きおく

ヤクモ

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二生

再会

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 かみさまが世界から消えても、私の生活は規則正しく動いていた。具現化できない部分は軋んでいたけれども、潤滑油代わりの血で誤魔化して動かす。かみさまに出会う前の私に戻っただけだ。ほんの1、2年の間だけだったけれども、かみさまと一緒にいた期間の私は人間らしく生きていた。化粧とか佇まいはかみさまの隣に相応しくあるように意識し続けて、いつのまにか身体に染み込んでいた。だから、かみさまと出会ってから出来た世界で変わらずに生きていた。

 もう、限界だった。




 仕事終わりは安い缶チューハイと値引かれている惣菜を買って帰る。正直、かみさまに作っていた私の料理のほうが美味しいのだけれども、自分一人のために包丁を握ることも、時にはお湯を沸かすことすら面倒になった。
 おそらく顔を覚えられているであろう店員がレジを打っている列に並ぶ。私の前にはレジを打ってもらっている学生風の男子と、すぐ前に中年がいた。中年のかごを見ると私と似たようなラインナップで、寂しいな、と思ってしまった。私だって側から見たら寂しい女、だ。
「おまたせしましたー」
 やる気のない店員にかごを渡し、ふと先に袋詰めをしている中年に目をやった。なぜ、気になったのだろう。好みの雰囲気ではないし、むしろ嫌悪する部類なのに。
 袋を片手に、去ろうとするその横顔を見てしまった。
「あ」
 ぴたりと、空気が止まった気がした。実際は有線で流行りの曲が流れているし、店員はちらりと私を見ただけで催促するように代金を口にする。中年も、ちらりとこちらを見たが、やはり目立った反応は無かった。
「すみません」
 詰まった列に謝るように呟いて札を置く。お釣りをレシートごと握りしめて、袋に適当に詰めると店を出た。点々と街灯が暗い道をぼんやりと照らしているけれど、求めている人影は見当たらなかった。
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