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5.朝
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皆さん、朝起きる寸前の、意識が少しづつ浮上する感覚は、誰しも一度は経験したことがあると思います。その時に、「何故か苦しい」と感じたことあるでしょうか……
「んぅ~……ん、にゃぁ~……」
ただいま俺は、俺の上に乗っかってヨダレを垂らしている花柳彩︎華に頭を悩ませています。何に悩んでいるというか、ヨダレを垂らされたこと?俺の上で寝ていること?いえ、違います。
「んぁ~ん……はたのぉ~……」
初恋の花柳が俺の名前(苗字)を呼びながら甘い声(寝言)を発していることだ。
「何をどう間違えたらこうなるんだよ……」
幸い今日は土曜日。2人で家具や生活必需品の買い出しに行く予定を立てている。だからまぁ、別に起こしても問題は無いのだが、なにせ気持ちよさそうに寝ているから起こしずらい…なるべく俺が少しだけ動くことで何とか目を覚ましてくれ、と神頼みするしかない。
そんな感じでしばらく動いていたら遂に花柳が起きてくれた。しかしここでもまた1つ問題が起きた。
「んぅ…まなかぁ~…動かないでよぉ……」
「えぇ、寝たし……」
どうやら俺は別の誰かに間違われているようだ。花柳からはよく弟くんの話を聞いていたからきっとその『まなか』くんは弟くんなのだろうと推測できるが、知らない名前が出てくるとモヤモヤするのは嫉妬心だろうな、と独りごちた。
気がつけば現在時刻は午前10時30分。そろそろ家を出なければ予定が狂ってしまう。心を鬼にして未だに寝ている花柳をなるべく優しく抱えて布団に乗せる。まるで腕の中で眠ってしまった赤ん坊を布団に寝かせるような感じがする。
しかし……
「んっ……んぅ~………?」
「やべっ、起こしちまったか…?」
このように、花柳を布団に寝かせようとすると起きてしまうのだ。さながら背中にセンサーが付いている赤ん坊のよう……花柳は赤ん坊だったのか?このやり取りを実に3回行っている。起こしたくないが俺だって朝食を作ってさっさと買い物に行きたい。この際このまま放っておくのもありだろう…と思い、花柳を布団に下ろしたまま顔を洗うために洗面台に向かう。
「…まぁ、布団は同じだけど、空気は違うから寝付けないよな~…」
今日の買い物で、ナイト用香水みたいな、安眠できるナイトグッズがあったら花柳の気に入るやつを買って試してみてもいいなーと考えながら顔を洗って目を覚ます。現在時刻は11時を目前としていた。
「向こう着いたら昼飯食べて買い物か?…流石に花柳も起きただろ…」
今日俺たちが行く大型ショッピングモールはここからバスで20分ほど。到着した頃には少し早い昼飯にありつけるだろうと思い、なるべく11時近辺で出発できるように準備を始めた。愛用の肩掛けバッグにスマホと財布、エコバッグ2つ、モバイルバッテリー、家具は配送してもらう予定だから一応ボールペンと判子を入れて、何かあった時ように通帳も入れて……と一つ一つ確認しながら準備をしていたら寝室の方からガタガタッ!と物音が聞こえた。ようやく花柳が起きたのか、それとも寝相が悪すぎてどこかに身体をぶつけたのか。色んな憶測が飛び交う中、半分呆れ気味で寝室のドアノブに手を掛けた。
「花柳ぃー?マジでそろそろ起きてくれー?」
ガチャ…っと、とりあえずそっと扉を開けて視線を花柳がいるであろう布団に向けるが、
「…花柳?」
なぜか布団に花柳がいなかった。
「花柳?…花柳!おい!」
窓は鍵がかかったまま、タンスや押し入れも荒らされた形跡がない。あの物音から時間は経っていない。まだ近くにいるはずだ、と思い寝室のカーテンを開けたら、
「花柳…?」
「ぅ…うぅ~………グスッ」
「んぅ~……ん、にゃぁ~……」
ただいま俺は、俺の上に乗っかってヨダレを垂らしている花柳彩︎華に頭を悩ませています。何に悩んでいるというか、ヨダレを垂らされたこと?俺の上で寝ていること?いえ、違います。
「んぁ~ん……はたのぉ~……」
初恋の花柳が俺の名前(苗字)を呼びながら甘い声(寝言)を発していることだ。
「何をどう間違えたらこうなるんだよ……」
幸い今日は土曜日。2人で家具や生活必需品の買い出しに行く予定を立てている。だからまぁ、別に起こしても問題は無いのだが、なにせ気持ちよさそうに寝ているから起こしずらい…なるべく俺が少しだけ動くことで何とか目を覚ましてくれ、と神頼みするしかない。
そんな感じでしばらく動いていたら遂に花柳が起きてくれた。しかしここでもまた1つ問題が起きた。
「んぅ…まなかぁ~…動かないでよぉ……」
「えぇ、寝たし……」
どうやら俺は別の誰かに間違われているようだ。花柳からはよく弟くんの話を聞いていたからきっとその『まなか』くんは弟くんなのだろうと推測できるが、知らない名前が出てくるとモヤモヤするのは嫉妬心だろうな、と独りごちた。
気がつけば現在時刻は午前10時30分。そろそろ家を出なければ予定が狂ってしまう。心を鬼にして未だに寝ている花柳をなるべく優しく抱えて布団に乗せる。まるで腕の中で眠ってしまった赤ん坊を布団に寝かせるような感じがする。
しかし……
「んっ……んぅ~………?」
「やべっ、起こしちまったか…?」
このように、花柳を布団に寝かせようとすると起きてしまうのだ。さながら背中にセンサーが付いている赤ん坊のよう……花柳は赤ん坊だったのか?このやり取りを実に3回行っている。起こしたくないが俺だって朝食を作ってさっさと買い物に行きたい。この際このまま放っておくのもありだろう…と思い、花柳を布団に下ろしたまま顔を洗うために洗面台に向かう。
「…まぁ、布団は同じだけど、空気は違うから寝付けないよな~…」
今日の買い物で、ナイト用香水みたいな、安眠できるナイトグッズがあったら花柳の気に入るやつを買って試してみてもいいなーと考えながら顔を洗って目を覚ます。現在時刻は11時を目前としていた。
「向こう着いたら昼飯食べて買い物か?…流石に花柳も起きただろ…」
今日俺たちが行く大型ショッピングモールはここからバスで20分ほど。到着した頃には少し早い昼飯にありつけるだろうと思い、なるべく11時近辺で出発できるように準備を始めた。愛用の肩掛けバッグにスマホと財布、エコバッグ2つ、モバイルバッテリー、家具は配送してもらう予定だから一応ボールペンと判子を入れて、何かあった時ように通帳も入れて……と一つ一つ確認しながら準備をしていたら寝室の方からガタガタッ!と物音が聞こえた。ようやく花柳が起きたのか、それとも寝相が悪すぎてどこかに身体をぶつけたのか。色んな憶測が飛び交う中、半分呆れ気味で寝室のドアノブに手を掛けた。
「花柳ぃー?マジでそろそろ起きてくれー?」
ガチャ…っと、とりあえずそっと扉を開けて視線を花柳がいるであろう布団に向けるが、
「…花柳?」
なぜか布団に花柳がいなかった。
「花柳?…花柳!おい!」
窓は鍵がかかったまま、タンスや押し入れも荒らされた形跡がない。あの物音から時間は経っていない。まだ近くにいるはずだ、と思い寝室のカーテンを開けたら、
「花柳…?」
「ぅ…うぅ~………グスッ」
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