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二周目のお兄様はなぜか優しいです
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「ハル、大丈夫か?」
「あの、お兄様。あの方はどうして地下牢なんかに・・・?」
「彼女は罪を犯した。」
ああ、いやな予感がします。
「・・・どんな罪ですか?」
「ハルに最低な態度をとったという罪だ。」
お兄様!!
「・・・本当は?」
「い、いや、それはだな・・・。いや、ち、違うぞ!!本当だ!!」
「お兄様は相変わらず嘘をつくのが下手なのですね。」
そんなに目をそらしてたらバレバレですよ?
「うう・・・。仕方がない。ハル、お前だから言うぞ。」
はい、お兄様。
ナターシャとエリナに視線を向けると二人はうなづいて部屋から出て行く。
意思の疎通は完璧よ!!
「・・・ハル。気を利かせてくれてありがとう。さすが私の可愛い妹だ。」
なんかお兄様前と違いすぎません?
そういえば神様がなんか言っていたような・・・?
いろいろなことがありすぎて忘れてしまいましたわ。
「かわいいだなんて。ご冗談を。」
「謙遜しなくていいんだよ?私の可愛いハル。ずぅっと一緒だよ!!」
いえ、お兄様。
ちょっと気持ち悪いです。
「そうだエレノアについてだったよね。あの女は皇太子の手先の侍女だ。ハルは、その・・・記憶はあるか・・・?」
お兄様、随分と直球ですね?
ま、まぁここは無難に行きましょう。
「なんのですか?」
あの、お兄様、目が、目が怖いです。
「ハル、なんのことか分かってるよね?」
これはもう無理ですわね・・・。
「一周目の時間軸での、ですか?」
「ああ、覚えてるんだね!!」
んん?
「あの時は本当にごめんね。これからはちゃんとハルのことかまうから・・・。」
話の流れが変わってますね。
「・・・エレノアさんの話に戻って欲しいのですが・・・。」
「ああ、ごめんね。エレノアは一周目にはいなかった。つまり私達からすれば、皇太子が送ってきたスパイだ。この家のことを知り、一周目での惨劇を引き起こさないようにハルの自殺前まで同じようにことを進めようとしているんだ。」
あらぁ、相変わらずのクソ男ですこと。
それより惨劇って?
「お兄様、惨劇って何ですの?」
そう尋ねるとお兄様は一周目の時間軸で起こった出来事を事細かく教えてくれた。
ラピスラズリ大帝国がいずれは滅びる・・・?
ま、まぁ。
あの男に支配されたらそうなりますわよね。
「それで、皇太子は廃太子となった。彼はそれを避けたいんだろうね。なんとしてでも皇太子のままでいたい。皇帝になりたいんだろう。野望が透けて見えるんだよね。」
「・・・今日の誕生日パーティーですけど皇太子殿下はいらっしゃいますか?」
「来る、予定だけど・・・。一応断ったんだけど。無理矢理にでも来そうだね。ええと、ハル。何か案があるのかな?」
うふふ。もちろんです。
「手始めに、手紙を送っていただきたいのです。無理矢理来るということは招待状は持っていないでしょう?」
「あ、ああ。」
「あのバカのことですから偽の招待状を送っても気づきませんわ。恥をかけばいいのです。あとはお父様が偽の招待状を書いてくれるかどうか、ですね。」
「父上なら絶対に書いてくれるよ。」
「・・・そうですか。とりあえずどのくらい馬鹿なのか試すために公爵家の印のない招待状を送りましょう。当然外身の手紙には印をつけましょう。」
「・・・うん。ハルはずる賢いね・・・。」
「あらぁずる賢くて悪うございました。」
「・・・ごめんね?」
「時間を指定するのです。そうですわね皆さまは七時までに来るでしょうし。七時半とかどうでしょうか?」
「いいね。」
「偽の招待状では入れませんもの。そこでお断りをするのです。半頃でしたらまだ庭に何名か残っているでしょうし。どんなところで騒げば招待状が偽であることすら気づかない能無しということになります。」
「・・・それ、いいね。」
「あの、お兄様。あの方はどうして地下牢なんかに・・・?」
「彼女は罪を犯した。」
ああ、いやな予感がします。
「・・・どんな罪ですか?」
「ハルに最低な態度をとったという罪だ。」
お兄様!!
「・・・本当は?」
「い、いや、それはだな・・・。いや、ち、違うぞ!!本当だ!!」
「お兄様は相変わらず嘘をつくのが下手なのですね。」
そんなに目をそらしてたらバレバレですよ?
「うう・・・。仕方がない。ハル、お前だから言うぞ。」
はい、お兄様。
ナターシャとエリナに視線を向けると二人はうなづいて部屋から出て行く。
意思の疎通は完璧よ!!
「・・・ハル。気を利かせてくれてありがとう。さすが私の可愛い妹だ。」
なんかお兄様前と違いすぎません?
そういえば神様がなんか言っていたような・・・?
いろいろなことがありすぎて忘れてしまいましたわ。
「かわいいだなんて。ご冗談を。」
「謙遜しなくていいんだよ?私の可愛いハル。ずぅっと一緒だよ!!」
いえ、お兄様。
ちょっと気持ち悪いです。
「そうだエレノアについてだったよね。あの女は皇太子の手先の侍女だ。ハルは、その・・・記憶はあるか・・・?」
お兄様、随分と直球ですね?
ま、まぁここは無難に行きましょう。
「なんのですか?」
あの、お兄様、目が、目が怖いです。
「ハル、なんのことか分かってるよね?」
これはもう無理ですわね・・・。
「一周目の時間軸での、ですか?」
「ああ、覚えてるんだね!!」
んん?
「あの時は本当にごめんね。これからはちゃんとハルのことかまうから・・・。」
話の流れが変わってますね。
「・・・エレノアさんの話に戻って欲しいのですが・・・。」
「ああ、ごめんね。エレノアは一周目にはいなかった。つまり私達からすれば、皇太子が送ってきたスパイだ。この家のことを知り、一周目での惨劇を引き起こさないようにハルの自殺前まで同じようにことを進めようとしているんだ。」
あらぁ、相変わらずのクソ男ですこと。
それより惨劇って?
「お兄様、惨劇って何ですの?」
そう尋ねるとお兄様は一周目の時間軸で起こった出来事を事細かく教えてくれた。
ラピスラズリ大帝国がいずれは滅びる・・・?
ま、まぁ。
あの男に支配されたらそうなりますわよね。
「それで、皇太子は廃太子となった。彼はそれを避けたいんだろうね。なんとしてでも皇太子のままでいたい。皇帝になりたいんだろう。野望が透けて見えるんだよね。」
「・・・今日の誕生日パーティーですけど皇太子殿下はいらっしゃいますか?」
「来る、予定だけど・・・。一応断ったんだけど。無理矢理にでも来そうだね。ええと、ハル。何か案があるのかな?」
うふふ。もちろんです。
「手始めに、手紙を送っていただきたいのです。無理矢理来るということは招待状は持っていないでしょう?」
「あ、ああ。」
「あのバカのことですから偽の招待状を送っても気づきませんわ。恥をかけばいいのです。あとはお父様が偽の招待状を書いてくれるかどうか、ですね。」
「父上なら絶対に書いてくれるよ。」
「・・・そうですか。とりあえずどのくらい馬鹿なのか試すために公爵家の印のない招待状を送りましょう。当然外身の手紙には印をつけましょう。」
「・・・うん。ハルはずる賢いね・・・。」
「あらぁずる賢くて悪うございました。」
「・・・ごめんね?」
「時間を指定するのです。そうですわね皆さまは七時までに来るでしょうし。七時半とかどうでしょうか?」
「いいね。」
「偽の招待状では入れませんもの。そこでお断りをするのです。半頃でしたらまだ庭に何名か残っているでしょうし。どんなところで騒げば招待状が偽であることすら気づかない能無しということになります。」
「・・・それ、いいね。」
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