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第一章〜はじまりの森〜

森の主と鳥の私

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 しばらくの間パニックになっていたが、周りにいる可愛い動物たちの「大丈夫~?」という声を聞いて落ち着いた。

『ピー……、ピピピ! (はぁー……、ありがとう!)』
『我はこの森の主のフェンリルだ。お主のことはアルテミア様から聞いておる』

 目の前にいる狼、じゃなくてフェンリルは私が落ち着いたのを見るとこう言った。

『アルテミア様を知ってるの?』
『もちろん。ここは神の世界に1番近いところと言われている。たまにアルテミア様からお告げがくるのだ』
『へぇー』

 お告げには
〈異世界から転生してきた方を送ります。前の世界とは色々と異なることがあるので、とりあえず魔法を使えるように、また飛行が問題なく行えるようになるまで面倒を見てください。その後の生活は本人の自由です〉
と書かれていたそうだ。

 この世界に送って終わり、じゃなくてしっかり生活できるようにしてくれるなんて……
 アルテミア様は本当に優しくて素敵な神様だ。
 今度教会に行った時にちゃんとお礼を言おう!

 すると周りにいる動物達が『ねぇねぇこの鳥さんこれからここに住むの?』とフェンリルに聞いた。

『これからお主はどうするのだ? ここに住むというのなら歓迎するが』

 もふもふに囲まれてのんびり生活するのもいいなぁ……いや、私は旅がしたいんじゃ!

『私は旅して世界中を回りたいと思う!』
『そうか、だが色々と使いこなせるようになるまではここで生活するんだぞ』
『うん! よろしくお願いします!』
『鳥さんと一緒に生活できるの~? わ~い、よろしくね~』

 話が一段落したところで、改めて自分の姿を確認してみる。
 もちろん鏡はないし近くに反射するようなものもないため、全身は見えない。
 
 体は毛で包まれていて、見た目はめっちゃふわふわだった。
 でも人間とは全く違うからどう動けばいいのかよく分からない。

『前の世界では鳥じゃなかったのか?』
 
 興味津々に自分の姿を確認していた私を見てフェンリルはこう言った。

『前世は人間だったの』

 すると動物たちの表情があからさまに暗くなる。

『どうしたの?』 
『人間は愚かな生き物だ。自分たちの利益だけを考え自然を傷つける』
『ここには住処を追われた動物もいるんだよー』

 確かに前の世界でも環境問題は重要視されていた。
 生活が便利になるように自然を壊すのは間違っているけど、そうしなければいけない時だってあった。
 動物達に悪く思われても仕方の無いことだと思う。

『そんな顔をするな』

 慰めるようにフェンリルが近づいてきて、尻尾で頭をなでてくれる。
 





──────────
ピピピピを書いていると色々大変なので途中退場してもらいました。
動物の会話は『』、人の会話は「」で統一します。
めんどくさいわけじゃないですからね!
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