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1章
4話 求婚
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「我と結婚してはくれまいか?」
「へ?」
アイリスは魔王、リブッル・ガイランスの予想外の言葉にポカンとした。
「いやいや。何を言っているんですか?私なんかが、魔王陛下と結婚?じょ、冗談はやめてくださいよ!」
ことごとく断られたリブッル・ガイランスは残念そうな顔をした。
「お父様。わたくしは下がらせていただきます!」
「え?ああ。よかろう。」
皇帝はアイリスの真剣な表情にドン引きしながらもアイリスの勢いに押されて頷いてしまった。
アイリスはこれ幸いとリブッル・ガイランスに一礼してスキップするような勢いで去っていった。
「皇帝。何故、アイリス王女を帰した?」
「ヒッ!!いや、申し訳ございません!勢いに押されてしまいまして!」
「我の番なのだぞ?」
「つ、番?そんなアイリスが?恐れ多い。冗談はやめてくださいよ。」
「親子だな。」
魔王、リブッル・ガイランスはそう呟くと皇帝に背を向け大広間を出ていった。
「皇帝陛下。あのままにして大丈夫何ですか?」
「魔王陛下のことだ。番を無理矢理連れて帰ろうするかもしれん。見つからぬよう、見張りをつけておけ。何かあったときようにワシの護衛も連れていけ。」
「はっ。仰せままに。」
皇帝に声をかけた女性はすぐに去っていった。
「おりました。魔王陛下です。気づかれぬように近づきましょう。」
「はい。」
小声で会話する国王直属の騎士と洗練された魔法の使い手。魔王は何かに気づいたかのように振り返った。
「何者だ?余に用があるのか?」
「・・・。」
騎士と洗練された魔法の使い手はギクリと肩を震わせた。魔王は無言で彼らに近づいてきた。
「そなたらを見逃すかわりにアイリスの私室を教えてはくれまいか?」
「教えます!こ、この先をまっすぐ行った、一番奥の部屋です!」
「教えてくれたこと礼をいう。」
リブッル・ガイランスは上から目線の礼を言うと教えてくれたアイリスの私室へと歩いて行った。
「へ?」
アイリスは魔王、リブッル・ガイランスの予想外の言葉にポカンとした。
「いやいや。何を言っているんですか?私なんかが、魔王陛下と結婚?じょ、冗談はやめてくださいよ!」
ことごとく断られたリブッル・ガイランスは残念そうな顔をした。
「お父様。わたくしは下がらせていただきます!」
「え?ああ。よかろう。」
皇帝はアイリスの真剣な表情にドン引きしながらもアイリスの勢いに押されて頷いてしまった。
アイリスはこれ幸いとリブッル・ガイランスに一礼してスキップするような勢いで去っていった。
「皇帝。何故、アイリス王女を帰した?」
「ヒッ!!いや、申し訳ございません!勢いに押されてしまいまして!」
「我の番なのだぞ?」
「つ、番?そんなアイリスが?恐れ多い。冗談はやめてくださいよ。」
「親子だな。」
魔王、リブッル・ガイランスはそう呟くと皇帝に背を向け大広間を出ていった。
「皇帝陛下。あのままにして大丈夫何ですか?」
「魔王陛下のことだ。番を無理矢理連れて帰ろうするかもしれん。見つからぬよう、見張りをつけておけ。何かあったときようにワシの護衛も連れていけ。」
「はっ。仰せままに。」
皇帝に声をかけた女性はすぐに去っていった。
「おりました。魔王陛下です。気づかれぬように近づきましょう。」
「はい。」
小声で会話する国王直属の騎士と洗練された魔法の使い手。魔王は何かに気づいたかのように振り返った。
「何者だ?余に用があるのか?」
「・・・。」
騎士と洗練された魔法の使い手はギクリと肩を震わせた。魔王は無言で彼らに近づいてきた。
「そなたらを見逃すかわりにアイリスの私室を教えてはくれまいか?」
「教えます!こ、この先をまっすぐ行った、一番奥の部屋です!」
「教えてくれたこと礼をいう。」
リブッル・ガイランスは上から目線の礼を言うと教えてくれたアイリスの私室へと歩いて行った。
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