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第一章
7話 サルティエラの宝物庫
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□□
『ちょこまかと逃げ隠れおって!何処だぁあ!』
エリヤを見失ってヤカン魔神が足で滅茶苦茶に地面を踏みつける。手当たり次第に攻撃することでダメージを与えてやろうという腹積もりらしい。
「ちっ、隠れてるわけじゃねぇ。好きなこと言いやがって」
それをかわしながら、少しずつエリヤは街の中心部まで移動していた。逃げ回っている実態が腹立たしかったが、つまらない自尊心で敗けるわけにはいかないという思いが強い。
おかげでサルティエラの街の家や建物がどんどん壊されていく。
『なにしやがるこのヤカン!』
『きゃーーー!』
『うわーー!』
事情がまだ良くわかっていない住人がパニックになって逃げ回っているが、俺は身を守っているだけで、知ったことではない。
ヤカン魔神にとっても俺にとっても、天界生まれの住人は毒にしかならないから食ったりはしない。
(ハッキリ魔界生まれの俺に的を絞ってやがるからな)
読みが正しければ、街の何処かにあるはずのものを俺は探す。
─俺が最初に食うつもりだった人間。
アイツは剣で俺を魔界へ送り返しやがった。
(何処だ、絶対にあるはずだ。ここが現界へ還るための演習みたいな場所ならあるんじゃないのか。そうでなくても魔界生まれを受け入れるからには、こうした事態を想定した手立てくらい用意するだろう!)
まさか上まで能天気なお人好しってことはないと信じたい。
俺は目に留まった住人を一人、取っ捕まえて聞いた。
ろくに逃げずに避難なんかを呼び掛けてる、お人好しのジルたちと同じ匂いがする、ちょっと気持ちが悪い奴だが仕方ない。
「武器だ!あのヤカン魔神をぶっ倒せる武器とかがあるんじゃないのか!何でも良い!」
『あ、あんた、あのヤカンの化け物と戦うつもりかい?!わ、われわれのために!』
数人がエリヤたちのやり取りに気がついた。
『何だって?!危険だよ!』
「危険だろうと関係ない。武器があるなら何処にあるか教えてくれ」
どうも話がこんがらがってるかもしれないが、とりあえず奴と戦える武器が欲しい。
すると別の住人が、魔神と戦う武器を探していると聞き付けて混乱の中駆けつけてきた。
『こっちへ来てくれ!万が一住人が暴走したときのため、天使長から我々が戦えるようにと授かった武器と防具を納めた宝物庫がある!』
エリヤは思わず、なら戦えよと言いそうになったが止めた。
どう見ても戦い向きじゃなく、良く今まで魔界の住人と暮らして平気だったなと思うくらい弱そうだったからだ。
「いや、そういう特殊そうな武器じゃなくて良い」
武器が欲しいとは言ったが。
(天使長が授けるような、もろ天界製品なんか俺が使って大丈夫なのか?)
とはいえ巨大化しすぎてヤカン魔神ハテナが俺を見失っている間の今のうちに武器が欲しい。
俺にとって諸刃の剣なら、奴にとっても大ダメージは間違いない。これは絶好の機会をえたと考えることも出来る。
(一か八かやってやる!)
意を決して、武器のありかを教えるという住人に付いていくことに決めた。
エリヤにとってヤカン魔神が巨大化を解いて魔導術を使ってくるほうが厄介だったが、魔界の王に成り代わろうとするだけあって、魔神は巨大化して周辺を蹂躙するほうが好みらしいのが好都合だった。
(あの巨体で魔力を操作して魔導術を使われるのも困るが、おそらく巨大化を維持するせいで、繊細な魔力操作をする余裕が奴にはない)
『ちょこまかと逃げ隠れおって!何処だぁあ!』
エリヤを見失ってヤカン魔神が足で滅茶苦茶に地面を踏みつける。手当たり次第に攻撃することでダメージを与えてやろうという腹積もりらしい。
「ちっ、隠れてるわけじゃねぇ。好きなこと言いやがって」
それをかわしながら、少しずつエリヤは街の中心部まで移動していた。逃げ回っている実態が腹立たしかったが、つまらない自尊心で敗けるわけにはいかないという思いが強い。
おかげでサルティエラの街の家や建物がどんどん壊されていく。
『なにしやがるこのヤカン!』
『きゃーーー!』
『うわーー!』
事情がまだ良くわかっていない住人がパニックになって逃げ回っているが、俺は身を守っているだけで、知ったことではない。
ヤカン魔神にとっても俺にとっても、天界生まれの住人は毒にしかならないから食ったりはしない。
(ハッキリ魔界生まれの俺に的を絞ってやがるからな)
読みが正しければ、街の何処かにあるはずのものを俺は探す。
─俺が最初に食うつもりだった人間。
アイツは剣で俺を魔界へ送り返しやがった。
(何処だ、絶対にあるはずだ。ここが現界へ還るための演習みたいな場所ならあるんじゃないのか。そうでなくても魔界生まれを受け入れるからには、こうした事態を想定した手立てくらい用意するだろう!)
まさか上まで能天気なお人好しってことはないと信じたい。
俺は目に留まった住人を一人、取っ捕まえて聞いた。
ろくに逃げずに避難なんかを呼び掛けてる、お人好しのジルたちと同じ匂いがする、ちょっと気持ちが悪い奴だが仕方ない。
「武器だ!あのヤカン魔神をぶっ倒せる武器とかがあるんじゃないのか!何でも良い!」
『あ、あんた、あのヤカンの化け物と戦うつもりかい?!わ、われわれのために!』
数人がエリヤたちのやり取りに気がついた。
『何だって?!危険だよ!』
「危険だろうと関係ない。武器があるなら何処にあるか教えてくれ」
どうも話がこんがらがってるかもしれないが、とりあえず奴と戦える武器が欲しい。
すると別の住人が、魔神と戦う武器を探していると聞き付けて混乱の中駆けつけてきた。
『こっちへ来てくれ!万が一住人が暴走したときのため、天使長から我々が戦えるようにと授かった武器と防具を納めた宝物庫がある!』
エリヤは思わず、なら戦えよと言いそうになったが止めた。
どう見ても戦い向きじゃなく、良く今まで魔界の住人と暮らして平気だったなと思うくらい弱そうだったからだ。
「いや、そういう特殊そうな武器じゃなくて良い」
武器が欲しいとは言ったが。
(天使長が授けるような、もろ天界製品なんか俺が使って大丈夫なのか?)
とはいえ巨大化しすぎてヤカン魔神ハテナが俺を見失っている間の今のうちに武器が欲しい。
俺にとって諸刃の剣なら、奴にとっても大ダメージは間違いない。これは絶好の機会をえたと考えることも出来る。
(一か八かやってやる!)
意を決して、武器のありかを教えるという住人に付いていくことに決めた。
エリヤにとってヤカン魔神が巨大化を解いて魔導術を使ってくるほうが厄介だったが、魔界の王に成り代わろうとするだけあって、魔神は巨大化して周辺を蹂躙するほうが好みらしいのが好都合だった。
(あの巨体で魔力を操作して魔導術を使われるのも困るが、おそらく巨大化を維持するせいで、繊細な魔力操作をする余裕が奴にはない)
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