異世界転生した私は今日も大空を羽ばたきます!〜チートスキルで自由気ままな異世界ライフ〜

青いウーパーと山椒魚

文字の大きさ
89 / 131
第四章〜オレンジ王国〜

リュミエールデスポワール

しおりを挟む
「ねえねえ、このあとどこにいきたい?」

 一緒に冒険することになった私達だが、この後の予定は全く決めていなかった。
 この国では無事に獣人の毛並みを堪能することができ、当初の目的は達成できている。
 次の国に行ってもいいと考えていたが、二人の意見も聞いておきたかった。

「特にいきたいとこはないけど、って、冒険者ってこんなに自由でいいのか?」
「なんで? 冒険者って冒険する人のことを言うんじゃないの?」

 誰もが分かりきっている答えだと思って聞き返すと、イリスが説明してくれた。

「この世界の人たちにとって、冒険者はとても危険な職業なんだよ。だからこんなにマイペースな旅をしているのは高ランク冒険者と私たちくらいじゃないかな。なりたての人たちは生きていくのに必死な人がほとんどだよ」

 話を聞いて納得した。
 確かに商人達は壁に守られた安全なところで商売をしているが、冒険者たちはいつも危険と隣り合わせ。
 簡単だと思われがちな薬草採取であっても、いつ魔物が襲ってくるかわからないため気を抜けない。
 実際、私達も薬草採取の最中に攻撃を受けたことがあった。

「大変なんだね……」

 この子達を危険な世界に引き込んでしまったと今更後悔する。
 するとノアくんが私の心を読んだかのように言った。

「別に俺たちは後悔してない。危険なことは分かっていたけど、冒険者にならなければそもそも生きていけなかったから。それに、ちゃんと鍛えてもらったからある程度自分に自信持てるようになったし」
「もしかして私の心読んだの!?」
「いや、顔に出てたから……」

 いつも気をつけようと思っているのに全然直っていない。
 でも、

「ありがとう」

 言ってもらえて安心できた。

「それで、この後の行先は?」
 
 仕切り直してイリスが聞く。 
 するとオリヴィアちゃんが元気な声で言った。

「私王都に行ってみたい!」

 私達が今いるのは国境付近の街。 
 この街が賑やかだったこともあり、国の中心に行っていなかったことを思い出した。

「それじゃあ次は王都に行くか、反対の人!」

 手を挙げる人はいない。
 満場一致で次の行先が決まった。

「よし、それじゃあ早速」
「その前に、ギルドで正式にパーティー登録してもらおう」
「あ、」

(旅の仲間が増えたことに舞い上がりすぎて忘れてた……)

 

 宿を出てギルドに向かう。

「パーティーの名前はどうされますか?」

 カウンターのお兄さんに言われて考えるが、なかなかいいものが思い浮かばなかった。 
 するとイリスが言う。

「『リュミエールデスポワール』ってどう?」
「意味はわからないけどかっこいい!」
「いいんじゃないか?」
「いいと思う、ちなみに意味は?」
「全員賛成ね、これでお願いします」
「登録してきますので少々お待ちください」

 お兄さんが奥に行った後もう一度意味を尋ねる。

「ふふ、とてもピッタリな名前だと思うよ」

 しかしイリスが意味を教えてくれることはなかった。









──────────
この名前に合うような主人公を表現しているつもりだけどできていないかもしれない……

1ヶ月程私用により更新速度が遅くなると思いますがご理解の程よろしくお願いします!

しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

異世界転生者のTSスローライフ

未羊
ファンタジー
主人公は地球で死んで転生してきた転生者。 転生で得た恵まれた能力を使って、転生先の世界でよみがえった魔王を打ち倒すも、その際に呪いを受けてしまう。 強力な呪いに生死の境をさまようが、さすがは異世界転生のチート主人公。どうにか無事に目を覚ます。 ところが、目が覚めて見えた自分の体が何かおかしい。 改めて確認すると、全身が毛むくじゃらの獣人となってしまっていた。 しかも、性別までも変わってしまっていた。 かくして、魔王を打ち倒した俺は死んだこととされ、獣人となった事で僻地へと追放されてしまう。 追放先はなんと、魔王が治めていた土地。 どん底な気分だった俺だが、新たな土地で一念発起する事にしたのだった。

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

充実した人生の送り方 ~妹よ、俺は今異世界に居ます~

中畑 道
ファンタジー
「充実した人生を送ってください。私が創造した剣と魔法の世界で」 唯一の肉親だった妹の葬儀を終えた帰り道、不慮の事故で命を落とした世良登希雄は異世界の創造神に召喚される。弟子である第一女神の願いを叶えるために。 人類未開の地、魔獣の大森林最奥地で異世界の常識や習慣、魔法やスキル、身の守り方や戦い方を学んだトキオ セラは、女神から遣わされた御供のコタローと街へ向かう。 目的は一つ。充実した人生を送ること。

莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ

翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL 十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。 高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。 そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。 要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。 曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。 その額なんと、50億円。 あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。 だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。 だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。

オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~

鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。 そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。 そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。  「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」 オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く! ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。 いざ……はじまり、はじまり……。 ※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。

千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。 気付いたら、異世界に転生していた。 なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!? 物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です! ※この話は小説家になろう様へも掲載しています

処理中です...