モブキャラ男子の恋愛事情

大吉祭り

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モブキャラ男子の挑戦!

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 「皆んなには、これから委員を決めてほしいと思います」


 桜さんにノートを渡したその日、先生は簡単な挨拶をすると、聞き覚えのある単語を放った。
 委員決め。


 「まさかさっきまで話してたことが、急にくるなんて。まだ覚悟決まってないのになぁ」


 そう思いながら、チラッと隣の席の本田さんを見てみる。
 なんというか、いつもキラキラしてるんだよな。

 僕は正直、本田さんほど目立つ存在になりたいわけではない。
 少し、ほんの少しだけ、今よりも成長して、モブキャラ卒業をしたいだけ。


 「じゃあ決めていくぞ~」


 いよいよ始まる。
 桜さんが僕のために考えてくれたことなんだ、やらなきゃ意味がないし、申し訳ないよな。

 とは言え、委員も種類が多い。
 やるにしたって、どれになればいいのか。



 僕が悩んでいる間にも、いくつかの委員が決まっていく。
 中学や一年の時やっていたという人も多い中、残るは生徒会と学級委員会。

 狙いの図書委員は、抽選で外れてしまい、いよいよ後がない。
 残りの二つは、去年もそうだったがなりたい人が少ない。

 だからなろうと思えばなれるんだが……
 ハードルが高い!

 さすがに、他の委員はともかくとして、いきなり生徒会や学級委員は。


 「じゃあ次は学級委員を」


 いよいよか。
 桜さんの作戦のためには、もう生徒会かこれかの、二択しかない。

 正直生徒会は嫌だなぁ。
 ハードルもトップクラスのものだし。

 だったら!


 「やりたい人いますか?」

 「はい!」


 一応説明すると、今言ったのは僕じゃない。
 僕も手を挙げてはいるが、静かなものだ。

 じゃあ誰が?
 声のする方を恐る恐る見ると。


 「じゃあ本田さんと佐藤くん、お願いしますね」

 「はい!」


 本田さんだった。
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