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序章
0話 プロローグ
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アルディア・ヘヴンヌ様。我らの君主様であり、人生。
アルディア様の姿はいわば老爺だが、他者にはない力強さを感じ、貫禄のあるお方だ。
『アルディア様に遣えたい。』
世界の誰しもがそう願った。
だが、アルディア様に遣えるのは容易ではない。遣えるための明確な手段がわからないからである。
「手段さえ分かれば…。」
いつものようにそう思いながら、食事の準備をしていると、自宅のベルが鳴った。配達員だ。だが、いつもの明るく愛想のよい人ではなく、全身を黒い布で包んだ大柄な男性だった。やけに重装で右手には大鎌を持っていて、まるで死神のようだった。
彼は一言も発することなく、一通の手紙を手渡し、転移魔法ですぐさま消え去った。
なんだったんだろう、と思う暇もなく、最上位の魔法使いでなければ使えない転移魔法と、手紙からあふれる膨大な魔力に怖気ついた。滲み出るオーラからは闇の魔力を感じる。
恐る恐る封蝋を剥がし、中身を読んだ。
『明日の正午、使徒選別試練を開始する。都市エルカディアにて待つ。』
古語で書かれていたが、大まかにこのような内容だった。
この試練は自分にとって人生最大の希望だ。
少し涙を浮かべながら、嬉々とした。
「やっと夢へ近づける…。絶対使徒になってみせる…!」
その一心で支度を始めた。
装備の準備をし、長く家を空けるので部屋の片づけもしておいた。
掃除をしていると、家族写真や両親からもらったペンダントが見つかった。そのペンダントは、少し古びていて、年季の入った不格好なものであったが、もし会えなくなると寂しいなと思い、見つかった写真を入れ、つけていくことにした。
一度首にかけてみると、なんとなく暖かくて、付けていて心地が良かった。
数々の思い出が脳裏に浮かび上がってくる…。
気づくとかなりの時間が経っていたので、ペンダントを外し、支度を終わらせ、眠りにつこうとベッドに潜った。
見慣れない片付いた部屋を見渡しながら横になっていると、試練への期待と不安をしみじみと感じる。明日に備え寝ようとしてもなかなかに寝付けない。とても明日が楽しみだ。このために今まで生きてきたんだ。ずっと、ずっと……。
『いかないで。アトラ。試練に行かないで…。』
…夢か。。
不安からか試練に行かせないようにする両親の夢を見た。とても出発が名残惜しくなってしまったが、これもアルディア様に遣えるため。絶対使徒になって両親を喜ばせてみせる…!
装備とペンダントを身に着け、早速家を出た。まだ早朝で少し暗い。少し吹いている風が心地良い。草木も揺れ、出発を歓迎してくれているようだった。
エルカディアまではあまり遠くなく、あっという間に着いた。早朝にもかかわらず、老若男女問わず多くの人がこの試練のために集まっていた。
その人込みの中に両親の姿が見えた気がした。はっきりとは分からなかったが、昨日から両親のことが気になって仕方なかったから、誰かを両親と見間違えたのだろう。そもそも両親はあまり能力に恵まれていないから試練には向いていないしな。
それから両親との思い出を懐古しながら試練の開始を待っていた。
開始時間が近づくにつれ、人も多くなっていった。数万は居るだろうか。大都市が人で埋め尽くされていた。
そして開始時刻…。
転移魔法を使い、中心塔の上に男が現れた。
よく見ると昨日のひ…と…?
その男の空間投影魔法により、アルディア様が映し出され、たった一言こう仰った。
「血縁者を一人を殺せ。」
「「…承知致しました。我らが君主様。」」
アルディア様の姿はいわば老爺だが、他者にはない力強さを感じ、貫禄のあるお方だ。
『アルディア様に遣えたい。』
世界の誰しもがそう願った。
だが、アルディア様に遣えるのは容易ではない。遣えるための明確な手段がわからないからである。
「手段さえ分かれば…。」
いつものようにそう思いながら、食事の準備をしていると、自宅のベルが鳴った。配達員だ。だが、いつもの明るく愛想のよい人ではなく、全身を黒い布で包んだ大柄な男性だった。やけに重装で右手には大鎌を持っていて、まるで死神のようだった。
彼は一言も発することなく、一通の手紙を手渡し、転移魔法ですぐさま消え去った。
なんだったんだろう、と思う暇もなく、最上位の魔法使いでなければ使えない転移魔法と、手紙からあふれる膨大な魔力に怖気ついた。滲み出るオーラからは闇の魔力を感じる。
恐る恐る封蝋を剥がし、中身を読んだ。
『明日の正午、使徒選別試練を開始する。都市エルカディアにて待つ。』
古語で書かれていたが、大まかにこのような内容だった。
この試練は自分にとって人生最大の希望だ。
少し涙を浮かべながら、嬉々とした。
「やっと夢へ近づける…。絶対使徒になってみせる…!」
その一心で支度を始めた。
装備の準備をし、長く家を空けるので部屋の片づけもしておいた。
掃除をしていると、家族写真や両親からもらったペンダントが見つかった。そのペンダントは、少し古びていて、年季の入った不格好なものであったが、もし会えなくなると寂しいなと思い、見つかった写真を入れ、つけていくことにした。
一度首にかけてみると、なんとなく暖かくて、付けていて心地が良かった。
数々の思い出が脳裏に浮かび上がってくる…。
気づくとかなりの時間が経っていたので、ペンダントを外し、支度を終わらせ、眠りにつこうとベッドに潜った。
見慣れない片付いた部屋を見渡しながら横になっていると、試練への期待と不安をしみじみと感じる。明日に備え寝ようとしてもなかなかに寝付けない。とても明日が楽しみだ。このために今まで生きてきたんだ。ずっと、ずっと……。
『いかないで。アトラ。試練に行かないで…。』
…夢か。。
不安からか試練に行かせないようにする両親の夢を見た。とても出発が名残惜しくなってしまったが、これもアルディア様に遣えるため。絶対使徒になって両親を喜ばせてみせる…!
装備とペンダントを身に着け、早速家を出た。まだ早朝で少し暗い。少し吹いている風が心地良い。草木も揺れ、出発を歓迎してくれているようだった。
エルカディアまではあまり遠くなく、あっという間に着いた。早朝にもかかわらず、老若男女問わず多くの人がこの試練のために集まっていた。
その人込みの中に両親の姿が見えた気がした。はっきりとは分からなかったが、昨日から両親のことが気になって仕方なかったから、誰かを両親と見間違えたのだろう。そもそも両親はあまり能力に恵まれていないから試練には向いていないしな。
それから両親との思い出を懐古しながら試練の開始を待っていた。
開始時間が近づくにつれ、人も多くなっていった。数万は居るだろうか。大都市が人で埋め尽くされていた。
そして開始時刻…。
転移魔法を使い、中心塔の上に男が現れた。
よく見ると昨日のひ…と…?
その男の空間投影魔法により、アルディア様が映し出され、たった一言こう仰った。
「血縁者を一人を殺せ。」
「「…承知致しました。我らが君主様。」」
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