溺愛三公爵と氷の騎士、と私。

あこや(亜胡夜カイ)

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そしてそれは封印された。~姫将軍の熱血指導~7.

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 内腿を伝って自分が零したものが滴り落ちる。
 寝台の敷布に広がる染みの色が、またその濃さを増してゆく。
 時間の感覚がない。たぶん、もう日は落ちたと思うけれど。 
 金色、銀色。まるで美しい獣のような夫たちの生餌になっている。
 
 その日、再び始まった行為は決して甘いだけのそれではなくて。
 延々と執拗にいたぶられ続けている。まるで、肉食獣が喰らう前の獲物をおもちゃにするように。
 数えきれないほど絶頂させられているのに、二人ともまだ与えてくれない。
 熱い、確かなものを。彼らの雄そのものを、握らされ、擦り付けられ、喉奥まで咥えさせられ、何度も飲み下ろして。
 全身に唾液と、汗と、二人の白濁をまつわりつかせているというのに。
  さっきもそうだ。鍛錬場から寝所へ連れ込まれてからずっと、一番欲しいものを与えてくれない。
 欲しくて欲しくて、私のそこは耳を覆いたくなるような水音をたてているというのに。

 まだ、くれない。


 「ひゃう!あ、ああああんっ!!」
  
 のけぞって白い喉を晒して、リヴェアはまた達した。
 もう両手をつく力は残っておらず、腰だけを高くあげさせられている。
 白い、形のよい尻を撫でまわされ、左右に開かれて、愛液に塗れた秘所も、そこにつながる慎ましやかな菊座までもが夫たちの凝視に晒されている。
 
 「可愛いかっこうだな、リーヴァ。……丸見えだ」
 
 くくっ……と含み笑いをしながら、レオンは長い指をさらに深く侵食させてナカを引っ掻いた。

 「ああ!やあああ!!」

 大きく尻が弾んで、新たな蜜が噴き出した。
 紅色の割れ目にレオンの指を何本も咥えこんだまま、びしゃびしゃと卑猥な水音が高まる。

 「ここにも欲しいか?リーヴァ」

 震える後ろのすぼまりにレオンは愛液を塗り広げながら問う。
  
 「や!そこは、やあ……」

 尻を突き上げたまま必死に首を捩じって振り向けば、淫蕩な笑みを浮かべるレオンを視界に捉えてまた全身を震わせる。
 金色に瞳の奥に情欲の炎が透けて見える。視線を絡ませるだけでその熱に体ごと溶かされそうだ。

 「お尻、いや、レオンさま……」
 「そうだな、今はやめておくか」
 
 ぬらりぬらり、とその周辺だけに愛液を纏わせたのち遠ざかった指は、次の瞬間またも秘裂の奥深くへ突入する。
  
 「あああ!や、また……っ」
 
 ビクン!とからだを硬直させ、それでもまるで愛撫をねだるかのように高々と差し出された尻を抱えると、レオンの片手が前に回って、硬く勃ち上がった肉粒をすぐさま探しあて、摘まみ上げる。

 「あああああ!!」
 
 ぷしゅ、と小さく音をたてて、また蜜が吹きこぼれた。
 イキっパなしかリーヴァ、かわいいな、とレオンは愛し気に呟き、その甘い声音とは裏腹に、尻から前から両手を使ってリヴェアの秘所を激しく苛め抜く。
 リヴェアは絶叫しながらいやいやをするように腰を振ったが、もの欲しそうに、かえって煽るようにレオンの下肢に臀部をこすり付けているようにしか見えない。
 リーヴァ、と低く呟いて、レオンも張りつめた屹立をリヴェアの大腿にあてがい、愛液と先走りを混ぜ込むように擦り付ける。

 「ああ、ああああん!や、レオン、さま、ああ、もう、……!」
 「もう、なんですか、リア?」

 ぬらり、と熱い舌がリヴェアの耳朶を這った。

 滑らかに響くオルギールのテノール。
 今は滴るような色気に塗れて、それさえも愛撫の一つのようにリヴェアの耳の中まで侵入する。
 うつ伏せのリヴェアを優しく抱え起こし、喉元から顎を撫で上げてそのまま耳朶を舐め回す。

 「もう?それから?続けて、リア?」
 「あ、ひゃうっ!」

 オルギールの指がリヴェアの胸の果実をきゅう、と摘まんだ。
 親指と人差し指で糸を縒るように弄り、空いた指と、手のひらを使ってゆたかな胸を揉みしだく。
 指に挟まれた赤い果実は充血しきって痛いほどに硬く膨れてその形を変えた。

 「オルギー、ル、ふ、んん……!」
 
  続けて、と言ったのに、オルギールは言いかけたリヴェアの唇に自分の唇を重ねた。
 舌を入れ、絡ませ、咥内の隅々まで舐めて、唾液も吐息までも吸い上げる。
 胸の愛撫も続けたまま、激しく淫らな口づけを施すと、ようやくリヴェアが甘く鼻を鳴らし始めた。
 レオンもリヴェアの秘所を前後から蹂躙しつつも、リーヴァ、俺にも聞かせてくれ、と艶のある掠れ気味の美声で背中を舐めながら言う。

 「ね、リア?教えてくれますね?」

 わずかな抵抗らしき力が抜けた頃合いを見計らって、オルギールも囁いた。

 「レオン、さま、オルギール、……」

 頭の中に桃色の霞がかかったような。
 夢と現実の中に揺蕩っているような心地なのに、二人の夫が求めているのはとても恥ずかしいことだ、とどこか遠くの自分がブレーキをかける。
 
 それでも、

 「あんん!ひゃあああああ!!」
 「リーヴァ、今日はこれでやめておくか?」
 
 意地の悪い言葉とともに、肉粒がきゅうと摘ままれ、引っ張られる。

 「あああああああ!」
 「リア、‘もういや’、ですか?」

 胸の飾りを引っ張られた。

 「ああ!もう、お願い、もう……!」
 「‘もう我慢できない’?リア?」

 ああん、はあん、と喘ぎながら、リヴェアは必死でこくこくと頷きを返した。
 
 気が狂いそうだ。
 絶頂を極めさせられたまま、今日はずっとこんな調子だ。一番欲しいものはお預けのまま。
 彼らだってもうとっくに数えきれないほど欲を放っている。
 どんなに無様でも、お願いしなかったら、もしかすると本当にこれで終わってしまうのかもしれない。
 だから、オルギールの助け舟に飛びついたのに。はしたないくらい何度も頷いたのに。

 ふ、とオルギールが笑う気配がした。

 「じゃあ、ちゃんと言わなくては。でしょう、レオン様?」
 「ああ。リーヴァ、わかるように教えてくれ」
 「え……?」

 ぴたり、と全ての刺激が停止した。
  
 急激に思考の霞が解けてゆく。
 けれど、何刻にもわたってさんざん嬲られたからだは、媚薬でも飲んだように火照りっぱなしだ。

 「ちゃんとねだって、欲しがってくれ、リーヴァ」

 悪魔的なレオンの美声が聴覚を犯した。
 振り返ると金色の瞳を柔らかく細められ、甘やかされているかのように錯覚してしまう。

 「そんな、レオンさま、……」
 「たいしたことじゃないでしょう、リア」

 声だけは優し気にオルギールは言った。
 リヴェアの瞳を覗きこみ、頬にそっと唇を寄せられる。

 「こんなに我々が愛しているのに、他の男を好ましく思うなんて。傷つきましたよ、リア。……お願いですから、あなたからねだって下さい。わかるように、はっきりと」

 まさかの、淫語プレイの要求だった。

 「そんなの」
 「いや、ですか、リア?」
 
 悲しいですね、とほんのわずか、秀麗なおもてを曇らせて、オルギールは言った。
 ずくん、と胸が疼く。
 本気で悲しがってるはずがない、と自分に言い聞かせていても、こちらが悪いような気になってしまう。

 「リーヴァは冷たい。……もう満足したのか、今宵は」

 からだを起こす気配がして、膝立ちのままのリヴェアを背後からレオンの長い腕が包み込む。
 つれないな、こんなに愛してるのにとうなじの匂いを嗅ぎながら、リヴェアがこれに弱いと分かった上でその美声で囁きかける。
 
 満足なんかしていない。
 こんなにもからだが熱いのに。ナカが疼いて苦しいくらいなのに。
 二人とも、わざと言っている。
 ずるい。くやしい。なのに。
 
 ──拒否、できない。

 「やだ、やめないで……」

 おずおずとリヴェアは言った。
 とたんに夫たちの目が光ったが、薄暗がりでは目を凝らさなければ見えはしない。

 「君が望むなら、どれだけでも」
  
 ちゅ、とうなじに吸いつかれ、赤い花びらが散った。
 
 「やめませんよ、リア。……でも」
 
 もっと欲しがって。我々を求めて。

 オルギールが先を促すようにリヴェアの半開きの唇を舐める。
 二人の手が、またもゆっくりと蠢き始めた。
 
 「は、ああん、……」

 後ろから回された手がリヴェアの陰毛を擽り、前から伸びた手がリヴェアの尻をゆっくりと撫でまわす。
 ゆたかな胸が二人の夫たちの手の内で穏やかに揉み込まれる。
 二本の屹立がまたも先走りを滴らせながら押し付けられ、もっと先の行為を要求する。
 一度冷えかけた思考は、ささやかな、けれど的確な愛撫によってまたすぐに煽られ、熱をもってリヴェアの理性を奪ってゆく。

 「……お願い、もう、いれて」

 はあはあと息を切らしながらリヴェアは言った。

 夫たちが淫靡な笑みを浮かべる。
 愛しい妻。清廉な美貌。真っ直ぐな可愛いリヴェア。 
 堕ちればいい、と、心から思う。
 閨の中ならいくらでも。底知れぬ深みまで、堕ちればいい。堕ちて、自分たちと気がふれるほどの悦楽に浸ればいい。
 
 「リア。……もう一度、言って?」 

 ちろり、とまた紅い舌が伸びてリヴェアの頬をかすめた。

 「ちゃんと、聞こえるように……リア」
 「お願い、いれて。がまん、できないの」
 「リーヴァ。何を入れる?」

 指ならさっきと同じだな、とからかうように言って、陰毛をかき分けて秘裂をなぞる。
 ひくん、と大きく波打つからだを受け止め、拘束を強くしてゆく。

 「リーヴァ。いやらしくねだってみてくれ。……何を、どうしてほしいか」
 「目を逸らせてはだめですよ、かわいいリア。こちらを向いて」

 くい、と、乱暴ではないがけっして抗えぬほどの力で顎を持ち上げられ、オルギールと、背後から覗きこむレオンに視線を合わされた。

 金色、紫色。大好きな夫の、宝石のような瞳は欲に塗れた雄そのものだけれど。
 怖いくらいに、真剣だった。
 こんなに愛しているのに。他の男を少し褒めただけで、ここまで必死になるなんて。
 まだ、頭の中のどこかで「恥ずかしい」と思う。言われるがままにイヤらしい言葉など言いたくはない。
 
 でも。
 もうそんなことはどうでもいい。 
 夫たちの熱が欲しい。もっともっと奥まで、激しく──

 「……お願い、レオンさま、オルギール」

 喘ぎすぎて掠れた声で、それでもリヴェアは必死に声を張った。
 
 「硬いの、欲しいの。レオンさまと、オルギール、の、それ……」
 「それ、じゃだめだリーヴァ」
 「……レオンさまと、オルギールの、おちんちんを、いれて、下さい」
 「どこに?」
 「わたしの……」

 卑猥な女性器を表す言葉を口にさせられて、皮肉にも自分の言葉に煽られて内側から疼きが増してゆく。
 早く欲しくて泣けてくる。こんなに淫らなのに、泣いてお菓子を欲しがるこどもと同じように泣くなんて、どうかしていると思う。

 けれど、もうからだは羞恥を捨てたらしい。
 真珠色の繊手で夫たちに縋りついた。

 「おねがい、早く、突いて、めちゃめちゃにして……!」
 「リーヴァ!」
 「リア……!」

 望み通りの言葉を得て、二人の夫たちは勢いづいた。 
 慌ただしく互いの位置を入れ替えオルギールが背後に回ると、後ろからリヴェアを羽交い絞めにした。 
 両胸を鷲掴みにして揉み倒し、胸の先端を擦り、捻り、たまにリヴェアの腋下から銀色の頭を潜り込ませ、掴んだ胸を引き寄せて音を立ててしゃぶり上げる。
 前に回ったレオンは膝裏を持ち上げて大きく足を開かせ、とっくに蜜で濡れた秘所を暴くと、赤黒く反り返る剛直をあてがうやいなや一息に最奥を穿った。

 「ああーーーっ!!」
 「ぐ、あ、リーヴァ……っ!」

 長時間にわたって挿入なしに絶頂をくりかえしていたリヴェアは、最初の一突きでたやすく昇りつめ、白い喉を反らせて絶叫した。
 リヴェアの蜜壺の熱さと締めつけにレオンは吐精を堪えて低く呻く。
 が、すぐに体勢を立て直した。ざらざらとした膣壁のある一点を探り当て、切先で激しく責め立てる。
 リーヴァ、愛してると恐らく自覚もないままに繰り返し口にし続ける。
 
 「ああ、レオン、さま、今、イってるから、だめ……っ!!」
 
 達して震える柔襞を執拗にこじられ、狂うほどの快感を逃がそうと四肢をばたつかせようとしても、レオンは指のあとがつくほど強く細腰に手をかけ激しく腰を叩きつけて、妻の胎内を味わった。

 「レオン、さま、また、イっちゃう、イく、あ、ああああああ!!」
 「リーヴァ、存分に、味わえ……!」

 下がってきた子宮に叩きこむように熱の奔流を注ぎ込む。
 声をあげてのたうつリヴェアの、その白い喉に、獣さながらにむしゃぶりつき、舐め、歯を立てる。


 
 「……リア、こちらを見て」

 荒い息を吐くリヴェアをオルギールは軽々と抱き起こした。
 ずるりとレオンの雄が抜け落ちると同時に、どれほどの量を放ったのか、こぷりと愛液と入り混じった白濁が流れ落ちる。

 はあ、とリヴェアはその刺激だけでまた悩ましい吐息を漏らした。

 「リア。私も、味わって」
 
 抱き起したリヴェアを胡坐をかいた上に引き寄せ、隆々とそびえ立つ剛直の上に落とし込む。

 「ああーーーーーーーーっ!!」
  
 自重も相まってすさまじい刺激が全身を貫く。
 狩られた若鹿のように背を反らし、しなやかなからだを硬直させた。

 「リア、リア。……はなさない、リア。ぜったいに」

 滑らかなテノールが激しい欲を滲ませてリヴェアの思考さえも絡めとってゆく。
 跳ねるからだを尻を掴んで押さえつけ、下から腰を突き上げてリヴェアの胎内を蹂躙する。
 オルギールの胸板に潰され、擦れる胸からも痛みと紙一重の快感を拾って、リヴェアはむせび泣いた。

 「あん、あああん、もう、オルギール、オルギール……!」
 
 何を言っているのか、もう自覚などない。
 喘ぎ、悶え、残酷なまでに激しい愛撫に応えるだけ。
 リヴェアが細腕を伸ばし、オルギールに縋りつく。
 リア、リヴェア、と限りなく甘やかにオルギールは妻の名を呼び、激しくくちづけながら肉楔で切りつけ、穿ち続けてやがて吐精した。

 その後もリヴェアが気絶するまで行為は続けられた。
 獣の姿勢で前から後ろから打ち込まれ、咥内に、胎内に多量の白濁を注がれて。
 最後には朦朧とするリヴェアの後孔も、蜜壺と同様に犯された。
 浴室へ運び込まれ、体を清めてから、そこでもまた、湯で温まり、ほの紅く色づいたからだを存分に堪能する。
 睡姦、とまでは至らなかったものの、意識をなくすその瞬間まで、レオンとオルギールはリヴェアを貪った。
 
 ──二度と体術指導はやめよう、とリヴェアは遠のく意識の中で思った。
 そして、「好感度」なんてなんで言ってしまったんだろう、とも。
 もう二度と言うまい。


******


 その後。

 当然と言えば当然だが、姫将軍じきじきの熱血指導は即日打ち切りとなった。
 残念なようなほっとするような。親衛隊員たちは複雑な思いで頷きあった。
 
 だがしかし。

 「皆に強くなってほしいから」と程なくして体術訓練は再開となった。
 ざわめく隊員たちの前に、リヴェアに一礼して、オルギールが進み出る。

 「私が閣下の意向を承り、引き継ぐこととなった」
 
 全身、黒づくめである。‘影’さながらの禍々しいとさえ言える姿に、隊員は震えあがった。

 「一人か二人、前に出てもらおうか。手始めに私と手合わせを」

 端麗な唇がその名を告げる前に、隊員たちはそれはもう整然と、速やかに二人を残して後退した。

 ‘リヴェア命’を隠そうともせず、常日頃からもっともヘデラ侯の風当たりが強いアルフ・ド・リリー隊長と。
 金褐色の髪、翡翠色の瞳の美丈夫。──怖いもの知らずとはこのこと、御方様の熱血指導を進んで受けたガストン・ニジェールである。

 お前らよくも、とか覚えてろとか聞こえたが、隊員一同、無の境地で黙殺した。
 どっちみちヘデラ侯の標的など決まっているのだから。

 悲愴な顔つきで視線を泳がせると、壁際近くに下がったリヴェアと目が合い、笑顔を向けられる。
 かわいいな!とほぼ同時に二人とも思ったが。

 「アルフもガストンも。とりあえず頑張ってみてね」

 ものすごく微妙な応援に、二人は戦う前から肩を落とした。

 「オルギール、絶対に殺しちゃだめよ、できればケガもさせないでね」

 できれば、って何ですかと一同は哀れな二人を見ながら心の中でツッコミを入れた。 
 
 「二人同時でもよいが。……これは戦闘ではないからな。一対一の方が学ぶ者にはよかろう。──では」

 オルギールは氷の微笑を浮かべた。

 「ガストン・ニジェール。ずいぶんと熱心に指導を受けていたな。見せてもらおうか」

 ‘万能のひと’、‘軍神’と呼ばれるヘデラ侯の冷気をまともに浴びて、ガストンは蒼白になった。

 御方様の熱血指導。あの時は昇天するかと思った。
 今は物理的に、マジで昇天させられるかもしれない。
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