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婚約破棄

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レイナ・ダンプートはアシェリナ王国のダンプート侯爵令嬢だ。

隣国テルラジア王国に留学に来ていた。

その理由としては婚約者であるテルラジア王国第一王子パトリクス・テルラジアとの仲を深めること。

しかし、レイナが実際に行ってみれば、パトリクスが通う学園は身分の平等を売りにした王立学園だった。

平民は馴れ馴れしく王族であるパトリクスに話しかける。

そして、レイナが恐れていたことが起きてしまった。

パトリクスがとある男爵令嬢と恋に落ちてしまった。

婚約者であるレイナを放置し、遊び惚けるパトリクスにレイナは心底呆れていた。

そして、テルラジア王国の王立学園で学べる勉強の質の低さに驚いた。



そして、今日。レイナはパトリクスに婚約破棄されていた。

それもテルラジア王国国王陛下と王妃殿下の前で。

「レイナ・ダンプート!貴様との婚約を破棄する!!」

やっとか、とため息をついたレイナの耳にとんでもない一言がとんだ。

「お前は私の愛するミルアを虐めた!そんな性悪女など王妃の座にふさわしくない!よって婚約破棄する。そして王国から国外追放とする!」

その場が静まりかえり、両陛下が顔面蒼白になるのをレイナは見たが、気にせずパトリクスに言った。

「婚約破棄、承知いたしました。」

ゆっくりとカーテシーをしたレイナは続けて言う。

「ですが、よろしいのですね。私を国外追放すればどうなるのかご存じありませんか?」

「知るか!!貴様のような隣国の貴族など何も怖くはない!」

「そうですか。それなら良いのです。では、今の言葉お忘れなきよう。」

レイナは足早にその場を去る。

「お前は、一体、なんていうことをしてくれたんだ。」

レイナが去った後すぐ、国王がパトリクスの頬を張った。

「ちち、うえ?」

きょとんとするパトリクスに国王は言い放った。

「レイナ嬢の実家、ダンプート侯爵家は外交を任されている一族だ。それもレイナ嬢の祖母は帝国の皇女殿下だ。レイナ嬢の母君はアシェリナ王国の王妹だぞ!国家間の問題二発展する可能性もあるんだぞ!!」







「レイナ、話は聞いていた。大変だったな。」

ダンプート侯爵家に戻ってきたレイナを出迎えたのはダンプート侯爵とダンプート侯爵夫人。

「次の婚約はまともなやつと結ぼう。お前も嫌だろう?もう一度、同じ思いをするのは。」

ダンプート侯爵は穏やかな笑みを浮かべる。

「ええ、そうですわね。」

ダンプート侯爵夫人も微笑みながらうなづく。

「・・・お父様、お母様。私のことを大切に思ってくださるなら、私を除籍してください。」

レイナの言葉に両親はそろって目を剝いた。

「冗談はやめなさい!レイナ、あなたはこの家の跡取りなのよ!そうだというのになんていうことをいうの!?」

「・・・だから、です。私を可愛いとそう思ってくれるなら、私が誰と結婚しても文句を言いませんか?」

その一言に二人は黙り込む。

「私の自由にさせてください。」


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