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▼学園にて(エイベル)
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僕には非常に聡明で美しい婚約者がいる。
朝、一番最初に教室に入り、彼女アリシア・ローランの机を撫でて「おはよう」と言う。
本人には決して言えないから、代議委員の名のもと雑用を引き受け、この儀式のために早起きをして、校門をくぐる。
授業中、彼女の席は1番前で、出席番号順だから僕はその少し後ろに座る。風にそよぐ黒髪を眺めるうちに授業は終わってしまって、彼女はクラスメイトたちと談笑することなく席を立ってしまう。
昼休み、彼女は学園の噴水の広場で弟のアレクシス・ローランとお昼をともにする。ところを覗き見ながら、僕もお昼を食べる。なんだか昔みたいで、一緒に食べている気分になる。バラの咲き誇る庭園で微睡む彼女は絵画よりも絵画らしく美しい。たまに弟のアレクシスの声に微笑む姿を見られると、嫉妬とともに、午後も頑張ろうという活力が湧いてくる。
午後、とっくに学習を終えてしまっている範囲なのに、アリシア嬢は真剣に授業のノートを取る。そんな所も好ましい。
ノートと言えば、昔倒れたあと、掌にそっとアリシア嬢がノートの断片を乗せてきたことがあった。手紙も禁止されていた時に、すれ違いざま一瞬の間に渡された。そこには、ケーキをもう食べないこと、と書かれていた。その紙片は今も大事にとってある宝物で、大事な言葉だから、あんなに好きだった甘い物をあれ以来1度も食べていない。そもそもアリシア嬢の作ったものでないと意味が無いのだと気づいたからというのもあるけれど。
昔のことを思い出していたら鐘が鳴った。
アリシア嬢はすぐに家に帰ってしまう。僕は代議委員としての諸々の仕事があるから抜け出せない。
惜しむように後ろ姿を目で追っていたら、クラスメイトの女子に声をかけられ教室を出ることになった。きっとどうでもいい事だが、相談には乗らないといけないので、昔の麗しい日々を思い出していくことにする。
初めてアリシア嬢に会った時について覚えているのは途中からだ。それまでの僕は抜け殻で、ただ空っぽの笑顔を貼り付けて家で笑い、家庭教師の前で笑い、気付いたらローラン家で将来を誓い会う予定の人の前で笑っていた。
アリシア嬢のこともあまり覚えていない。しかし、途中で現れたとんでもなくグロテスクなクッキーを目にしたところから覚えている。6歳にはセンセーショナル過ぎる配色だった。弟の5歳児も固まっていた。とても食べられまい、と思ったが、誰かがこれを食べなければ彼女は傷付くだろうし、勢いよく開けた弟に食べさせる訳にはいかないし…ここは未来の伴侶が片付けるしかあるまい。と肝を据えた。
こういう考えもあった。
僕が食べて何かあれば、家に閉じこもっているアイツにもスポットが当たるんじゃないか。
そういう打算がなかった訳じゃない。とにかく、口に入れる理由は十二分にあり、それを僕は咀嚼した。
びっくりした。
味がしたのだ。
甘い甘いアイシングクッキー。ちょっぴり塩味がするそれを、紅茶で流し込むとこちらもびっくりするくらい味がした。
ぽりぽりぽり、ごくごくごく、ぽりぽりぽり。
あっという間に平らげると、なんだか胸がほっこりとして、じんわりとして、そこで初めてアリシア嬢の顔を認識した。
幸せの色で出来ているのだと、思った。
きっと幸せとはこんな形で出来ているのだと。
たぶん、警戒に警戒するあまり、それまで体裁を保つ事でパンクし掛けて味覚が無くなっていた僕の舌に味覚が戻ってきたんだろうなとは今思えば考えられることだけれど、当時は本当に感動したのだ。
それからの僕は、それまで出された物に何も言わず何も思わなかったのに、砂糖やミルクが欲しくなったり、週に一度のお菓子を作って貰える日を心待ちにしたりするようになった。
幸せの色を知った僕は、アイツにも寛容になったのか、視野が広くなったと褒められることが増えたし、だんだんと、だんだんと、知識以外の記憶や記録を覚えていられるようになった。
そんな時、幸せの絶頂にいる、大好きな週に一度のお菓子を作ってくれるアリシア嬢とアレクシスと過ごす大切な日に、僕は原因不明の突発的な病で倒れてしまった。
ブドウの香りがする紫色のマカロンを食べて暫くすると喉がイガイガとし出して紅茶で潤すが、飲み干してもイガイガは酷くなる一方だった。
丁度アレクシスが紅茶のおかわりをお願いしていたから、僕の分もお願いしようとすると苦しくて声が出なかった。そのまま苦しくて苦しくてソファに臥せると、アリシア嬢が飛んできた。
こんなに狼狽する姿は初めて見るなと一瞬思ったが、苦しくてもうそれどころではなくなっていった。
医者がくるまでの間、何分だったかわからない。その間アリシア嬢はずっと手を握っていてくれた。顔は難しいままだったが、手が冷たくて気持ちよかった。
どんどん意識が遠のいて行った時、唐突に、少し息が楽になった。ああ、助かったのだなと思って腫れてあまり開かなくなった目でアリシア嬢を探すと、まだ難しい顔をしていた。手は冷たいままで、まだ繋いでいてくれたことが分かった。
それが、最初で最後のアリシア嬢との接触だった。
目を覚ますと、母がローラン家との縁談を取りやめると言ってきた。訳が分からず抗議すると、毒を盛られた可能性があると諭してきた。アリシア嬢によってだ。
有り得ない、と抗議を強くしたが僕が倒れてからもう何日も経っていて、あまり意味をなさなかった。
なんとか破談寸前で本人である僕が取り持ち、婚約破棄にだけはならなかったが、名家の子女の名に傷を付けないために僕が煮え湯を飲んだと世間には伝わったようであった。
そして、母からは婚約についてあるひとつの条件を出されてしまった。
それは、アリシア嬢が17歳になるまで自分からは話しかけない事。
自分から話しかけず、交流せず、アリシア嬢が17歳になるまで思い続けることが出来たら、正式に結婚を認めましょう、という内容だ。
飲むしかない条件だ。断れる立場にない自分を歯痒く思い、磐石にしなかった自分を恨んだ。
そこから、今も地獄は続いている。
世間には、愛の無い婚約関係と流布され、家族の誰も認めてくれない。
自分からは話しかけられないから、誤解しているだろう彼女に弁明もできない。
ただ静かに、彼女の欠片をかき集め、闇に隠れて想いを吐露するだけ。
「ねぇ、エイベル様聞いていらっしゃいますの?」
顔を赤くした女子生徒がこちらを見てくるが何も思い出せない。
でも大丈夫。こういう時はこう言っておけば。
「ごめんね、僕には婚約者がいるから。」
朝、一番最初に教室に入り、彼女アリシア・ローランの机を撫でて「おはよう」と言う。
本人には決して言えないから、代議委員の名のもと雑用を引き受け、この儀式のために早起きをして、校門をくぐる。
授業中、彼女の席は1番前で、出席番号順だから僕はその少し後ろに座る。風にそよぐ黒髪を眺めるうちに授業は終わってしまって、彼女はクラスメイトたちと談笑することなく席を立ってしまう。
昼休み、彼女は学園の噴水の広場で弟のアレクシス・ローランとお昼をともにする。ところを覗き見ながら、僕もお昼を食べる。なんだか昔みたいで、一緒に食べている気分になる。バラの咲き誇る庭園で微睡む彼女は絵画よりも絵画らしく美しい。たまに弟のアレクシスの声に微笑む姿を見られると、嫉妬とともに、午後も頑張ろうという活力が湧いてくる。
午後、とっくに学習を終えてしまっている範囲なのに、アリシア嬢は真剣に授業のノートを取る。そんな所も好ましい。
ノートと言えば、昔倒れたあと、掌にそっとアリシア嬢がノートの断片を乗せてきたことがあった。手紙も禁止されていた時に、すれ違いざま一瞬の間に渡された。そこには、ケーキをもう食べないこと、と書かれていた。その紙片は今も大事にとってある宝物で、大事な言葉だから、あんなに好きだった甘い物をあれ以来1度も食べていない。そもそもアリシア嬢の作ったものでないと意味が無いのだと気づいたからというのもあるけれど。
昔のことを思い出していたら鐘が鳴った。
アリシア嬢はすぐに家に帰ってしまう。僕は代議委員としての諸々の仕事があるから抜け出せない。
惜しむように後ろ姿を目で追っていたら、クラスメイトの女子に声をかけられ教室を出ることになった。きっとどうでもいい事だが、相談には乗らないといけないので、昔の麗しい日々を思い出していくことにする。
初めてアリシア嬢に会った時について覚えているのは途中からだ。それまでの僕は抜け殻で、ただ空っぽの笑顔を貼り付けて家で笑い、家庭教師の前で笑い、気付いたらローラン家で将来を誓い会う予定の人の前で笑っていた。
アリシア嬢のこともあまり覚えていない。しかし、途中で現れたとんでもなくグロテスクなクッキーを目にしたところから覚えている。6歳にはセンセーショナル過ぎる配色だった。弟の5歳児も固まっていた。とても食べられまい、と思ったが、誰かがこれを食べなければ彼女は傷付くだろうし、勢いよく開けた弟に食べさせる訳にはいかないし…ここは未来の伴侶が片付けるしかあるまい。と肝を据えた。
こういう考えもあった。
僕が食べて何かあれば、家に閉じこもっているアイツにもスポットが当たるんじゃないか。
そういう打算がなかった訳じゃない。とにかく、口に入れる理由は十二分にあり、それを僕は咀嚼した。
びっくりした。
味がしたのだ。
甘い甘いアイシングクッキー。ちょっぴり塩味がするそれを、紅茶で流し込むとこちらもびっくりするくらい味がした。
ぽりぽりぽり、ごくごくごく、ぽりぽりぽり。
あっという間に平らげると、なんだか胸がほっこりとして、じんわりとして、そこで初めてアリシア嬢の顔を認識した。
幸せの色で出来ているのだと、思った。
きっと幸せとはこんな形で出来ているのだと。
たぶん、警戒に警戒するあまり、それまで体裁を保つ事でパンクし掛けて味覚が無くなっていた僕の舌に味覚が戻ってきたんだろうなとは今思えば考えられることだけれど、当時は本当に感動したのだ。
それからの僕は、それまで出された物に何も言わず何も思わなかったのに、砂糖やミルクが欲しくなったり、週に一度のお菓子を作って貰える日を心待ちにしたりするようになった。
幸せの色を知った僕は、アイツにも寛容になったのか、視野が広くなったと褒められることが増えたし、だんだんと、だんだんと、知識以外の記憶や記録を覚えていられるようになった。
そんな時、幸せの絶頂にいる、大好きな週に一度のお菓子を作ってくれるアリシア嬢とアレクシスと過ごす大切な日に、僕は原因不明の突発的な病で倒れてしまった。
ブドウの香りがする紫色のマカロンを食べて暫くすると喉がイガイガとし出して紅茶で潤すが、飲み干してもイガイガは酷くなる一方だった。
丁度アレクシスが紅茶のおかわりをお願いしていたから、僕の分もお願いしようとすると苦しくて声が出なかった。そのまま苦しくて苦しくてソファに臥せると、アリシア嬢が飛んできた。
こんなに狼狽する姿は初めて見るなと一瞬思ったが、苦しくてもうそれどころではなくなっていった。
医者がくるまでの間、何分だったかわからない。その間アリシア嬢はずっと手を握っていてくれた。顔は難しいままだったが、手が冷たくて気持ちよかった。
どんどん意識が遠のいて行った時、唐突に、少し息が楽になった。ああ、助かったのだなと思って腫れてあまり開かなくなった目でアリシア嬢を探すと、まだ難しい顔をしていた。手は冷たいままで、まだ繋いでいてくれたことが分かった。
それが、最初で最後のアリシア嬢との接触だった。
目を覚ますと、母がローラン家との縁談を取りやめると言ってきた。訳が分からず抗議すると、毒を盛られた可能性があると諭してきた。アリシア嬢によってだ。
有り得ない、と抗議を強くしたが僕が倒れてからもう何日も経っていて、あまり意味をなさなかった。
なんとか破談寸前で本人である僕が取り持ち、婚約破棄にだけはならなかったが、名家の子女の名に傷を付けないために僕が煮え湯を飲んだと世間には伝わったようであった。
そして、母からは婚約についてあるひとつの条件を出されてしまった。
それは、アリシア嬢が17歳になるまで自分からは話しかけない事。
自分から話しかけず、交流せず、アリシア嬢が17歳になるまで思い続けることが出来たら、正式に結婚を認めましょう、という内容だ。
飲むしかない条件だ。断れる立場にない自分を歯痒く思い、磐石にしなかった自分を恨んだ。
そこから、今も地獄は続いている。
世間には、愛の無い婚約関係と流布され、家族の誰も認めてくれない。
自分からは話しかけられないから、誤解しているだろう彼女に弁明もできない。
ただ静かに、彼女の欠片をかき集め、闇に隠れて想いを吐露するだけ。
「ねぇ、エイベル様聞いていらっしゃいますの?」
顔を赤くした女子生徒がこちらを見てくるが何も思い出せない。
でも大丈夫。こういう時はこう言っておけば。
「ごめんね、僕には婚約者がいるから。」
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