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第二章
39話 敵対者
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俺は槍を構えたまま、一度カミルからもオグノワールからも距離を取った。
カミルが口走った言葉で、警戒心が上昇する。
パルガムの方は、がっしりとカミルの体にしがみついたままだ。危機感は感じないらしい。
カミルの方が必死でパルガムを引き剥がそうとしている。
「離せって言うてるねん!離しぃ!」
腕でパルガムの衣装を引っ張り、かなり乱暴に扱っている。
俺はオグノワールの方に槍の矛先を変える。
苛立つのを抑えて言った。
「これはどういうことか、説明してもらえないか」
俺がそう言うと、ジルがオグノワールから離れた。
かといって俺の方にも戻ってこない。
離れた位置で事態を見極めようとしているようだ。
「あの日、私はこの街にいた」
唐突なオグノワールの告白。
なんのことかもわからない。
「あの日?」
オグノワールが独白のように続けた。
「ゼリュース、お前がこの街に戻った日のことだ。魔界から跳ばされて来た住人の一人が魔神と化したあの日、私はイルミナさまに命じられて街に来ていた」
『え?』
ジルが驚いたらしく、声をあげた。
イルミナ。
女神イルミナが住人の魔神化に気がついていたのは薄々わかっていたが。オグノワールを派遣していたのなら、
“じゃあ、どうしてあの日、助けてくれなかったんだ!”
飛び出して来たクラリスが叫んだ。
ジルにくっついてついてきていたらしい。
突如現れた精霊クラリスに詰め寄られ、オグノワールが言った。
「“エリヤ”が死に、“ゼリュース”として甦るのを見届ける。それが私に命じられた任務の一つだったからだ。甦ったゼリュースが魔神を討ちもらした場合に備えて派遣されたが、魔神はそこの魔獣の幼体によって滅せられた」
クラリスが納得しない顔のまま、口をつぐんだ。
ジルは思考が追い付かないのか、ポカンとした間抜けな表情でボーッとしている。
「あんたらの神さんも、ろくなもんとちゃうな」
パルガムにしがみつかれたまま、カミルが言った。
面白がるような表情で、目は笑い口角も上がっている。
俺は矛先をオグノワールに向けたまま、カミルの方にも目をやった。
「聞いているのはコイツとの関係だ。オグノワール、答えろ」
オグノワールはそれに答えず、代わりにカミルが言った。
「オグノワールさんは一応オレの命の恩人や。悪さするッちゅうんやったら、オレはそっちにつかなしゃあないで」
「お前はどのみち俺の敵だろうが?」
俺はカミルを睨み付けた。
カミルが口走った言葉で、警戒心が上昇する。
パルガムの方は、がっしりとカミルの体にしがみついたままだ。危機感は感じないらしい。
カミルの方が必死でパルガムを引き剥がそうとしている。
「離せって言うてるねん!離しぃ!」
腕でパルガムの衣装を引っ張り、かなり乱暴に扱っている。
俺はオグノワールの方に槍の矛先を変える。
苛立つのを抑えて言った。
「これはどういうことか、説明してもらえないか」
俺がそう言うと、ジルがオグノワールから離れた。
かといって俺の方にも戻ってこない。
離れた位置で事態を見極めようとしているようだ。
「あの日、私はこの街にいた」
唐突なオグノワールの告白。
なんのことかもわからない。
「あの日?」
オグノワールが独白のように続けた。
「ゼリュース、お前がこの街に戻った日のことだ。魔界から跳ばされて来た住人の一人が魔神と化したあの日、私はイルミナさまに命じられて街に来ていた」
『え?』
ジルが驚いたらしく、声をあげた。
イルミナ。
女神イルミナが住人の魔神化に気がついていたのは薄々わかっていたが。オグノワールを派遣していたのなら、
“じゃあ、どうしてあの日、助けてくれなかったんだ!”
飛び出して来たクラリスが叫んだ。
ジルにくっついてついてきていたらしい。
突如現れた精霊クラリスに詰め寄られ、オグノワールが言った。
「“エリヤ”が死に、“ゼリュース”として甦るのを見届ける。それが私に命じられた任務の一つだったからだ。甦ったゼリュースが魔神を討ちもらした場合に備えて派遣されたが、魔神はそこの魔獣の幼体によって滅せられた」
クラリスが納得しない顔のまま、口をつぐんだ。
ジルは思考が追い付かないのか、ポカンとした間抜けな表情でボーッとしている。
「あんたらの神さんも、ろくなもんとちゃうな」
パルガムにしがみつかれたまま、カミルが言った。
面白がるような表情で、目は笑い口角も上がっている。
俺は矛先をオグノワールに向けたまま、カミルの方にも目をやった。
「聞いているのはコイツとの関係だ。オグノワール、答えろ」
オグノワールはそれに答えず、代わりにカミルが言った。
「オグノワールさんは一応オレの命の恩人や。悪さするッちゅうんやったら、オレはそっちにつかなしゃあないで」
「お前はどのみち俺の敵だろうが?」
俺はカミルを睨み付けた。
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