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第二章
38話 思い込み
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街の外れ。
所々に人が住む家ほどの大きさの椅子や食器が建物のように鎮座しているのは飾りのつもりなのか。
ともかく現界のさまざまな国の文化が、時代を無視してぐちゃぐちゃと雑ぜたように創られた一角がある。
そこに待たせた人物が、俺の方に向かって手を上げた。
オグノワール。
パルガムを油断させ、天使長室に戻らせるために、一度街を出ていたが、俺が合図を送ったので舞い戻った。
パルガムに対し、まあまあ酷いことをしている自覚はあるが、危害どころか助けようと言う意図は一応あってのことだ。
オグノワールの方を見ると、他の住人と変わらない衣装になっている。神力由来の高魔力圧を抑えようとしているらしい。
正直いって無駄のように思えるが、オグノワールなりの気遣いなのだろうと考えた。
「その者が例の悪魔か」
オグノワールが自分よりも背の低いパルガムに合わせて、少し屈むようにして顔を近づけると、パルガムの表情が恐怖でひきつった。
「ふぅん。本当に悪魔なんだな……」
俺に見せる尊大さをやや控えめにして、オグノワールが呟いた。予め天界の魔力に耐えられるよう、多少強引にパルガムには水を飲ませてから来ている。
おかげで、パルガムはすっかり怯えて大人しい。
それを自分のせいだと思ったオグノワールが言った。
「さすがにここまで怯えられると傷つくな……」
罪悪感からパルガムから少し距離を取る。
俺の後ろにいたジルが、ヒラリとオグノワールに近づき言った。
『エリヤ、どういうことだい。オグノワールさまも説明してよ』
説明を求めるジルにオグノワールが唐突に言った。
「精霊ジルに問う。おまえはイルミナさまをどう思う」
『……え?』
創造神イルミナ。
世界を創った女神。
オグノワールによれば、それは正しく合って、正しく合わない答え。
「どう思う。答えよ」
『どう思うもなにも、イルミナさまに何かを思うなんて……』
ジルが困惑して口ごもった。
俺の方も、オグノワールが何を言いたいのかわからない。
不意に声がした。
「信用ならない神」
いるはずのない予想外の声に、俺は驚き振り返った。
姿を確認した瞬間、俺は自分の槍を呼び寄せ構えた。
「お前、生きてやがったのか!」
◇
パルガムや俺と同じように魔界で生まれ、魔界から追放されてサルティエラに跳ばされた悪魔。
「カミル!」
魔神との戦いに巻き込まれて、とっくに消滅したと思い込んでいた。
俺は構えた槍をそのままカミルに向けて突きだし、そのまま凪払うように振ったが、カミルは寸でで仰け反り回避する。
「待ちぃ!敵やない!!」
カミルが叫ぶと同時に飛び出したパルガムが、カミルにしがみついた。
「悪魔さん!ミミルさまに命じられて、ボクを助けに来られたのですね?!」
「は?なんのことや」
パルガムにすがり付かれ、混乱するカミルが俺の後ろに向かって大声で言った。
「オグノワールさん、ぼさっとみとらへんでコイツら止めてぇな!」
所々に人が住む家ほどの大きさの椅子や食器が建物のように鎮座しているのは飾りのつもりなのか。
ともかく現界のさまざまな国の文化が、時代を無視してぐちゃぐちゃと雑ぜたように創られた一角がある。
そこに待たせた人物が、俺の方に向かって手を上げた。
オグノワール。
パルガムを油断させ、天使長室に戻らせるために、一度街を出ていたが、俺が合図を送ったので舞い戻った。
パルガムに対し、まあまあ酷いことをしている自覚はあるが、危害どころか助けようと言う意図は一応あってのことだ。
オグノワールの方を見ると、他の住人と変わらない衣装になっている。神力由来の高魔力圧を抑えようとしているらしい。
正直いって無駄のように思えるが、オグノワールなりの気遣いなのだろうと考えた。
「その者が例の悪魔か」
オグノワールが自分よりも背の低いパルガムに合わせて、少し屈むようにして顔を近づけると、パルガムの表情が恐怖でひきつった。
「ふぅん。本当に悪魔なんだな……」
俺に見せる尊大さをやや控えめにして、オグノワールが呟いた。予め天界の魔力に耐えられるよう、多少強引にパルガムには水を飲ませてから来ている。
おかげで、パルガムはすっかり怯えて大人しい。
それを自分のせいだと思ったオグノワールが言った。
「さすがにここまで怯えられると傷つくな……」
罪悪感からパルガムから少し距離を取る。
俺の後ろにいたジルが、ヒラリとオグノワールに近づき言った。
『エリヤ、どういうことだい。オグノワールさまも説明してよ』
説明を求めるジルにオグノワールが唐突に言った。
「精霊ジルに問う。おまえはイルミナさまをどう思う」
『……え?』
創造神イルミナ。
世界を創った女神。
オグノワールによれば、それは正しく合って、正しく合わない答え。
「どう思う。答えよ」
『どう思うもなにも、イルミナさまに何かを思うなんて……』
ジルが困惑して口ごもった。
俺の方も、オグノワールが何を言いたいのかわからない。
不意に声がした。
「信用ならない神」
いるはずのない予想外の声に、俺は驚き振り返った。
姿を確認した瞬間、俺は自分の槍を呼び寄せ構えた。
「お前、生きてやがったのか!」
◇
パルガムや俺と同じように魔界で生まれ、魔界から追放されてサルティエラに跳ばされた悪魔。
「カミル!」
魔神との戦いに巻き込まれて、とっくに消滅したと思い込んでいた。
俺は構えた槍をそのままカミルに向けて突きだし、そのまま凪払うように振ったが、カミルは寸でで仰け反り回避する。
「待ちぃ!敵やない!!」
カミルが叫ぶと同時に飛び出したパルガムが、カミルにしがみついた。
「悪魔さん!ミミルさまに命じられて、ボクを助けに来られたのですね?!」
「は?なんのことや」
パルガムにすがり付かれ、混乱するカミルが俺の後ろに向かって大声で言った。
「オグノワールさん、ぼさっとみとらへんでコイツら止めてぇな!」
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