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第二章 異世界交流と地球人たちと邪神討伐

#16 実験と米と夜襲

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今日は朝から魔物相手に実験している。

木刀はなかなか良さそうだ。
弱めの魔物は意識を失うが、ダメージはあまり無さそうだ。

しかしゴム弾はちょっとキツそうだ(汗)
弱めの魔物は死んでしまった。
大きめの魔物も死にはしないがかなりの衝撃らしく、動かなくなった。

「これ人に使ったら不味いな、もう銃弾じゃなくて魔銃自体から作らないと駄目だな」

一旦実験は終わらせて街へ向かう。
まずは市場に向かい米と新しい調味料を探しに行く。

そして米があった!

多少長細いがかまわん、イッパイ買おう!

「すいません、そこの米を下さい!」
「米かい、こいつは中々お高いぞ、金はあるかい?」

とりあえずギルドカードを出す。

「これ使えますか?」
「おう使えるぞ!どれだけ買う?」
「買えるだけ買います」
「ちょっと待てよ、・・・・・・・・お前さん買い占めたいのか?」
「そんなに入ってます?」
「あぁ、ぶっちゃけ店全部買い占めてもお釣りがくるぞ」
「じゃあお店のお米の半分下さい!」
「お、おう、わかった、持てるのか」
「大丈夫です、じゃんじゃん持ってきて下さい」

持ってきてもらった米は50kgの袋で12袋あった。
600kgか、毎食食べて2年はもつか。
ジャポニカ米も探そう。
そうだ、色々聞いてみよう。

「味噌とか醤油って知りませんか?」
「聞いたことないな、どんなんだ?」
「どちらも豆を発酵させた調味料です、醤油は黒い液体、味噌は茶色のペースト状です」
「味噌はわからんが醤油は見たことある気がする、この国の海側だったな」
「本当ですか!」

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一応本屋で地図があるか調べたが詳しい物はなかった。
時間になったのでギルドに向かう。

「待ってたわよ」
「ギルドマスターみずから出迎えとか止めてください」
「しょうがないわよ、ちょっと用があったんだから」
「解体の清算と依頼の報告だけでしょ?」
「それもあるけど、ちょっとハロルド様が呼んでるのよ」
「あの人は貴族ですよね?」
「そうよ、かなり高位の貴族よ」
「行かなきゃ駄目ですか?」
「そうね、不敬に思われることもあるわね」

ぶっちゃけ面倒臭い、まあ何かあれば逃げますか。

「じゃあ先に清算とかお願いします、後また買い取りを」
「ハイ・ワイバーン?いいの?」
「必要な素材は取りましたから」
「じゃあ倉庫に行きましょう」

倉庫にて

「相変わらずの量ね」
「まあでかい魔物でしたから」
「普通は痛んだ素材もあるって話よ」
「俺は素材の為に狩りしてますから」
「まぁ良いわ、じゃあ査定の間に情報を渡すわ」

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「まずはこの国の状況から話しましょう」
「えっ、全く興味ないんですが?」
「地球人が来た事にも関係してるから、まぁ聞いてちょうだい」
「はい、了解です」
「まずは今この国の一部は戦争の準備をしているわ、相手国はマリク王国、アトランがある国よ」
「何でまた戦争なんて面倒臭いことを?」
「簡単に言えば主張の違いね、マリク王国は人族以外も様々な種族が共存していたでしょ、ダリス帝国の一部は人族以外を人と認めて無いわ」
「他種族はギルドにはいたぞ、それに少ないけどこの街でも見かけた」
「この街は帝都から離れているし、領主は穏健派だからちょっと特殊なのよ、それにギルドは中立だもの」
「それだけで戦争?」
「あとはマリク王国は近年豊作で、しかも新たな鉱山も見つかったり裕福になってきていたからそれも原因ね」
「ダリス帝国の上の連中バカなの?」
「・・・普通はそう思うわよね、まあそんな感じでダリス帝国の上の連中が『魔物に近い連中の手を借りるやつらが、繁栄するのは神の意思に反する』とか言って戦争の準備をしているの」
「・・・・・・(怒)」
「そして3年前に地球人が来たでしょ、しかも女神の加護らしきものまであるし、中には勇者もいたわ、それからさらに調子に乗ってるのよ」
「・・・・・・・(この国やベーな)」
「そして地球人の話ね、地球人達は8名いたらしいわ」
「多いな!」
「その内帰還希望者達はギルドに所属して、各地の遺跡等の調査をしているわ」
「遺跡?帰還の手がかり集めか?」
「そうよ、転移の時に女神にあったらしくて、そこから探ろうとしてるみたいね、今もここから東へ20km程の場所にある古代遺跡に行ってるわ」
「わかりました、あとは女神が何者なのかですね」
「そうね、名前は聞いたけど分からないし、目的も不明、正直私たちではお手上げね」
「なるほど、地球人達でエルフの国に行った色ボケ以外は、どうなってるんですか?」
「国に囲われてるわ、本人たちの意思かどうかは不明だけどね」
「・・・・・(なおさら話が聞きたいな)」
「大体わかったかしら?」
「そうですね、この国やベーってことは何となく」
「そっち?まあそうね、でもギルドは中立だから無茶な要求は突っぱねるわ、それに国の詳しい内情は分からないしね」
「ハロルドさんに会うのめんどくさいな」
「あの人は穏健派だから大丈夫よ、お礼くらいね」
「じゃあチャッチャッと終わらせますか」
「そうね、行きましょう」

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お屋敷にて

今回はハロルドさんと、その後ろにロイドさんが立っている。

「今回は本当に世話になった、望みがあれば何でも言ってくれ」
「どうかお気になさらずに、俺は依頼をこなしただけです」
「そうか、だが何かあれば言ってくれ、可能な限り力になろう」
「はい、ありがとうございます」
「タツキのお陰で犯人や背後関係もわかりそうだ、依頼以上の働きをしてもらったのだ、何でも言ってくれ」

こんな感じで当たり障りの無い会話をしておいた。

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ギルドへの帰り道

「そんな話し方も出来るのね」
「そりゃあ中身は24才ですから」
「それにしてもよ」
「そういえば地図って売ってるところありますか?」
「詳細な地図は軍事機密になるから普通は見れないわ、簡易的な地図ならギルドで売ってるわよ。」
「じゃあ後で買います」

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「すいません、買取りの査定終わりましたか?」

ギルドカードを出す。

「タツキ様ですね、はい、終了しております、精算金と依頼料はカードに入れますか?」
「それでお願いします、あと地図はありますか?」
「はい、ございます、この辺りの地図でよろしいですか?」
「他の地域もありますか?」
「ある程度あります、もちろん正確とは言えませんが」
「じゃああるだけ下さい」
「・・・・・カードから料金は引き出しました、こちらが地図です」

厚さ5cm程の紙束を出されたので、マジックバッグにしまう。
後で整理して見やすくしよう。

「以上でよろしいですか?」
「はい、ありがとうございました」

ギルドを後にする。
今日はこの街の宿に泊まってみよう。

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個室に風呂有りの宿は少なかった。
つーか1つしか無かったのでそこに泊まる。
ちなみに料金は銀貨20枚だ。
高いのか安いのかぶっちゃけ分からん。
内装は立派だから高級宿なのかな?

そんなこんなで今は宿の食堂で食事中だ。

さすが高級宿っぽい、料理もうまい。
今はステーキにかかっているソースの味を覚えている最中だ。

何だろう?果物らしいが何なのか悩んでいると、男3人に声をかけられた。

「おい嬢ちゃん、ちょっと話がある、ついてこい」

俺は嬢ちゃんじゃないし違うな。
無視して食事の続きだ。
レモン?いや違うな、オレンジ系か!

「おい!聞いてんのか」
「うるせえな!引っ込んでろ、俺は食事中だ!」

かなりムカついたので、素が出た。

「てめぇ!」
「だからうるせぇ!食事中に騒ぐな!てめぇはガキか!」
「てめぇ、ぶっ殺してやる!」
「わかった、じゃあ表出ろ、やってやるよ」
「おう、逃げんなよ」

そいつらは外に向かった、そして俺は食事の続きだ。

10分程で残りを食べて外に出るとまだ3人はいた。

「てめぇ、いつまで待たせんだ!」
「ご飯が残ってたろ、残さずきれいに食べてたんだよ、で用件は?」
「その前にてめぇは少し調子に乗りすぎた、恨むならてめぇを恨めよ、多少痛め付けても問題ないしな」

そう言うと3人とも剣を抜く。
こいつら正気か?
こんな所で刃物沙汰か?

「今謝れば一晩中相手するだけで許してやるぞ」

うわっ、気持ち悪く笑ってる、きめぇっ!
「ゲヘヘ」なんて笑いかた初めて見た。
ロリコンか?
紳士じゃないロリコンなのか?
じゃあしょうがない、潰そう。

「バカにしやがって」

そういいながら一人が斬りかかってきた。
遅いな、左手で無造作に剣を掴み、股間を蹴りあげる。

あっ、飛んだ。

2mくらい浮かび落ちてきて、そのまま股間を押さえてうずくまる。

まず2つ!

「今度はこっちから行くぞ」

奪った剣に魔力をまとわせ、もう一人の剣を斬る。
そして同じように蹴りあげる。

よし、4つ!

「ま、待ってく」

言い終わる前に蹴りあげる。

よし6個、終わり!

「いいことしたな!」

そして3人を引きずって衛兵の詰め所に置いてきた。

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それから宿に戻り、風呂に入ろうとしたら来客があった。

今日は来客が多い、次から野営にしようかな。
そうだ、米もあるし自炊の方がいいな!

「どちら様ですか?」

ドア越しに聞いてみる。

「・・・・・・・・・」

返事がない、気配を探ると二人いる。
あれ?屋根裏に一人来たな。
あやしい、怪しすぎる。
ドアの前にテーブルを置き、天井を斬る、あっ、落ちてきた。
とりあえず木刀(手加減)で気絶させる。
物音に気づいて、ドアの前の二人が押し入って来る。
すでに二人とも武器を抜いていた。
二人ともしばきたおして、3人ともを縛る。
うるさいと困るので、猿ぐつわ噛ませる。

そしてこれ、どうしよう(汗)

・・・・・とても面倒臭い。
多分ハロルドさんがらみで間違いないだろう。
衛兵に相談するか?
それともギルドか?
ハロルドさんかな?

・・・・・・・どれも駄目そうだな。

衛兵は動きが遅いだろう、こんなこと速く終わらせたい。

ギルドも捜査とか出来るかわからん。

ハロルドさんは言い方悪いが、毒殺されかけてたくらいだしな。

とりあえずこの3人から情報とるか。

出来れば明日中に終わらせて、地球人達に会いに行きたいな。
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