溺愛三公爵と氷の騎士、と私。

あこや(亜胡夜カイ)

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お祭り騒ぎのその果てに 5.

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 日没まであとわずか。

 エヴァンジェリスタ城はもちろん、グラディウス三公爵の居城、ヘデラ城。城壁内のそこかしこ全てに次々と灯火が燈される。
 迎賓館でも賑々しい晩餐の仕度が整えられ、楽隊はさほど賑々しくはなく、しかしなんとなくわくわくとさせる明るい音曲をずっと奏でていて、あとは主宰者と賓客たちが揃うのを待つばかりとなっている。

 「……ったく月照祭だぞ。民は遊び惚けているのになぜ夜まで俺たちは仕事なんだ?毎年毎年」
 「まったくです」

 エヴァンジェリスタ公・レオンは唸るように言った。
 傍らのヘデラ侯、オルギールも短く同意を示す。

 月照祭は他国にまで広く知られた祭りである。
 グラディウスの版図各地でも大なり小なり月照祭は行われているのだが、むろん公都・アルバのそれが最も華やかであり、交流のある各国の使節もこぞってこの時期を狙って来訪し、しばらく滞在してゆくのだ。

 よって、民の賑わいとはうらはらに、意外にもというか当然と言うべきか、施政者たる三公爵、彼らのそば近く使える者たちは祭りの賑わいを横目に外交と賓客のもてなしに駆り出される数日が続くのだった。

 ご機嫌が悪いようだな。今年は特に、とお馴染みの副官二名、グイド・カエタノとマヌエル・ガリーニは目で会話して、余計なとばっちりを食わないよう極力気配を消した。

 リヴェア様がお隣におられればそうでもなかったろうにと考えていると、

 「リヴェアがいればな!」

 副官の心中に応えたわけではなかろうが、レオンは不満もあらわに嘆息した。

 「着飾ったあいつは目も眩むほど綺麗だし話は面白いし。リヴェアが隣にいればな……」
 「あなたがお命じになったのですよ」

 オルギールは容赦ない。
 そんなこと覚えてるとぶつくさ言うレオンを美しい紫の瞳で軽くにらむ。

 「リヴェア様だって客人と話をしてみたいと仰せだったのに」
 「あいつら、リヴェアの顔を見るのが目的だからな。その手にのってたまるか」
 「美しい、自慢の妻を見せるのも私は悪くないと思いましたが」
 「……今日の客はだめだ。女好きの遊び人だからな。あいつに会わせるのはよくない」
 「まあそのとおりですけれどね」

 そこ、頷くとこですかと副官二名は首を傾げる。
 客人がどれだけ女好きだろうと容姿が優れていようと、グラディウスの支配者たちの、特にこのお二人の足元にも及ばないだろうに、何の心配をしているのだろうとしみじみ思う。
 
 同意を求めるようにオルギールに従うジュスト少佐に目を向けたが、彼は主君に似たのかあまり表情を動かさない。とはいえ、知っている者からすればその顔は以前よりもずいぶんと穏やかなのだが。
 少佐からすればリヴェアが現れてからのオルギールの変化は何かにつけて好ましく微笑ましいと思っていたから、当然のことではある。苦労性のカエタノとガリーニたちとは異なる感想のようだ。

 と、不意にレオンは立ち止まった。

 「……おい」
 「はっ」

 いきなり振られて副官たちは内心飛び上がったが、そこは条件反射で間髪を入れず応答する。

 「客人にはちょっと遅れると言っておけ」
 「どうなさいましたか」
 
 と、こちらはオルギールである。

 「急用でも?」
 「リヴェアの顔を見てくる」

 レオンはきっぱりと宣言した。
 
 え、今からですかと副官たちがのけぞるのを綺麗に無視して「くさくさする。こんなときはリヴェアの顔を見るのに限る」と言った。

 「確かあいつはそろそろ居室にいるはずだろう?」
 「はい。午後は屋内訓練場で長剣と細剣の稽古と指導。その後は部屋へお戻りのはず」

 夫たちは愛する妻の予定は全て頭に入っている。
 いつでもどんな時でもちょっとでも時間がとれたら妻の顔を見る機会を逃さないために。

 ああまたお二人の気まぐれが始まった、と項垂れるエヴァンジェリスタ公付き副官たちをよそにさっさと踵を返し、居住棟へ目的地変更が決定した。訓練された親衛隊は顔色一つ変えずにそれに従う。

 「私もぜひご一緒に」

 リヴェアの顔を見る、という点においてオルギールが反論するはずはない。もちろんレオンと足並みをそろえる。
 ぜひそうなされませとジュスト少佐は静かに言って頷いている。止めるものが誰もいない。
 客人とはいえ気楽な使節団との晩餐である。確かに多少待たせても文句を言うものはいないだろうが。

 かくて主たちは衛兵を引き連れて階上へ向かい、その副官たちは賓客への場繋ぎと、多少質の高い食前酒や酒肴を供する指示をするべくその場に居残った。

 ------この後の騒動を思えば、誰かは止めたほうがよかったのかもしれない。


 ******


 先ぶれもなくリヴェアの居室へレオンとオルギールは現れると、侍女たちは震えあがった。 
 リヴェアが祭りに行ってしまったことを、侍女たちはついさきほど手紙で知らされたばかりだったのだ。

 ……ちょっとお祭りを楽しんでくる、公爵様方もオルギールも夜までびっしりと予定が入っていてバレないから大丈夫、夕食は多分外で済ませるが必ず健全な時間に戻る、お供もひとり連れてるから心配無用。
 
 と簡単にしたためられていて、卒倒しかけたのが一刻足らず前。すぐにバレて捜索隊などが出ないように、わざわざ時間指定で侍女のもとへ手紙を届けさせる周到さであった。

 夫君たちに知らせるべきか、いやバレないうちにお戻りならそれで何よりだし、でも万一のことがあれば死んでお詫びしても足りない、と胃に穴があくほど悩んでいたところへレオンとオルギールの登場である。

 「……何?リヴェアがいない?」
 「どちらへ?」
 「いつわかった?」
 「今まで手をこまねいていたと?」

 レオンとオルギールに代わる代わる畳みかけるように問い質され、ミリヤムとヘンリエッタ以下、リヴェア付きの侍女数名は顔面蒼白、泣きださんばかりである。

 レオンは気さくだし、オルギールは無表情ながら理由なく叱責することは絶対にない。侍女たちにとってリヴェアの夫たちは決して悪い主ではなかったが、ひとたびスイッチが入るとその圧たるや顔を上げることも困難なほどで、気の弱いものなら卒倒レベルであった。

 「申し訳、ございません!!」
 
 ヘンリエッタとミリヤムの二人が代表して、震え声ながらも懸命に涙をこらえて詫びる。

 「訓練からお戻りになるのが遅いと思いは致しましたが、よもや、このようなこととは……!」
 「わたくしどもも、半刻ほど前にお手紙にてっ……」
 「貸せ」

 差し出された手紙を一瞥し、レオンとオルギールは揃って渋面を作った。

 ……バレそうになったら気分が悪くて寝てるとでも言っておいてね。背格好の似たコが私の寝台に入っていてくれてもいいし。

 最後の追記を読み、能天気すぎると二人は苦虫百匹噛み潰したような顔をした。
 彼らに居留守も仮病も通用しないのだ。元気な顔を見られなければ寝顔でも見に来る二人なのだから。
 まして、気分が悪いなどと聞かされたら寝ていてもたたき起こして医師に診せることだろう。
 まあ、医師といってもそれもオルギールなのだが。

 「あいつめ、全くしようのないはねっかえりが……」
 「街歩きをしたいとたびたび仰せでしたが、黙ってゆかれるとは」
 「俺がそのうち必ず連れて行ってやると言ったのに」
 「私がいずれ必ずお連れすると言いましたのに」

 二人で似たようなことをぶつぶつ呟いたのち、ちらりと互いの顔を見てどちらからともなくため息を吐いた。

 「よほど行きたかったんだろうな」
 「そのうちでもいずれでもなく、すぐに」

 ぼやいているのか怒っているのか。おそらくどちらも正しいのだろうが、言っても詮無いことである。そして、侍女たちの監督責任が免れるわけではない。

 リヴェアからの置手紙をたたんで胸元へ入れると、レオンは鋭い金色の瞳を侍女たちへ向けた。
  
 「戻るまで待つわけにはゆくまい。だいぶ安定したとはいえ、この時期は不特定多数の者が出入りするからな。連れ戻さなくては……ミリヤム」
 「は、はい、……」
 
 侍女は一層深く頭を下げた。

 「午後、あいつは何を着ていた?あいつに頼まれて最近何か衣装を整えたか?」
 「何も、調達させて頂いておりません。それに……午後は剣術をなさるときの、練習着をお召しで……」
 「そんな恰好で街歩きには行くまいよ」

 レオンは面白くもなさそうに鼻を鳴らした。

 「あいつの男装は女どもが騒ぐからな。祭りにゆくなら町娘かお忍びの令嬢か、というとこだろうさ」
 「でしょうね」

 つまり、わからんということか。

 レオンが分析し、オルギールが頷く。実に正鵠を射た内容だったが後の祭りとはこのことである。

 「ところで、‘お供ひとり’とは誰だ」
 「リヴェア様にとって侍女を連れていても有事には足手まといでしょうから。親衛隊でしょうか」
 「リヴェアが羽目を外したら諫めるのも役目だろうに、よもや」
 「通常ならそんなはずはないのですが」

 オルギールはほんの一瞬動きを止め、考えをめぐらした様子だったが、不意にぎらりと宝石のような瞳を光らせた。

 「リリー隊長を呼べ」

 氷の礫のように鋭い声で短く命じる。

 「すぐにこちらへ」
 「恐れながら、ヘデラ侯爵閣下!」

 カツンと踵を鳴らし、レオンに従う親衛隊の一番兵らしき者が進み出た。

 「リリー隊長は本日非番。公爵夫人付きの本日の一番兵はベニート殿かと。お二人ともお召しになりますか?」
 「非番だと?」

 気色ばんだのはレオンである。
 ひっ、と侍女の誰かが怯えて息をのむ声がした。

 「……失礼、レオン様」

 オルギールはリヴェアの居室に飛び込み、彼にしては乱暴に扉を閉めた。
 レオンはそれを目で追うこともなく、あわれな一番兵を鋭い仇敵を見るように睨み据えた。

 「よりにもよって今日、リヴェアが祭りに出かけた日に?非番だと?」
 「は、確か、かなり以前に予定をいれていたはずでして」

 一番兵も顔色を失ってはいたものの、そこはレオンに従ってそれなりの場数を踏んでいるからか、声を励まして続けた。

 「なんでも、城下の実家へ行くとか」
 「お前、よく知ってるな」

 その一番兵は、アルフと個人的に交流があったのである。

 「は。三日ほど前、食堂にて」
 「ふん、どこまで本当かな」

 レオンは吐き捨てた。
 端正な口元を皮肉っぽく歪める彼は、日々色々な表情を目にする親衛隊たちにとっても何度見ても恐ろしい。

 「大至急、隊長の実家に一個小隊差し向けろ。届け出どおりならいるはずだ」
 「は!」
 「むろん、居室も調べろ。彼のなじみの酒場なども。足取りは念のため全て追え」
 「はは!」
 「アルバを封鎖しろ。急げ!」
 「心得ました!」
  
 捕物のような物々しさだが、異を唱えるものなど誰もいない。
 たちどころに彼の指示を実行するべく数名の兵士が隊を離れて行った。
 
 「ミリヤム。ヘンリエッタ」
 「は、ははっ……」
 「はい、」

 震えつつも固唾をのんで見守る侍女を振り返ってレオンは言った。

 「お前たちの責は後日問う。とりあえず今は次の指示を待て。侍女ら全て交代させるな」
 「は、レオン様、仰せの通りに」
 「かしこまりましてございますっ……」
 「呼ぶまで入るな」

 言うや否や、リヴェアの室内へ長身を滑りこませる。
 
 ぴったりと、扉は閉ざされた。


 「どうだ?あれらはなんと?」
 
 天井へ向けて顎をしゃくって、レオンはオルギールに問いかけた。
 
 「只今、最新の情報を寄せるよう命じておりますが」

 オルギールはいつもの無表情ながらも見るものが見れば相当不機嫌そうに見える。

 「午後、城をでられたようです」
 「誰とだ」
 「フードをかぶっていて連れの髪色はわからないと」
 「馬は。ステラは?」
 「厩舎におります。目立つからおいて行かれたのでしょう」
 「くそ、あいつ……」

 レオンはいささか品のない悪態をついた。

 「追ってるんだろうな」
 「見失ったそうで」
 「なんだそれは!?」

 ばさり、と輝く純金色の髪を振り乱しながら、リヴェア愛用のソファの背を指が白くなるほど力を込めて握りしめた。

 「‘影’だろう!?なぜ見失う?」
 「今は祭りでごったがえしておりますでしょうし、それに」

 オルギールはわずかに肩の力を抜いて微笑んだ。

 「リヴェア様の尾行術は右に出るものがおりません。尾けるのも、捲くのも」
 「お前よりも?」
 「それはわかりかねますが」

 不適にオルギールは言った。

 「あの方を追って街へ出たのは影らの中でも中堅といったところ。まあ、あの方が本気になられたら見失うでしょう」
 「あいつ、本気もなにも。味方を撒いてどうするつもりだ」

 レオンは天を仰いだ。

 「腕に覚えがおありですから、追いつけないほうが悪いくらいにお考えなのでは」
 「……かもな」
 
 レオンは目を閉じたまま薄く笑う。

 「リヴェア。……君は、なんだってこう危機意識が……」
 「誰を連れているのか。あるいはその者とも別れて単独行動をしておられるのか」

 オルギールの瞳が妖しく光る。
 
 「リリー隊長は非番だそうで?」
 「ああ。たまたま?かどうか知らんが」

 二人、黙って目を見交わした。

 ウルブスフェルで二人が街を散策したらしいことは苦々しいと言ってもよい、さほど古くもない出来事。
 特に、オルギールの記憶は鮮明だ。
 海辺の洒落た茶店。赤面してぱくぱくと菓子を口に運ぶリヴェア。蕩けるように甘い瞳を向ける男。
 自分が行かなければいつまで一緒にいたことやら。

 「男の実家へ兵をやった。あと、街も一時封鎖を命じた」
 「……よろしいのでは」
 「シグルドとユリアスには?」
 「あれらに伝えさせました。お二人、どちらかは街へ出て頂くほうがよいかもしれませんので。……祭りの最中、一時的にとは申せ街を封鎖とはそれらしい体を装う必要があろうかと」
 「だろうな」
 
 各国使節、間諜たち。善良な民衆。月照祭中日の今日、賑わう街を宥めつつ封鎖するのはなかなか困難ではあるが、探し物をするのに出入口をふさぐことはやむを得ない。

 人払いを申し付けてあるため、広い室内はしんとしている。
 仄かに焚かれた香。そして、レオンならば嗅ぎ分けるリヴェア自身の微細な残り香。
 あって当然、と考えていた愛しい姿が見えないだけで、ことさらに寒々しく、がらんとして見える部屋。

 たかがお忍びの街歩き、かもしれない。
 そしてリヴェアは強い。おそらく、熟練の兵士数名分程度には。

 でも、と彼らはいつも思う。
 どれほど個人的に強くても、万一ということはあるのだ。
 どれほど詳細に街の地図を暗記していても、実際にこの街で育ったわけではない。
 ましてや、異世界人なのだ。賢いくせに世間知らずなことは少し見ればわかること。

 「とりあえず、宴席へは顔を出すか」

 部屋を出た二人は再び衛兵を従え、面白くもない虚飾と喧騒に満ちた迎賓館へと向かった。

 ------影たちのもたらす次の情報はなかなか届かないらしい。
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