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第一章
1話 名前
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“あ、目を開けましたよ!”『気がついたみたいだね』
眩しさに堪えかねて閉じていた目を開けると、知らないうちに意識が跳んでいたらしく、気がつくと倒れて仰向けに横たわっていた。
視界に現界のような空と雲、ヒトのような形をした小さな精霊が何匹も飛び回って誰かと話しているのが見える。
(なんだここは。空と雲、地面まであるじゃないか。天界じゃないのか、現界?)
俺の知識にある天界と一致しない。
天界というのは雲の上にあって、現界とはまるで違う構造のはずだ。
俺が戸惑っていると飛び回っているうちの1匹が俺の顔のすぐ前にやってきた。
エメラルド色で半透明な精霊だ。
『天界送りのサルティエラへようこそ!ボクの名前は“ジル”!サルティエラの案内人だよ!』
(サルティエラ?なんだ?聞いたことがないぞ)
『ここに現れたってことは、天界送りの魔界生まれのヒトだよね。キミの名は?まだ無いなら、名乗りたい名前を名乗ると良いよ!』
ジルと名乗った精霊はそう言いながら俺の周りを飛び回る。
(名前か。だが名乗りたい名前は思い付かない)
「適当に呼んでくれ。それを名前とする」
俺がそう言うとジルが即座に
『じゃあ、キミの名前はハンペン!』
「もうちょっとマシな名前がいい」
『キミ、わがままだね!自分が適当で良いって言ったばかりじゃないか』
「そうだが。ハンペンというのは現界の奇妙な食べ物の名前じゃないのか」
『奇妙とは失礼な!美味しいと噂の食べ物の立派な名称さ!』
どうやらこのジルという精霊に任せると食べ物の名前をつけられそうだ。
“ボク、シュトーレン” “わたしはコンペイトウ” “我はウドンなり”
(食べ物の名前でも別にかまいはしないけど、ハンペンは嫌だ。仕方ない)
「俺はエリヤだ。今後はこの名を使う」
生まれたばかりの俺を返り討ちにして食事を台無しにしてくれた人間の名前をそのまま取った名だ。
後になって考えてみれば、もっと用意周到に近づいて魂の契約で確実に仕留めておけば良かったと思うのだが、俺はそうしなかった。
そういう意味でナダが怒ったというのならわからなくもない。
生まれてすぐにナダの目に留まるくらいに俺の魔力は大きい。人間ごときに敗北するとは思わなかったというところだろう。
とはいえ逆恨みも甚だしいが、奴が賭けに敗けたってことは、俺が奴に多少は期待されたってことだ。
『了解したよ、よろしく!エリヤ!キミ、お腹空いてるでしょ、良ければこれを……うわぁ!』
(そうだった。食事が台無しになって、そのまま魔界王ナダに呼びつけられて俺はまだなにも食ってない!何か食わなければ)
俺は目の前にいるジルを掴んで口に入れようとして、はたと気がついた。
(そういえばここは天界だ。魔界とは異質の天界の魔力は俺にとって毒でしかない!ひょっとしてジルを食うと不味いのか?)
俺に掴まれたままでジルが、ヒトの良さそうな表情で空間から何か取り出した。
それは瓶に入った透明な液体だ。
『お腹が空いてるなら、まずこれを試してみてよ!ボクたちを食べるのは現時点の悪魔なキミにはおすすめできない!』
俺がジルを食べる気で捕まえたことがわかっていて言っているらしい。
“あ、目を開けましたよ!”『気がついたみたいだね』
眩しさに堪えかねて閉じていた目を開けると、知らないうちに意識が跳んでいたらしく、気がつくと倒れて仰向けに横たわっていた。
視界に現界のような空と雲、ヒトのような形をした小さな精霊が何匹も飛び回って誰かと話しているのが見える。
(なんだここは。空と雲、地面まであるじゃないか。天界じゃないのか、現界?)
俺の知識にある天界と一致しない。
天界というのは雲の上にあって、現界とはまるで違う構造のはずだ。
俺が戸惑っていると飛び回っているうちの1匹が俺の顔のすぐ前にやってきた。
エメラルド色で半透明な精霊だ。
『天界送りのサルティエラへようこそ!ボクの名前は“ジル”!サルティエラの案内人だよ!』
(サルティエラ?なんだ?聞いたことがないぞ)
『ここに現れたってことは、天界送りの魔界生まれのヒトだよね。キミの名は?まだ無いなら、名乗りたい名前を名乗ると良いよ!』
ジルと名乗った精霊はそう言いながら俺の周りを飛び回る。
(名前か。だが名乗りたい名前は思い付かない)
「適当に呼んでくれ。それを名前とする」
俺がそう言うとジルが即座に
『じゃあ、キミの名前はハンペン!』
「もうちょっとマシな名前がいい」
『キミ、わがままだね!自分が適当で良いって言ったばかりじゃないか』
「そうだが。ハンペンというのは現界の奇妙な食べ物の名前じゃないのか」
『奇妙とは失礼な!美味しいと噂の食べ物の立派な名称さ!』
どうやらこのジルという精霊に任せると食べ物の名前をつけられそうだ。
“ボク、シュトーレン” “わたしはコンペイトウ” “我はウドンなり”
(食べ物の名前でも別にかまいはしないけど、ハンペンは嫌だ。仕方ない)
「俺はエリヤだ。今後はこの名を使う」
生まれたばかりの俺を返り討ちにして食事を台無しにしてくれた人間の名前をそのまま取った名だ。
後になって考えてみれば、もっと用意周到に近づいて魂の契約で確実に仕留めておけば良かったと思うのだが、俺はそうしなかった。
そういう意味でナダが怒ったというのならわからなくもない。
生まれてすぐにナダの目に留まるくらいに俺の魔力は大きい。人間ごときに敗北するとは思わなかったというところだろう。
とはいえ逆恨みも甚だしいが、奴が賭けに敗けたってことは、俺が奴に多少は期待されたってことだ。
『了解したよ、よろしく!エリヤ!キミ、お腹空いてるでしょ、良ければこれを……うわぁ!』
(そうだった。食事が台無しになって、そのまま魔界王ナダに呼びつけられて俺はまだなにも食ってない!何か食わなければ)
俺は目の前にいるジルを掴んで口に入れようとして、はたと気がついた。
(そういえばここは天界だ。魔界とは異質の天界の魔力は俺にとって毒でしかない!ひょっとしてジルを食うと不味いのか?)
俺に掴まれたままでジルが、ヒトの良さそうな表情で空間から何か取り出した。
それは瓶に入った透明な液体だ。
『お腹が空いてるなら、まずこれを試してみてよ!ボクたちを食べるのは現時点の悪魔なキミにはおすすめできない!』
俺がジルを食べる気で捕まえたことがわかっていて言っているらしい。
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