異世界転生した私は今日も大空を羽ばたきます!〜チートスキルで自由気ままな異世界ライフ〜

青いウーパーと山椒魚

文字の大きさ
67 / 131
第三章〜ローゼ王国〜

リハビリ中の話

しおりを挟む
 それからは結構暇な時間が多かった。
 というのも、やはり1ヶ月ベッドの住人ってのは色々と影響があり、しばらくリハビリをすることになったためである。
 しかし、そんな状況の私のもとにはいつも入れ違いで人が来ており、今はイリスとミアさんが来ていた。

「てかさ、思ったんだけどミアさん達ずっとここにいるよね。大丈夫なの?」

 ほぼ毎日来てくれるミアさんやオリバー団長達。
 しかし、ブラウン王国王都の最強騎士団の主要人物が隣国にいていいのかと、いつも心配していた。

「大丈夫よ。だって毎日帰ってるもの」
「え、帰ってるってことは、ミアさんもテレポート使えるってこと?」
「使えるけど、こんなに遠い国まで来れるほど優秀な能力ではないわ」
「それじゃあどうして?」

 するとミアさんは隣に座っているイリスを指さして言った。

「この人が作ったのよ、ゲート」

 あれ、ゲートってそんなに簡単に作れるものなの?
 私はてっきり特別なものだから数が少ないんだと思ってたけど。

「ゲートは簡単には作れないわ。イリスが規格外すぎるのよ」
「えへ、ちょっと頑張っちゃった」

 頭を掻きながら苦笑いして言うイリス。
 アルテミア様のところにいた時忙しかったって言ってたけど、もしかしてゲートを作ってたからかな。

「それにしても、カナが倒れるってよっぽどの魔法だったのね」

 それから話題は事件のことに移っていく。

「そういえばアイナスさんは今どうしてるの?」
「今は地下牢に拘束されているよ。あと王太子も反省したとはいえ国を危機に陥らせた張本人だから部屋で謹慎状態」
「へぇー、王様は? この前見た時は大丈夫そうだったけど、もう呪いの影響とかないの?」
「心配いらないって、カナの浄化石のおかげでバッチリ!」

 やっぱり作っておいてよかった……。
 するとイリスが聞いてきた。

「でも浄化石割れちゃったのに魔法が発動したのは驚いたな」
「あー、あれは……」

 私は気絶していたからわからなかったけど、あの時は浄化の魔力が部屋全体に広がっていたそうだ。
 元々魔力に反応するように作っていたから、アイナスさんが魔法を放ってくれたことにより浄化されたと。
 まあ全部アルテミア様に聞いたことなんだけどね。
 もしあの時魔法を使わないで物理的に攻撃されていたら、その時こそ本当の絶体絶命だったらしい。

 それを説明すると2人の顔が強ばった。

「それじゃあ、今回は本当に運がよかったってことか」
「……私達ももっと鍛えないといけないわね。アイナスさんのような人が現れたとしても対抗できるように」
「そうだね」
「そろそろ帰るわ。また会いましょう」

 と言って席を立つミアさん。
 手を振ってお見送りをする。

「カナもだいぶ復活してきたみたいだね」
「うん」
「それじゃあそろそろいいかな?」
「いいって、何が?」

 質問するとイリスはニヤッと笑みを浮かべて答えた。

「もちろん、変身してもらうってことだよ」

 え、いやいや、それはちょっと不味くないか?!

「無理無理! せめてここじゃないところがいい!」

 なぜ誰が見ているかもわからない王城で変身するのか。
 イリスにしか正体を明かしていないし、これからも教えるつもりはないためここで変身するのは避けたかった。
 しかし、一人で焦っている私を見てイリスは何故か笑っている。

「うそうそ、今回の件についての裁判をやってもいいかって話」
「からかったな!」
「焦っているカナも可愛いよ」
「そういうことじゃない!」

 それからしばらく私の怒っている声とイリスの笑い声が響いたのだった。









━━━━━━━━━━━━━━━
やっぱり愛され主人公っていいなぁ。
タグ追加しておこう、と思ったら多すぎて無理でした(´;ω;`)
しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

異世界転生者のTSスローライフ

未羊
ファンタジー
主人公は地球で死んで転生してきた転生者。 転生で得た恵まれた能力を使って、転生先の世界でよみがえった魔王を打ち倒すも、その際に呪いを受けてしまう。 強力な呪いに生死の境をさまようが、さすがは異世界転生のチート主人公。どうにか無事に目を覚ます。 ところが、目が覚めて見えた自分の体が何かおかしい。 改めて確認すると、全身が毛むくじゃらの獣人となってしまっていた。 しかも、性別までも変わってしまっていた。 かくして、魔王を打ち倒した俺は死んだこととされ、獣人となった事で僻地へと追放されてしまう。 追放先はなんと、魔王が治めていた土地。 どん底な気分だった俺だが、新たな土地で一念発起する事にしたのだった。

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~

鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。 そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。 そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。  「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」 オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く! ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。 いざ……はじまり、はじまり……。 ※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

小さいぼくは最強魔術師一族!目指せ!もふもふスローライフ!

ひより のどか
ファンタジー
ねぇたまと、妹と、もふもふな家族と幸せに暮らしていたフィリー。そんな日常が崩れ去った。 一見、まだ小さな子どもたち。実は国が支配したがる程の大きな力を持っていて? 主人公フィリーは、実は違う世界で生きた記憶を持っていて?前世の記憶を活かして魔法の世界で代活躍? 「ねぇたまたちは、ぼくがまもりゅのら!」 『わふっ』 もふもふな家族も一緒にたくましく楽しく生きてくぞ!

『異世界ごはん、はじめました!』 ~料理研究家は転生先でも胃袋から世界を救う~

チャチャ
ファンタジー
味のない異世界に転生したのは、料理研究家の 私!? 魔法効果つきの“ごはん”で人を癒やし、王子を 虜に、ついには王宮キッチンまで! 心と身体を温める“スキル付き料理が、世界を 変えていく-- 美味しい笑顔があふれる、異世界グルメファン タジー!

悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。

向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。 それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない! しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。 ……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。 魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。 木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ! ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

処理中です...