてきた!一度退くぞ」
 魔物がざわつく音が再び聞こえて、それから逃れるように声が遠ざかって行った。
「良い囮がやってきたな」とロデリックくんが軽く笑い、障壁を解除した。

「この下の階に地上へ戻る昇降機がある」と来た道と反対側を指差した。
 王都内にある迷宮は、王都で管理されて滅多に死者出さない。
 昇降機はそのための設備の一つだ。

 ◇

 階段を降りると、地下9階と似た広い坑道のような階層になっている。
 壁に地下10階を示す板が埋め込まれていた。
 この階ではロデリックくんに魔導術の使用を止められていない。
 ジュエルスライムのエドくんが、魔導術であっさりと『鉄甲百足』を倒し、シナップくんも氷と炎の魔術を使って短時間で『鉄蜘蛛』と『鉄蟻』を討伐している。
 一撃といかないのは、魔術が効きにくいという証左なのだろう。
 バッシュくんとノアくんは身体強化で力と防御を上げ、バシバシやっている。出来るだけ魔導術に頼らない文武両道を実行したいのかもしれない。
 ふたりとも弱体化魔術『二重奏』を使わない。
 それでもあまり時間をかけずに倒せているのは、彼らの支援魔術のレベルの高さを現している。

「このアリオン迷宮はここが最下層だ。中級に位置付けられているが、慣れれば大したことはない。国が安全域を設けたりしているからな」
 ロデリックくんが説明しながら私たちを昇降機のある場所へ案内してくれている。
 魔物を討伐しながら少し歩くと、魔物がいない場所にたどり着いた。
 魔物避けの結界と金属製の昇降機の扉がある。
「この階層に来て2刻経っている。迷宮探索としては短いが、訓練としては十分だろう。この迷宮に主はいない」
 そういいながらロデリックくんが昇降機を動かした。
「予想以上の成果だ。バッシュ、ノア、シナップ。よく頑張った」
 地上へ帰る、昇降機の扉が開いた。

 ◇

 第六城壁東門地区 
 食事処“ク・バルム”
 バッシュくんが、テーブルに運ばれてきた料理を見ながら言った。
「『鉄蟻』ってあんなに硬くて強かったんだね」
「あの類いの魔物はずっといるのだ。食べ物に関係なくやたら硬いのだ」
 どうやらシナップくんの暮らしていた3,000年前にも、似た魔物がいたようだ。
 私たちは昇降機で地上に戻ると、その場で魔石と素材を換金してもらい、その足で近くに設けられたこの食堂までやってきている。
 迷宮で採取、発掘される素材や魔石は、魔物が落とすものまで国の資源だ。
 ガレディア王都ではこうした資源を換金しやすくし、その資金をあてにした商業施設が迷宮の近くには集まる傾向がある。
 冒険者やハンター、探索者向けと思われる肉料理が、献立表にはずらりと並んでいる。

 船便が止まっている影響はこの店を見る限り、まだ出ていないようだ。
 よく考えてみると、ガレディアの船便が止まることで影響を受けるのは、大陸の外側。
 海の向こうにある国々の方かもしれない。
 このアルファルト大陸は、東西南北に広大な大地の豊かな大陸で、ガレディア王国はその恵まれた大地の半分を有する大国だ。
 多くの物資を他国に輸出している。

「そういえば地下10階の『鉄蟻』や『鉄蜘蛛』の方が地下9階のより魔鉄鉱を落とすのが多い気がしたんだけど、どういう仕組みなんだろう」
 私が言うと、ノアくんが、
「そういった現象は他の迷宮でも見られるんですが、理由はハッキリしていません」
 と言って、補足するようにバッシュくんが
「一番有力な説は、魔力の濃度。地下に向かうほど魔力濃度が増して、魔物が生成する鉄鉱石にも魔力が宿りやすいんじゃないかって言われているよ」
 と教えてくれた。
「けど、それだと説明がつかないのが、高い場所で高濃度の魔力を宿す素材を落とす魔物の存在です」

 ノアくんがそう言ったところで、シナップくんが料理から目を離した。
 その様子が何か言いそうに見えたけれど、シナップくんは運ばれたばかりの手近のお皿を自分の方に引き寄せ、湯呑茶碗でお茶を飲んだ。

 気のせいだった。

 ◇

 食事処“ク・バルム”から冒険者ギルド支部まで戻ると、昼の16刻を過ぎていた。

 迷宮で入手した素材や魔石を出入り口近くに設けられた買取屋で売却した金額は、ジュエルスライムのエドくんを含めた7人で分け、食堂の支払いに使った。

 量り売りで総額は白銅貨56枚56シルバーと端数の褐色銅貨数枚になった。
 鉄鉱石も魔鉄鉱石も、重いわりにさほど高く取引されていないので、内訳はほとんど魔石の売却価格だ。
 回収しやすいように、迷宮内には台車も置かれているのだが、鉄鉱石は回収せず置いていくヒトたちも多い。
 魔物と戦わず、捨て置かれた鉄鉱石などを回収したりする生業があったりするくらいだ。立派な資源なので安くはあっても買い取ってもらえる。

 ──

「4刻で白銅貨8枚以上なら上出来だね」
「うん、鍛練になってお腹一杯食べれて」
 そう言いながらバッシュくんたちは、まだ熱い料理のお肉を、口に入れ、シナップくんと揃って、美味しそうにモグモグさせながら堪能したのだった。

 正確に数えていないけれど、ロデリックくんが倒した魔物の数を入れて270体ほどを討伐して魔鉄鉱石が23個、魔石が58個。
 地下9階までは、アリオン迷宮をよく知るロデリックくんの案内で、時間をかけずに降りることができた。

 ──100体ほどがロデリックくんなので170体として。
 ロデリックくんの分を差し引いて計算しても、1人白銅貨5枚以上だ。
 強いと命がけの仕事だとあまり思わないのかもしれない。
 死なないために強くなり、さらに危険な地へと赴いていく。
 見えない死を打ち負かそうと、自ら死にぶつかっていくような危うい生き方があるような気がした。


 
 ────────
 ────────

 □共有アイテム□

 ◇主な食料の在庫
 内訳(長期保存食料143食分)
 ◇嗜好品お菓子(魔導系回復あり)、各種調味料、未調理穀物5日分
『カマルの特産品はちみつ7個と焼き菓子セット2箱』『特製調味液4本』『2人前飛竜の肉(保存袋入)』
『食堂のぬいぐるみ(中)』『2名食事券』『2名宿泊券』

 ◇魔力回復ポーション(EX102本、超回復74本、大153本、中647本、小970本)
 ◇治癒ポーション(治癒薬EX107本、超回復69本、大885本、中2,072本、小4,588本)、薬草(治癒1,059袋)1,059袋、他

 □各自アイテムバッグ
 ガイアス (魔力回復薬小3本)(治癒薬EX2本、超回復4本、大10本)薬草(治癒5袋、解毒5袋)麻痺解除薬5本

 ジャック (魔力回復薬小4本)(治癒薬EX2本、超回復4本、大10本)薬草(治癒5袋、解毒5袋)麻痺解除薬1本)

 エレイナ (魔力回復薬EX1本、超回復1本、大6本、中1本、小3本)(治癒薬EX3本、超回復3本、小10本)薬草(治癒5袋、解毒10袋)麻痺解除薬1本)

 マクス (魔力回復薬EX3本、超回復5本、大5本、中5本、小9本)(治癒薬超回復5本、大5本、中10本、小18本)薬草(治癒18袋、解毒10袋)麻痺解除薬1本)

 バッシュ (魔力回復薬EX1本、超回復1本、大2本)(治癒薬EX1本、超回復1本)薬草(治癒1袋、解毒10袋)麻痺解除薬1本)

 ノア (魔力回復薬EX1本、超回復1本、大2本)(治癒薬EX1本、超回復1本)薬草(治癒1袋、解毒10袋)麻痺解除薬1本)

 シナップ 『塔にあるもの全部』
 ロデリック『私物とお菓子』

 □背負袋

 ガイアス 『共有アイテム』『バッシュとノアの本』『エレイナ、バッシュ、ノア、シナップの荷物』『食糧』『魔導石』『入門!魔術』『魔術図鑑(魔力紙付)』

 ジャック (魔力回復薬EX11本、超回復10本、大50本、中210本、小140本)(治癒薬EX1本、超回復85本、大35本、中80本、小120本)薬草(治癒10袋、解毒10袋)麻痺解除薬2本)『もしもの時の燻製肉』『魔導石』

 エレイナ (魔力回復薬EX3本、超回復10本、大20本、中50本、小100本)(治癒薬EX5本、超回復25本、大30本、中50本、小50本)薬草(治癒60袋、解毒20袋)麻痺解除薬2本、万能薬3つ)『お菓子』『加工魔石(高)』『魔導石』『長期保存食料2食分』

 マクス (魔力回復薬大10本、中100本、小100本)(治癒薬超回復50本、大100本、中200本、小200本)薬草(治癒1,000袋、解毒30袋)麻痺解除薬4本、石化解除薬4つ、万能薬4つ)『草』『魔導石』『図で解る魔導書』『焼き菓子セット1箱(7個入り残り5つ)』『長期保存食料2食分』『ロデリックの魔導書』

 バッシュ (魔力回復薬EX5本、超回復5本)(治癒薬EX5本、超回復5本)薬草(治癒25袋、解毒5袋)麻痺解除薬5本、石化解除薬1つ、万能薬5つ)『カリカリフード』『魔導石』『焼き菓子セット1箱(7個入り残り4つ)』『長期保存食料2食分』『本』

 ノア (魔力回復薬EX5本、超回復5本)(治癒薬EX5本、超回復5本)薬草(治癒25袋、解毒5袋)麻痺解除薬4本、石化解除薬2つ、万能薬5つ)『カリカリフード』『魔導石』『焼き菓子セット1箱(7個入り残り5つ)』『長期保存食料2食分』『本』

 シナップ 『塔にあるもの全部』『焼き菓子セット1箱(7個入り残り4つ)』
 ロデリック『私物とお菓子』『入門魔術』『魔導石』『長期保存食料12食分』

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「おい、城の噴水が止まったぞ!?」 「街の井戸も空っぽです!」 無能な王太子による身勝手な婚約破棄。 そして不毛の砂漠が広がる隣国への追放。だが、愚かな奴らは知らなかった。主人公・ルリアが国境を越えた瞬間、祖国中の「水の魔石」がただの石ころに変わることを! ルリアは、触れるだけで無尽蔵に水魔力を作り出す『水精霊の愛し子』。 追放先の干ばつに苦しむ隣国で、彼女がその力を使えば……不毛の土地が瞬く間に黄金のオアシスへ大進化!? 優しいイケメン皇帝に溺愛されながら、ルリアは隣国を世界一の繁栄国家へと導いていく。 一方、水が完全に枯渇し大パニックに陥る祖国。 「ルリアを連れ戻せ!」と焦る王太子に待っていたのは、かつて見下していた隣国からの圧倒的な経済・水源制裁だった——! 今、最高にスカッとする大逆転劇が幕を開ける! ※本作品は、人工知能の生成する文章の力をお借りしつつも、最終的な仕上げにあたっては著者自身の手により丁寧な加筆・修正を施した作品です。

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