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精神病院
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その後、アメリアはすぐに精神病院に入れられた。家がある町からずっと離れた精神病院だった。だけどそこは精神病院とは名ばかりの家族に疎まれたり、家族に無理やり入れられた正常な人たちがいるところだった。一応医師、看護師いるものの怪我や病気になったときに見てもらうだけ。仲間と協力して庭で作物を栽培し、井戸から水を汲み生活していた。1週間に1度だけ商人が肉や魚を売りに来る。ほぼ精神病院の中だけで完結する世界だった。
アメリアはそこでカンナと言う女性と、リクという少年と仲良くなった。他の患者さんとの仲も良好で、アメリアは全員に自分がこの精神病院に来るきっかけになったあの出来事を話していた。全員が妹が悪いと言い、アメリアをかばった。たとえそれが嘘だったとしてもやっと肯定してくれる人を見つけたことでアメリアはようやく救われた気がした。
「アメリア、今日の野菜はニンジンと玉ねぎ、カボチャだって。」
カンナが厨房係から聞いてきた注文をアメリアに伝える。
「おー、もしかしてカレー?」
「そうそう。今日お肉買ったらしいから。」
「商人、来てたんだ。」
アメリアが驚くとカンナが苦笑いした。
「受付係以外は商人と会わないもんね。私も厨房係の子から経由で聞いて。やったねって。」
「本当にそれ。カレーっていうことは2日分持ってけばいいね。」
「アメリアって本当に気が利くよね。こんな優しくて素敵なお姉さんなのに妹さん何やってるんだろうね。馬鹿なのかな・・・。」
アメリアは苦笑いして、そのまま食糧庫に行った。商人は肉、魚以外にも野菜も売ってくれるため買えるときに買っておくのだ。野菜をもって厨房に入ると厨房係のアンナが待っていた。
「あ、ありがとう。ちゃんと2日分持ってきてくれたんだ。さっすがぁ。」
アンナはさっそく野菜を切り始めた。アメリアはそのままの足で庭に行き、庭に干している女性分の洗濯物を取り込んだ。
「レイラ!洗濯物たたむよー!」
中に呼びかけるとまだ13歳の少女レイラが走ってきた。中に入り一番近くに部屋でたたむ。
「アメリアお姉ちゃんのたたみ方上手だよね。」
レイラの無邪気な笑顔にアメリアは癒された。
「家にいるときはね、洗濯物を干すのもたたむのも、料理を作るのも私の役目だったから。一通り家事はできるよ。」
「すごーい!尊敬する。レイラもアメリアお姉ちゃんみたいになりたいなぁ。」
レイラの言葉にアメリアは微笑んだ。
「レイラー!いる?お片付け終わってないよー!」
レイラを呼ぶ声が聞こえ、アメリアは言った。
「レイラ、行ってきていいよ。お片付け終わったら庭の花に水やりお願いしてもいいかな?」
「うん!」
レイラはかけて行った。洗濯物をたたみ終わったアメリアはそれぞれの人の籠に洗濯物をいれていった。
「お、アメリア。レイ見なかったか?」
その時リクが部屋に入ってきた。
「見てないよ。また木登りでもしてるんじゃないかな?どうしたの?」
「あー、洗濯物洗い終わったから干すの手伝ってほしくて。」
「あー、男物か。ヴェインはいないの?」
アメリアの問いにリクは首を振った。
「今、厨房係のアンナのところに入り浸ってる。」
「またぁ?もう何回アンナに断られてるのよ。諦めたらいいのに。」
「本当にね。」
そこにレイが現れた。
「リク、洗濯物終わった?」
「あ、レイ。どこにいたんだよ。今から干すよ。」
「へーい。」
2人はそろって庭へと歩いて行った。とても楽しく充実した日々だとアメリアは思った。こんな日々がいつまでも続けばいいのにと願った。だけどそんな日々はたった2年で終わりを迎えた。
アメリアはそこでカンナと言う女性と、リクという少年と仲良くなった。他の患者さんとの仲も良好で、アメリアは全員に自分がこの精神病院に来るきっかけになったあの出来事を話していた。全員が妹が悪いと言い、アメリアをかばった。たとえそれが嘘だったとしてもやっと肯定してくれる人を見つけたことでアメリアはようやく救われた気がした。
「アメリア、今日の野菜はニンジンと玉ねぎ、カボチャだって。」
カンナが厨房係から聞いてきた注文をアメリアに伝える。
「おー、もしかしてカレー?」
「そうそう。今日お肉買ったらしいから。」
「商人、来てたんだ。」
アメリアが驚くとカンナが苦笑いした。
「受付係以外は商人と会わないもんね。私も厨房係の子から経由で聞いて。やったねって。」
「本当にそれ。カレーっていうことは2日分持ってけばいいね。」
「アメリアって本当に気が利くよね。こんな優しくて素敵なお姉さんなのに妹さん何やってるんだろうね。馬鹿なのかな・・・。」
アメリアは苦笑いして、そのまま食糧庫に行った。商人は肉、魚以外にも野菜も売ってくれるため買えるときに買っておくのだ。野菜をもって厨房に入ると厨房係のアンナが待っていた。
「あ、ありがとう。ちゃんと2日分持ってきてくれたんだ。さっすがぁ。」
アンナはさっそく野菜を切り始めた。アメリアはそのままの足で庭に行き、庭に干している女性分の洗濯物を取り込んだ。
「レイラ!洗濯物たたむよー!」
中に呼びかけるとまだ13歳の少女レイラが走ってきた。中に入り一番近くに部屋でたたむ。
「アメリアお姉ちゃんのたたみ方上手だよね。」
レイラの無邪気な笑顔にアメリアは癒された。
「家にいるときはね、洗濯物を干すのもたたむのも、料理を作るのも私の役目だったから。一通り家事はできるよ。」
「すごーい!尊敬する。レイラもアメリアお姉ちゃんみたいになりたいなぁ。」
レイラの言葉にアメリアは微笑んだ。
「レイラー!いる?お片付け終わってないよー!」
レイラを呼ぶ声が聞こえ、アメリアは言った。
「レイラ、行ってきていいよ。お片付け終わったら庭の花に水やりお願いしてもいいかな?」
「うん!」
レイラはかけて行った。洗濯物をたたみ終わったアメリアはそれぞれの人の籠に洗濯物をいれていった。
「お、アメリア。レイ見なかったか?」
その時リクが部屋に入ってきた。
「見てないよ。また木登りでもしてるんじゃないかな?どうしたの?」
「あー、洗濯物洗い終わったから干すの手伝ってほしくて。」
「あー、男物か。ヴェインはいないの?」
アメリアの問いにリクは首を振った。
「今、厨房係のアンナのところに入り浸ってる。」
「またぁ?もう何回アンナに断られてるのよ。諦めたらいいのに。」
「本当にね。」
そこにレイが現れた。
「リク、洗濯物終わった?」
「あ、レイ。どこにいたんだよ。今から干すよ。」
「へーい。」
2人はそろって庭へと歩いて行った。とても楽しく充実した日々だとアメリアは思った。こんな日々がいつまでも続けばいいのにと願った。だけどそんな日々はたった2年で終わりを迎えた。
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