11 / 17
11
しおりを挟む
「サーシャが君の護衛騎士を外れることになった。」
父アイザック・フィルア・ルディスラから唐突に告げられ、リリアナは困惑した。
「え・・・?お父様、何を言っているのですか?」
「そのままの意味だ。リリアナはそなたの護衛騎士を外れ、軍所属の精霊術師になることが決まった。」
続けられたアイザックの言葉にリリアナは目を瞬かせた。
「どうして・・・?どうしてこんな急に決まったのですか?もとから決まっていたわけではないのですよね?」
「サーシャはあの悪名高いブライド公爵家の次女だった。」
そして告げられたサーシャの出自にリリアナは驚いた。
「確かにサーシャの本名はサーシャ・ブライドですが我が国にもブライド伯爵なるものがいますわ。そこの出身なのではないのですか?」
真実を認めることができずリリアナは言い募る。
「本人がブライド公爵家出身だと認めた。」
「そんな・・・!!」
リリアナは手で顔を覆う。
それほどまでにショックだった。
大好きなサーシャが悪名高いブライド公爵家の一員だなんて、とリリアナは嘆いた。
「それで、だ。本人と話し合った結果サーシャはブライド公爵家との絶縁を望んでいた。よって、今のサーシャはブライド公爵家とは何も関係はない。ブライド公爵家の一員でもない。」
アイザックの言葉にリリアナは顔をあげた。
「本当・・・ですか?でも、それならどうして軍なのですか?」
もっともな質問を投げかけるリリアナにアイザックは言う。
「サーシャはリリアナが幼いころからずっと仕えてきた。それ以前はハルにも、だ。ハルの場合は師事していたの方が適切かもしれない。そして悪名高いとはいえブライド公爵家はフェデナント王国の王室の血を少しばかりだが継いでいる。王家の血筋の者を平民として放置はできない。だからサーシャを女伯爵にすることにした。しかし貴族の当主になった者は皇族の専属護衛騎士とはなれない。昔から決まっていることだから変えようがない。だからサーシャがリリアナの護衛騎士を離れることになったと言ったんだよ。」
「そういう・・・ことですか。この後サーシャはどうするのですか?」
「それより自分の護衛騎士の心配をした方が良いと思うよ。サーシャはハルの直属の部下になる。精霊術師として、領主として地方の土地をあげることになった。あまり登城は出来ないだろうね。」
「ということは会えるのはパーティーのときだけ・・・。」
寂しそうな表情でリリアナはサーシャを見た。
「リリアナ様、護衛騎士の座を離れる私を許してください。」
サーシャは頭を下げた。
「許すわ。それが今の最善なのだから。」
リリアナは涙ながらに微笑んだ。
そしてサーシャが退室し、謁見の間に残されたのは皇帝アイザック・フィルア・ルディスラと第七皇女リリアナ・フィルア・ルディスラ、そして見覚えのない女性だった。
「最後にリリアナの新しい護衛騎士を紹介しよう。」
アイザックの言葉と同時に女性が前に出る。
「リリアナ様、お初にお目にかかります。イレーナ侯爵家長女にて昨年騎士学校を卒業したミフェルナ・イレーナと申します。」
「ミフェルナは騎士学校を首席で卒業した天才騎士だ。」
補足としてアイザックが言葉を付け足す。
「ミフェルナさん、よろしくお願いね?」
リリアナが微笑むとミフェルナは忠誠の礼をとった。
謁見の間から出て、リリアナはミフェルナを引き連れて自分の宮に戻る道を歩きながら、ミフェルナに話しかけた。
「騎士学校を首席で卒業するだなんてすごいわね。」
「おほめにあずかり光栄です。」
あくまで主と護衛の立場を崩さないようにするミフェルナにリリアナは一つだけ自分の要望を言った。
「このことはサーシャにも言っていたのだけど、その、護衛と主みたいな線引きをしないで欲しいの。」
「・・・と言うと?」
「そのままの意味よ。もう少し気軽に接してほしい、それだけなの。」
リリアナの言葉にミフェルナは顔を顰めて考え込む。
そして、一言。
「善処します。」
――――――――――――――――――――――――――
10話で皇帝の名前が間違っていたのでなおしました。誤字脱字多くてすみません。
テストが終わりましたので今日からは普通に更新していけたらいいなと思います。
父アイザック・フィルア・ルディスラから唐突に告げられ、リリアナは困惑した。
「え・・・?お父様、何を言っているのですか?」
「そのままの意味だ。リリアナはそなたの護衛騎士を外れ、軍所属の精霊術師になることが決まった。」
続けられたアイザックの言葉にリリアナは目を瞬かせた。
「どうして・・・?どうしてこんな急に決まったのですか?もとから決まっていたわけではないのですよね?」
「サーシャはあの悪名高いブライド公爵家の次女だった。」
そして告げられたサーシャの出自にリリアナは驚いた。
「確かにサーシャの本名はサーシャ・ブライドですが我が国にもブライド伯爵なるものがいますわ。そこの出身なのではないのですか?」
真実を認めることができずリリアナは言い募る。
「本人がブライド公爵家出身だと認めた。」
「そんな・・・!!」
リリアナは手で顔を覆う。
それほどまでにショックだった。
大好きなサーシャが悪名高いブライド公爵家の一員だなんて、とリリアナは嘆いた。
「それで、だ。本人と話し合った結果サーシャはブライド公爵家との絶縁を望んでいた。よって、今のサーシャはブライド公爵家とは何も関係はない。ブライド公爵家の一員でもない。」
アイザックの言葉にリリアナは顔をあげた。
「本当・・・ですか?でも、それならどうして軍なのですか?」
もっともな質問を投げかけるリリアナにアイザックは言う。
「サーシャはリリアナが幼いころからずっと仕えてきた。それ以前はハルにも、だ。ハルの場合は師事していたの方が適切かもしれない。そして悪名高いとはいえブライド公爵家はフェデナント王国の王室の血を少しばかりだが継いでいる。王家の血筋の者を平民として放置はできない。だからサーシャを女伯爵にすることにした。しかし貴族の当主になった者は皇族の専属護衛騎士とはなれない。昔から決まっていることだから変えようがない。だからサーシャがリリアナの護衛騎士を離れることになったと言ったんだよ。」
「そういう・・・ことですか。この後サーシャはどうするのですか?」
「それより自分の護衛騎士の心配をした方が良いと思うよ。サーシャはハルの直属の部下になる。精霊術師として、領主として地方の土地をあげることになった。あまり登城は出来ないだろうね。」
「ということは会えるのはパーティーのときだけ・・・。」
寂しそうな表情でリリアナはサーシャを見た。
「リリアナ様、護衛騎士の座を離れる私を許してください。」
サーシャは頭を下げた。
「許すわ。それが今の最善なのだから。」
リリアナは涙ながらに微笑んだ。
そしてサーシャが退室し、謁見の間に残されたのは皇帝アイザック・フィルア・ルディスラと第七皇女リリアナ・フィルア・ルディスラ、そして見覚えのない女性だった。
「最後にリリアナの新しい護衛騎士を紹介しよう。」
アイザックの言葉と同時に女性が前に出る。
「リリアナ様、お初にお目にかかります。イレーナ侯爵家長女にて昨年騎士学校を卒業したミフェルナ・イレーナと申します。」
「ミフェルナは騎士学校を首席で卒業した天才騎士だ。」
補足としてアイザックが言葉を付け足す。
「ミフェルナさん、よろしくお願いね?」
リリアナが微笑むとミフェルナは忠誠の礼をとった。
謁見の間から出て、リリアナはミフェルナを引き連れて自分の宮に戻る道を歩きながら、ミフェルナに話しかけた。
「騎士学校を首席で卒業するだなんてすごいわね。」
「おほめにあずかり光栄です。」
あくまで主と護衛の立場を崩さないようにするミフェルナにリリアナは一つだけ自分の要望を言った。
「このことはサーシャにも言っていたのだけど、その、護衛と主みたいな線引きをしないで欲しいの。」
「・・・と言うと?」
「そのままの意味よ。もう少し気軽に接してほしい、それだけなの。」
リリアナの言葉にミフェルナは顔を顰めて考え込む。
そして、一言。
「善処します。」
――――――――――――――――――――――――――
10話で皇帝の名前が間違っていたのでなおしました。誤字脱字多くてすみません。
テストが終わりましたので今日からは普通に更新していけたらいいなと思います。
15
あなたにおすすめの小説
婚約者は嘘つき!私から捨ててあげますわ
あんり
恋愛
「マーティン様、今、わたくしと婚約破棄をなさりたいと、そうおっしゃいましたの?」
愛されていると信じていた婚約者から、突然の別れを告げられた侯爵令嬢のエリッサ。
理由も分からないまま社交界の噂に晒され、それでも彼女は涙を見せず、誇り高く微笑んでみせる。
―――けれど本当は、あの別れの裏に“何か”がある気がしてならなかった。
そんな中、従兄である第二王子アダムが手を差し伸べる。
新たな婚約、近づく距離、揺れる心。
だがエリッサは知らない。
かつての婚約者が、自ら悪者になってまで隠した「真実」を。
捨てられた令嬢?いいえ違いますわ。
わたくしが、未来を選び直すの。
勘違いとすれ違いから始まる、切なくて優しい恋の物語。
妻よりも幼馴染が大事? なら、家と慰謝料はいただきます
佐藤 美奈
恋愛
公爵令嬢セリーヌは、隣国の王子ブラッドと政略結婚を果たし、幼い娘クロエを授かる。結婚後は夫の王領の離宮で暮らし、義王家とも程よい関係を保ち、領民に親しまれながら穏やかな日々を送っていた。
しかし数ヶ月前、ブラッドの幼馴染である伯爵令嬢エミリーが離縁され、娘アリスを連れて実家に戻ってきた。元は豊かな家柄だが、母子は生活に困っていた。
ブラッドは「昔から家族同然だ」として、エミリー母子を城に招き、衣装や馬車を手配し、催しにも同席させ、クロエとアリスを遊ばせるように勧めた。
セリーヌは王太子妃として堪えようとしたが、だんだんと不満が高まる。
婚約破棄されてしまいました。別にかまいませんけれども。
ココちゃん
恋愛
よくある婚約破棄モノです。
ざまぁあり、ピンク色のふわふわの髪の男爵令嬢ありなやつです。
短編ですので、サクッと読んでいただけると嬉しいです。
なろうに投稿したものを、少しだけ改稿して再投稿しています。
なろうでのタイトルは、「婚約破棄されました〜本当に宜しいのですね?」です。
どうぞよろしくお願いしますm(._.)m
夫に愛想が尽きたので離婚します
しゃーりん
恋愛
次期侯爵のエステルは、3年前に結婚した夫マークとの離婚を決意した。
マークは優しいがお人好しで、度々エステルを困らせたが我慢の限界となった。
このままマークがそばに居れば侯爵家が馬鹿にされる。
夫を捨ててスッキリしたお話です。
幼馴染、幼馴染、そんなに彼女のことが大切ですか。――いいでしょう、ならば、婚約破棄をしましょう。~病弱な幼馴染の彼女は、実は……~
銀灰
恋愛
テリシアの婚約者セシルは、病弱だという幼馴染にばかりかまけていた。
自身で稼ぐこともせず、幼馴染を庇護するため、テシリアに金を無心する毎日を送るセシル。
そんな関係に限界を感じ、テリシアはセシルに婚約破棄を突き付けた。
テリシアに見捨てられたセシルは、てっきりその幼馴染と添い遂げると思われたが――。
その幼馴染は、道化のようなとんでもない秘密を抱えていた!?
はたして、物語の結末は――?
次に貴方は、こう言うのでしょう?~婚約破棄を告げられた令嬢は、全て想定済みだった~
キョウキョウ
恋愛
「おまえとの婚約は破棄だ。俺は、彼女と一緒に生きていく」
アンセルム王子から婚約破棄を告げられたが、公爵令嬢のミレイユは微笑んだ。
睨むような視線を向けてくる婚約相手、彼の腕の中で震える子爵令嬢のディアヌ。怒りと軽蔑の視線を向けてくる王子の取り巻き達。
婚約者の座を奪われ、冤罪をかけられようとしているミレイユ。だけど彼女は、全く慌てていなかった。
なぜなら、かつて愛していたアンセルム王子の考えを正しく理解して、こうなることを予測していたから。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
婚約破棄?どうぞ私がいなくなったことを後悔してください
ちょこ
恋愛
「おい! この婚約は破棄だ!」
そう、私を突き付けたのはこの国の第二王子であるルーシュである。
しかし、私の婚約者であるルーシュは私の返事など聞かずにただ一方的に婚約を破棄してきたのである。
「おい! 返事をしろ! 聞こえないのか?」
聞こえないわけがない。けれども私は彼に返事をするつもりはなかった。私は何も言わない。否、何も言えないのだ。だって私は彼のことを何も知らないからだ。だから、返事ができないのである。
そんな私が反応を示さなかったのが面白くなかったのかルーシュは私を睨みつけて、さらに罵声を浴びせてきた。
「返事をしろと言っている! 聞こえているんだろ! おい!」
そんな暴言を吐いてくるルーシュに私は何も言えずにいた。けれども彼が次に発した言葉により私は反射的に彼に言い返してしまうのである。
「聞こえているわ!
その反応を見てルーシュは驚いたのかキョトンとした顔をしていた。しかしすぐにまた私に暴言を吐いてきた。
「聞こえているじゃないか! ならなぜ、返事をしなかった?」
「返事をしたかったわ! けれど、貴方の勢いに圧倒されてできなかっただけよ!」
そんな私の言葉にルーシュは益々驚いてしまったようだった。そのルーシュの顔を見て私は少し笑ってしまった。
「何笑っているんだ? 俺を馬鹿にしたつもりか!?」
そんなつもりは無いと私は彼に否定するが彼は聞く耳を持たないといった様子だった。そんな彼に対して私はある質問をした。それは今私が最も知りたい質問である。
「それより、この婚約破棄の理由は何かしら? 私は貴方に何かした覚えはないのだけれども」
そんな私の疑問にルーシュはさも当然といった様子で答えたのである。
「そんな理由など決まっているだろ! お前が俺よりも優秀な人材を捕まえたからに決まっている!」
そう言って彼は指をさした。その指が指し示している先には私がいた。一瞬なんのことか分からなかったが、少ししてからそのことに気づいた私はまさかと思った。
「そんな理由で!?だってその優秀な人材と言うのはまさか、彼なの!?」
そう言って私が指を指した方向にはあの眼鏡を掛けた彼がいた。すると彼は頭を下げてこう言ったのだ。
「はい、お嬢様に拾っていただきたくこちらに来ました」
彼の名前はリビン・ボタスキー。ボタスキー伯爵家の次男である。そして何を隠そう、私が暇つぶしでやっていたゲームの攻略対象であった人物だ。
「あら? そんな理由で私を追い出したと言うの? 随分と小さい器をお持ちなのね」
「なんだと!? お前は自分の立場が分かっていないのか?」
彼は私が何を言っているのか理解出来ていない様子だった。まぁ、それも仕方がないだろう。
【完結】私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜
くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。
味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。
――けれど、彼らは知らなかった。
彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。
すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、
復讐ではなく「関わらない」という選択。
だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる