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いまさらですが火竜の君は絶倫でした。~オーディアル城滞在記~11.
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これで本当に一件落着、かと思ったのは私の幻想だった。甘ちゃんでした。
私の手料理から始まり私に嫉妬されてご機嫌になり、ルードと呼ばせることに成功し。
絶好調のシグルド様は(脳内ではまだまだ「シグルド様」のままだ)色々突き抜けたらしい。
ひと眠りののち一緒にお風呂を頂いて(そこでもイチャイチャしたけれどまあそれはいい)、運ばせた軽い食事のあと、「ここは手狭だから俺の部屋へ」と言われて移動したのはいいとして。
心許ない薄衣はまたもさっさと引っぺがされて、全裸の私は寝衣をはだけたシグルド様に後ろから抱き込まれている。
目の前には奇妙なもの。
「あの、これは、いったい……」
「オーディアル領の特産品のひとつだ」
べっ甲色、いや、べっ甲でできたアレ。
張型、というやつだ。
なんという不届きな特産品なんだ!
……いや、「特産品」はべっ甲のことだろうか。
ともあれイヤな予感しかしなくてそろりと彼の腕から逃れようとしたけれど、上機嫌のシグルド様は私を片手でしっかりと抱きしめたままブツを手に取って引き寄せた。
「ちょっと、あの、これは、さすがに」
「楽しそうだろう?」
わたわたと振り回す手をとられ、ソレを握らされた。
すごく大きい。太い。
どういう規格で作ってるんだと慄きつつ振り払おうとしても、シグルド様の手で上から包み込むように持たされてしまい、気恥ずかしくて目をそらす。
ひんやりするような、けれど持っているとほんのり温かくなるような、不思議な感触。
「べっ甲は温度、湿度に敏感でな。この手のモノには最高の素材なんだそうだ」
「あ!」
手に持たされたそれで、肉の割れ目をつん、と突かれた。
「シグルド、さま、や、」
「ルード、だろう?」
まだ柔らかい胸の先を摘ままれた。
粘土でも捏ねるように、彼の大きな手にすら余る私の胸をぐにぐにと揉まれる。
持たされた張型で、もう片方の胸を刺激される。
シグルド様の部屋の寝台。どうしてこの寝台にまで枕板の中に鏡が仕込んであるのだ。
えっちな細工はエヴァンジェリスタ城の巨大な寝台、あれだけだと思っていたのに。
枕板を扉のように開け放ちながら、「やっぱり作らせてよかった」ととんでもないことを言っている。
視覚的に卑猥過ぎて脳が茹る。
「リヴェア、べっ甲はナカの形と温度にぴたりと馴染むらしい」
「しぐ、いえ、ルード、でも、これは」
「これがあれば一度に前も後ろも気持ちよくなれる」
「ルード!」
抗議の声は無視されて、私はシグルド様に手を取られたまま自分の胸をつつきまわし、やがて開かされた足の間を擦られる。
無理に掴まされているとはいえ、自分で持った張型で自分の秘裂を弄るのは例えようもなく恥ずかしい。
逃げようとからだを捩ると、かえってさらにぱっくりとそこが開かれて、見せつけているように見えてしまう。
鏡越しに目があったシグルド様は笑顔だけは本当に爽やかで。
「真っ赤に熟れてきた、リヴェア。乳首も、ここも」
言っていることとしていることはとんでもなくイヤらしい。
色づいた胸の先を、果実をもぐように捻って引っ張る。
べっ甲のそれを小刻みに動かしながら撫で下ろす。
「ルード、こんな」
「いい音がしてきたし、ほら」
「あん!」
ぷちゅんと音を立てて、張型の先がナカに潜り込む。
先っぽだけを入れ、またすぐに引き出される。それが繰り返される。
ささやかだった水音が大きくなってくるのとともに、張型はより深く突き込まれていって。
「あああ、ルー、ド……!」
ぷるぷるとからだも声も震える。
シグルド様のそれに勝るとも劣らない、もしかしたらもう一回り大きく作ってあるように見える張型が深々と根元近くまで埋まっている。
つるりとした奇妙な感触。
冷たいような温かいような。
いや、だんだん自分の体温を移したかのように熱く感じられてくる。
「頑張ったな、リヴェア」
後ろから頬にくちづけをされ、胸を揺らされた。
声は優しいけれど、でも……
「あ!ルード!!」
「美味いか、リヴェア?」
じゅぽっ、と引き抜かれ、そして。
「はああん!」
ずぶずぶと埋め込まれる。
「ルード、あああ、ルード、だめ」
「俺のとどちらがいい?」
埋め込んだままぐりぐりと回されて陰毛がかき乱され、充血して真っ赤になった秘肉が張型を咥えこむさまが脳裏に焼き付く。
こういう姿勢は度々とらされて、鏡の前で抱かれるけれど。
でも、道具を飲み込んで濡らしているのを見せつけられるのは初めてだ。
浅ましくて、恥ずかしい。
「リヴェア、自分でやれそうか?」
「ルード、や……」
シグルド様はそっと手を放した。
私も放そうとするのをやんわり阻止され、手首を持ってそれを動かすよう誘導される。
「あん、ああ、ああん」
「上手だ、リヴェア、そうやってかき回すんだ」
見た目は凶悪なのに決して痛みはなくて。
むしろ、感じたことのない感触に徐々に引きずり込まれてゆく。
今度こそ本当にシグルド様は私の手を解放した。
私はソレを握ったままだ。
さすがに、誘導されているときほどは激しくないものの、新しい快感の芽を見つけようとするかのように自分で動かす手が止まらない。
「可愛い、リヴェア、気持ちいいだろう?」
「ああ、はあ、ああん」
「どうかな、リヴェア?」
「きもち、いい、あああ!」
シグルド様が陰核を擦った。
びりびりと電流が走るような感覚。
「あ、ああああ!ルード!」
「もっとよくしてやる」
「え……?」
膝立ちになったシグルド様は私を軽々と抱き上げた。
あそこに張型を突っ込んだままからだを浮かせた自分は本当に無様だけれど。
ずるりとそれが引き抜かれた。
「リヴェア、愛している」
「ルード?」
シグルド様は私を抱いて仰向けに寝転がった。
そして、次の瞬間。
「ルード!!」
張型の代わりにシグルド様の剛直が下から突き立てられた。
圧倒的な熱と猛々しさに全身が歓喜する。
張型なんか比べ物にならない。
頼もしくて気持ちよくて愛おしい。
気が付けば彼の胸に手をついて自分で腰を振っていた。
「リヴェア、可愛い、いい……っ」
シグルド様も私の動きにあわせて腰を弾ませている。
このまま、達するのだろうと。達したいと思ったのに。
尻肉を掴み、割り広げられた。
何かがあてがわれる。
もしや、と思ったときにはもう遅かった。
「やああああああ!」
自分の蜜に塗れた張型が後ろから突っ込まれた。
特大のそれをお尻に刺して、前にはシグルド様のものを咥えて。
シグルド様は力強く腰をグラインドさせ、下がってきた子宮に届く勢いで穿ち続ける。
張型に手をかけて後ろにも執拗に刺激を送る。
鍛えられた腹筋を生かして身を起こすと、のけぞって喘ぐ私の胸を舐めしゃぶる。
リヴェア、可愛い、愛している、とずっとずっと言っているけれど、衰える気配のない抽送と尽きない性欲には恐怖すら覚えるほどだ。
シグルド様はこんなにも激しい方だったなんて知らなかった。
……手加減してくれていただけなのか。
レオン様やオルギールとの行為はいつも激しくて濃厚だ。
ユリアスも然り。「休ませてやる」とは言ってくれているけれど、確かにほんのちょっぴりそうかもしれないけれど、でもいったん火が付くと若いだけに長い。
初めてが複数だったとはいえ、シグルド様がいちばん穏やかで爽やかだと信じていたのに。
「はああああああん!」
「リヴェア!」
ひと際深く、鋭く突かれ、私はようやく達した。
続いてシグルド様も。
---糸の切れた操り人形のように全身からくたりと力が抜けて、弛緩した四肢をシグルド様の上に投げ出す。
シグルド様も荒い息を吐いている。密着しているからだ全体からそれが伝わってくる。
彼自身がまだ入ったままだけれど、ようやくそちらも鎮静化したようだ。
「……リヴェア。可愛い俺の姫君」
少々恨みがましい目でシグルド様を睨んだつもりだけれど、効果なしらしい。
首だけ動かして、私の鼻面に軽くくちづけた。
甘い。優しい。
静かに頭を撫でられているとさっきまでの少々無体なほどの行為は夢だったのではないかと思われるほど。
……思っただけだ。
現実は厳しかった。
「疲れがとれないようならいいものがあるぞ」
シグルド様は私の耳の裏を擽りながら言った。
疲労困憊しているから何も言わずに耳だけ傾ける。
なんだろう。
「オーディアル領の特産品で、海獣のこうが」
「不要です」
みなまで言わせず、掠れ声ながらきっぱりと私は言った。
……精力剤でしょう、それ。使い方がおかしい。
オーディアル領の特産品は破廉恥すぎる。
ぷいと顔を背けた私を見ながら、シグルド様は声を立てずに笑う。
「手を舐めるだけで満足する男じゃないとわかったかな、リヴェア?」
よくわかりました。
参りました。
******
私の初めてのオーディアル城滞在は四日間。
ラムズフェルド城でユリアスに軟禁されたのと同じ日数だ。
外交で不在にすると期間に応じた日数のお休みがとれるらしく、それを私と過ごすために費やしたらしい。
もちろんレオン様もユリアスも不満を述べたが、不在中はシグルド様抜きで戯れていたわけだし(もちろん比ゆ的な意味である。夜のことだけだ)、外交時に日額いくらで支給される高額な「外務手当(営業みたいだ)」を全額返納して二人きりで過ごす権利をいわば買い取ったのだと。
オルギールは初日に役得でヤリまくったので多少遠慮したようだ。
ただし、四日目の朝、寝室にまで踏み込んできたけれど。
滞在の間、シグルド様の新しい嗜好を身をもって知った私は足腰が立たなくなっていて。
「医師として看過できません」
オルギールはそう言って私を外衣にくるみ、名残を惜しむ間もなくさっさと撤収させたのだった。
絶倫っぷりを存分に発揮した、否、発揮しすぎた感のあるシグルド様は引き止めこそしなかったものの「お前こそ自重しろ」と釘をさすことを忘れなかったらしい。私の耳にも三回くらい聞こえてきた。
ご心配なく、とオルギールはうそぶいていたけれど、経験則上、私はたいへん心配している。
彼が「医師として」と言うときはろくなことがない。えっち医者が外面を作る時だけなのだ。
「ではまたな、姫」
穏やかな笑顔でシグルド様は私を送り出す。
爽やかで、少しはにかんだような素敵な笑顔。
だがしかし。
麗しい優しい私の火竜の君はやはりグラディウスの男性でした。
……それはそれはえっちで絶倫でございました!
私の手料理から始まり私に嫉妬されてご機嫌になり、ルードと呼ばせることに成功し。
絶好調のシグルド様は(脳内ではまだまだ「シグルド様」のままだ)色々突き抜けたらしい。
ひと眠りののち一緒にお風呂を頂いて(そこでもイチャイチャしたけれどまあそれはいい)、運ばせた軽い食事のあと、「ここは手狭だから俺の部屋へ」と言われて移動したのはいいとして。
心許ない薄衣はまたもさっさと引っぺがされて、全裸の私は寝衣をはだけたシグルド様に後ろから抱き込まれている。
目の前には奇妙なもの。
「あの、これは、いったい……」
「オーディアル領の特産品のひとつだ」
べっ甲色、いや、べっ甲でできたアレ。
張型、というやつだ。
なんという不届きな特産品なんだ!
……いや、「特産品」はべっ甲のことだろうか。
ともあれイヤな予感しかしなくてそろりと彼の腕から逃れようとしたけれど、上機嫌のシグルド様は私を片手でしっかりと抱きしめたままブツを手に取って引き寄せた。
「ちょっと、あの、これは、さすがに」
「楽しそうだろう?」
わたわたと振り回す手をとられ、ソレを握らされた。
すごく大きい。太い。
どういう規格で作ってるんだと慄きつつ振り払おうとしても、シグルド様の手で上から包み込むように持たされてしまい、気恥ずかしくて目をそらす。
ひんやりするような、けれど持っているとほんのり温かくなるような、不思議な感触。
「べっ甲は温度、湿度に敏感でな。この手のモノには最高の素材なんだそうだ」
「あ!」
手に持たされたそれで、肉の割れ目をつん、と突かれた。
「シグルド、さま、や、」
「ルード、だろう?」
まだ柔らかい胸の先を摘ままれた。
粘土でも捏ねるように、彼の大きな手にすら余る私の胸をぐにぐにと揉まれる。
持たされた張型で、もう片方の胸を刺激される。
シグルド様の部屋の寝台。どうしてこの寝台にまで枕板の中に鏡が仕込んであるのだ。
えっちな細工はエヴァンジェリスタ城の巨大な寝台、あれだけだと思っていたのに。
枕板を扉のように開け放ちながら、「やっぱり作らせてよかった」ととんでもないことを言っている。
視覚的に卑猥過ぎて脳が茹る。
「リヴェア、べっ甲はナカの形と温度にぴたりと馴染むらしい」
「しぐ、いえ、ルード、でも、これは」
「これがあれば一度に前も後ろも気持ちよくなれる」
「ルード!」
抗議の声は無視されて、私はシグルド様に手を取られたまま自分の胸をつつきまわし、やがて開かされた足の間を擦られる。
無理に掴まされているとはいえ、自分で持った張型で自分の秘裂を弄るのは例えようもなく恥ずかしい。
逃げようとからだを捩ると、かえってさらにぱっくりとそこが開かれて、見せつけているように見えてしまう。
鏡越しに目があったシグルド様は笑顔だけは本当に爽やかで。
「真っ赤に熟れてきた、リヴェア。乳首も、ここも」
言っていることとしていることはとんでもなくイヤらしい。
色づいた胸の先を、果実をもぐように捻って引っ張る。
べっ甲のそれを小刻みに動かしながら撫で下ろす。
「ルード、こんな」
「いい音がしてきたし、ほら」
「あん!」
ぷちゅんと音を立てて、張型の先がナカに潜り込む。
先っぽだけを入れ、またすぐに引き出される。それが繰り返される。
ささやかだった水音が大きくなってくるのとともに、張型はより深く突き込まれていって。
「あああ、ルー、ド……!」
ぷるぷるとからだも声も震える。
シグルド様のそれに勝るとも劣らない、もしかしたらもう一回り大きく作ってあるように見える張型が深々と根元近くまで埋まっている。
つるりとした奇妙な感触。
冷たいような温かいような。
いや、だんだん自分の体温を移したかのように熱く感じられてくる。
「頑張ったな、リヴェア」
後ろから頬にくちづけをされ、胸を揺らされた。
声は優しいけれど、でも……
「あ!ルード!!」
「美味いか、リヴェア?」
じゅぽっ、と引き抜かれ、そして。
「はああん!」
ずぶずぶと埋め込まれる。
「ルード、あああ、ルード、だめ」
「俺のとどちらがいい?」
埋め込んだままぐりぐりと回されて陰毛がかき乱され、充血して真っ赤になった秘肉が張型を咥えこむさまが脳裏に焼き付く。
こういう姿勢は度々とらされて、鏡の前で抱かれるけれど。
でも、道具を飲み込んで濡らしているのを見せつけられるのは初めてだ。
浅ましくて、恥ずかしい。
「リヴェア、自分でやれそうか?」
「ルード、や……」
シグルド様はそっと手を放した。
私も放そうとするのをやんわり阻止され、手首を持ってそれを動かすよう誘導される。
「あん、ああ、ああん」
「上手だ、リヴェア、そうやってかき回すんだ」
見た目は凶悪なのに決して痛みはなくて。
むしろ、感じたことのない感触に徐々に引きずり込まれてゆく。
今度こそ本当にシグルド様は私の手を解放した。
私はソレを握ったままだ。
さすがに、誘導されているときほどは激しくないものの、新しい快感の芽を見つけようとするかのように自分で動かす手が止まらない。
「可愛い、リヴェア、気持ちいいだろう?」
「ああ、はあ、ああん」
「どうかな、リヴェア?」
「きもち、いい、あああ!」
シグルド様が陰核を擦った。
びりびりと電流が走るような感覚。
「あ、ああああ!ルード!」
「もっとよくしてやる」
「え……?」
膝立ちになったシグルド様は私を軽々と抱き上げた。
あそこに張型を突っ込んだままからだを浮かせた自分は本当に無様だけれど。
ずるりとそれが引き抜かれた。
「リヴェア、愛している」
「ルード?」
シグルド様は私を抱いて仰向けに寝転がった。
そして、次の瞬間。
「ルード!!」
張型の代わりにシグルド様の剛直が下から突き立てられた。
圧倒的な熱と猛々しさに全身が歓喜する。
張型なんか比べ物にならない。
頼もしくて気持ちよくて愛おしい。
気が付けば彼の胸に手をついて自分で腰を振っていた。
「リヴェア、可愛い、いい……っ」
シグルド様も私の動きにあわせて腰を弾ませている。
このまま、達するのだろうと。達したいと思ったのに。
尻肉を掴み、割り広げられた。
何かがあてがわれる。
もしや、と思ったときにはもう遅かった。
「やああああああ!」
自分の蜜に塗れた張型が後ろから突っ込まれた。
特大のそれをお尻に刺して、前にはシグルド様のものを咥えて。
シグルド様は力強く腰をグラインドさせ、下がってきた子宮に届く勢いで穿ち続ける。
張型に手をかけて後ろにも執拗に刺激を送る。
鍛えられた腹筋を生かして身を起こすと、のけぞって喘ぐ私の胸を舐めしゃぶる。
リヴェア、可愛い、愛している、とずっとずっと言っているけれど、衰える気配のない抽送と尽きない性欲には恐怖すら覚えるほどだ。
シグルド様はこんなにも激しい方だったなんて知らなかった。
……手加減してくれていただけなのか。
レオン様やオルギールとの行為はいつも激しくて濃厚だ。
ユリアスも然り。「休ませてやる」とは言ってくれているけれど、確かにほんのちょっぴりそうかもしれないけれど、でもいったん火が付くと若いだけに長い。
初めてが複数だったとはいえ、シグルド様がいちばん穏やかで爽やかだと信じていたのに。
「はああああああん!」
「リヴェア!」
ひと際深く、鋭く突かれ、私はようやく達した。
続いてシグルド様も。
---糸の切れた操り人形のように全身からくたりと力が抜けて、弛緩した四肢をシグルド様の上に投げ出す。
シグルド様も荒い息を吐いている。密着しているからだ全体からそれが伝わってくる。
彼自身がまだ入ったままだけれど、ようやくそちらも鎮静化したようだ。
「……リヴェア。可愛い俺の姫君」
少々恨みがましい目でシグルド様を睨んだつもりだけれど、効果なしらしい。
首だけ動かして、私の鼻面に軽くくちづけた。
甘い。優しい。
静かに頭を撫でられているとさっきまでの少々無体なほどの行為は夢だったのではないかと思われるほど。
……思っただけだ。
現実は厳しかった。
「疲れがとれないようならいいものがあるぞ」
シグルド様は私の耳の裏を擽りながら言った。
疲労困憊しているから何も言わずに耳だけ傾ける。
なんだろう。
「オーディアル領の特産品で、海獣のこうが」
「不要です」
みなまで言わせず、掠れ声ながらきっぱりと私は言った。
……精力剤でしょう、それ。使い方がおかしい。
オーディアル領の特産品は破廉恥すぎる。
ぷいと顔を背けた私を見ながら、シグルド様は声を立てずに笑う。
「手を舐めるだけで満足する男じゃないとわかったかな、リヴェア?」
よくわかりました。
参りました。
******
私の初めてのオーディアル城滞在は四日間。
ラムズフェルド城でユリアスに軟禁されたのと同じ日数だ。
外交で不在にすると期間に応じた日数のお休みがとれるらしく、それを私と過ごすために費やしたらしい。
もちろんレオン様もユリアスも不満を述べたが、不在中はシグルド様抜きで戯れていたわけだし(もちろん比ゆ的な意味である。夜のことだけだ)、外交時に日額いくらで支給される高額な「外務手当(営業みたいだ)」を全額返納して二人きりで過ごす権利をいわば買い取ったのだと。
オルギールは初日に役得でヤリまくったので多少遠慮したようだ。
ただし、四日目の朝、寝室にまで踏み込んできたけれど。
滞在の間、シグルド様の新しい嗜好を身をもって知った私は足腰が立たなくなっていて。
「医師として看過できません」
オルギールはそう言って私を外衣にくるみ、名残を惜しむ間もなくさっさと撤収させたのだった。
絶倫っぷりを存分に発揮した、否、発揮しすぎた感のあるシグルド様は引き止めこそしなかったものの「お前こそ自重しろ」と釘をさすことを忘れなかったらしい。私の耳にも三回くらい聞こえてきた。
ご心配なく、とオルギールはうそぶいていたけれど、経験則上、私はたいへん心配している。
彼が「医師として」と言うときはろくなことがない。えっち医者が外面を作る時だけなのだ。
「ではまたな、姫」
穏やかな笑顔でシグルド様は私を送り出す。
爽やかで、少しはにかんだような素敵な笑顔。
だがしかし。
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