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第三章〜ローゼ王国〜
リハビリ中の話
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それからは結構暇な時間が多かった。
というのも、やはり1ヶ月ベッドの住人ってのは色々と影響があり、しばらくリハビリをすることになったためである。
しかし、そんな状況の私のもとにはいつも入れ違いで人が来ており、今はイリスとミアさんが来ていた。
「てかさ、思ったんだけどミアさん達ずっとここにいるよね。大丈夫なの?」
ほぼ毎日来てくれるミアさんやオリバー団長達。
しかし、ブラウン王国王都の最強騎士団の主要人物が隣国にいていいのかと、いつも心配していた。
「大丈夫よ。だって毎日帰ってるもの」
「え、帰ってるってことは、ミアさんもテレポート使えるってこと?」
「使えるけど、こんなに遠い国まで来れるほど優秀な能力ではないわ」
「それじゃあどうして?」
するとミアさんは隣に座っているイリスを指さして言った。
「この人が作ったのよ、ゲート」
あれ、ゲートってそんなに簡単に作れるものなの?
私はてっきり特別なものだから数が少ないんだと思ってたけど。
「ゲートは簡単には作れないわ。イリスが規格外すぎるのよ」
「えへ、ちょっと頑張っちゃった」
頭を掻きながら苦笑いして言うイリス。
アルテミア様のところにいた時忙しかったって言ってたけど、もしかしてゲートを作ってたからかな。
「それにしても、カナが倒れるってよっぽどの魔法だったのね」
それから話題は事件のことに移っていく。
「そういえばアイナスさんは今どうしてるの?」
「今は地下牢に拘束されているよ。あと王太子も反省したとはいえ国を危機に陥らせた張本人だから部屋で謹慎状態」
「へぇー、王様は? この前見た時は大丈夫そうだったけど、もう呪いの影響とかないの?」
「心配いらないって、カナの浄化石のおかげでバッチリ!」
やっぱり作っておいてよかった……。
するとイリスが聞いてきた。
「でも浄化石割れちゃったのに魔法が発動したのは驚いたな」
「あー、あれは……」
私は気絶していたからわからなかったけど、あの時は浄化の魔力が部屋全体に広がっていたそうだ。
元々魔力に反応するように作っていたから、アイナスさんが魔法を放ってくれたことにより浄化されたと。
まあ全部アルテミア様に聞いたことなんだけどね。
もしあの時魔法を使わないで物理的に攻撃されていたら、その時こそ本当の絶体絶命だったらしい。
それを説明すると2人の顔が強ばった。
「それじゃあ、今回は本当に運がよかったってことか」
「……私達ももっと鍛えないといけないわね。アイナスさんのような人が現れたとしても対抗できるように」
「そうだね」
「そろそろ帰るわ。また会いましょう」
と言って席を立つミアさん。
手を振ってお見送りをする。
「カナもだいぶ復活してきたみたいだね」
「うん」
「それじゃあそろそろいいかな?」
「いいって、何が?」
質問するとイリスはニヤッと笑みを浮かべて答えた。
「もちろん、変身してもらうってことだよ」
え、いやいや、それはちょっと不味くないか?!
「無理無理! せめてここじゃないところがいい!」
なぜ誰が見ているかもわからない王城で変身するのか。
イリスにしか正体を明かしていないし、これからも教えるつもりはないためここで変身するのは避けたかった。
しかし、一人で焦っている私を見てイリスは何故か笑っている。
「うそうそ、今回の件についての裁判をやってもいいかって話」
「からかったな!」
「焦っているカナも可愛いよ」
「そういうことじゃない!」
それからしばらく私の怒っている声とイリスの笑い声が響いたのだった。
━━━━━━━━━━━━━━━
やっぱり愛され主人公っていいなぁ。
タグ追加しておこう、と思ったら多すぎて無理でした(´;ω;`)
というのも、やはり1ヶ月ベッドの住人ってのは色々と影響があり、しばらくリハビリをすることになったためである。
しかし、そんな状況の私のもとにはいつも入れ違いで人が来ており、今はイリスとミアさんが来ていた。
「てかさ、思ったんだけどミアさん達ずっとここにいるよね。大丈夫なの?」
ほぼ毎日来てくれるミアさんやオリバー団長達。
しかし、ブラウン王国王都の最強騎士団の主要人物が隣国にいていいのかと、いつも心配していた。
「大丈夫よ。だって毎日帰ってるもの」
「え、帰ってるってことは、ミアさんもテレポート使えるってこと?」
「使えるけど、こんなに遠い国まで来れるほど優秀な能力ではないわ」
「それじゃあどうして?」
するとミアさんは隣に座っているイリスを指さして言った。
「この人が作ったのよ、ゲート」
あれ、ゲートってそんなに簡単に作れるものなの?
私はてっきり特別なものだから数が少ないんだと思ってたけど。
「ゲートは簡単には作れないわ。イリスが規格外すぎるのよ」
「えへ、ちょっと頑張っちゃった」
頭を掻きながら苦笑いして言うイリス。
アルテミア様のところにいた時忙しかったって言ってたけど、もしかしてゲートを作ってたからかな。
「それにしても、カナが倒れるってよっぽどの魔法だったのね」
それから話題は事件のことに移っていく。
「そういえばアイナスさんは今どうしてるの?」
「今は地下牢に拘束されているよ。あと王太子も反省したとはいえ国を危機に陥らせた張本人だから部屋で謹慎状態」
「へぇー、王様は? この前見た時は大丈夫そうだったけど、もう呪いの影響とかないの?」
「心配いらないって、カナの浄化石のおかげでバッチリ!」
やっぱり作っておいてよかった……。
するとイリスが聞いてきた。
「でも浄化石割れちゃったのに魔法が発動したのは驚いたな」
「あー、あれは……」
私は気絶していたからわからなかったけど、あの時は浄化の魔力が部屋全体に広がっていたそうだ。
元々魔力に反応するように作っていたから、アイナスさんが魔法を放ってくれたことにより浄化されたと。
まあ全部アルテミア様に聞いたことなんだけどね。
もしあの時魔法を使わないで物理的に攻撃されていたら、その時こそ本当の絶体絶命だったらしい。
それを説明すると2人の顔が強ばった。
「それじゃあ、今回は本当に運がよかったってことか」
「……私達ももっと鍛えないといけないわね。アイナスさんのような人が現れたとしても対抗できるように」
「そうだね」
「そろそろ帰るわ。また会いましょう」
と言って席を立つミアさん。
手を振ってお見送りをする。
「カナもだいぶ復活してきたみたいだね」
「うん」
「それじゃあそろそろいいかな?」
「いいって、何が?」
質問するとイリスはニヤッと笑みを浮かべて答えた。
「もちろん、変身してもらうってことだよ」
え、いやいや、それはちょっと不味くないか?!
「無理無理! せめてここじゃないところがいい!」
なぜ誰が見ているかもわからない王城で変身するのか。
イリスにしか正体を明かしていないし、これからも教えるつもりはないためここで変身するのは避けたかった。
しかし、一人で焦っている私を見てイリスは何故か笑っている。
「うそうそ、今回の件についての裁判をやってもいいかって話」
「からかったな!」
「焦っているカナも可愛いよ」
「そういうことじゃない!」
それからしばらく私の怒っている声とイリスの笑い声が響いたのだった。
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やっぱり愛され主人公っていいなぁ。
タグ追加しておこう、と思ったら多すぎて無理でした(´;ω;`)
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