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20 カルロッテ・ベンヤミン伯爵令嬢の誤算。
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ヘルグレーン公爵家嫡男、第一王子側近候補、容姿端麗、文武両道。
公爵家嫡男で皇太子になられる第一王子の側近候補。その肩書だけでも令嬢の釣書が大量に来るだろう。
そこに更に容姿端麗と文武両道がくっついたら…
婚約者候補だけで六人もいるわ。
私は、カルロッテ・ベンヤミン伯爵令嬢。婚約者候補達の中での身分は候補の中では下から二番目ね。
侯爵家、同じ伯爵家、子爵家の令嬢達は皆ライバル。
誰がアンドレ様の婚約者としての座を射止めるか、ギラギラしているわ。
そりゃそうよね、今、私達が結ばされる可能性のある令息の中で最も望まれる相手ですもの。
でも、皆あの方を分かってないわ。
あの方は女の武器で勝負してもダメよ。興味なさそうよ?
アンドレ様に有効なのは、いつも笑顔で親しげな女よ。高い身分だから、皆気を使ってる所に距離の近い仲の良い友人っぽさが新鮮に映るみたい。
興味ない態度が、今ではお茶をご一緒にする度に笑顔で私の話を聞いてくださるの。
きっと婚約者は私で決まりだわ。
最近、同じ伯爵家の候補が脱落したわ。
候補達の良くない噂を流してみたり、お茶会でいじわるしてみたり、そういう事してたみたいだけど、
公爵夫人にバレて候補から外されちゃったわ。
夫人は汚い事は嫌いみたいね。正攻法をお望みなのかしら貴族なのに。
夫人に媚びも売ってたみたけど、苦い顔をされて顔を顰められてしまったわ。
「私が婚約者になったら、お義母様と呼んでもいいですか?公爵夫人の事、前から尊敬していましたの。」
って言ってあげたのに、苦い顔だなんて。
私がアンドレ様と婚姻式後一ヶ月の猶予を持って領地に押し込んでやるんだから。
実は、お父様にはバレてる気がするのだけれど、私は純潔ではないの。
高位貴族は純潔性を重んじるらしいと最近聞いて、心配していたのだけれど、そういうの誤魔化す物があるみたい。
だって、とても長い候補期間だわ。
デビュタントだって済ませたというのに未だに候補に決めてくれないのよ。
アンドレ様は奥手過ぎて既成事実も作れないし。
デビュタント後の初めての夜会で、知り合った素敵な侯爵子息様に捧げちゃったわ。
アンドレ様より顔も身分も下だけど、私の事を熱烈に求めてくれる姿に口にしてたお酒の力も手伝って、フラッとなっちゃったのよ。
その後も彼とこっそり逢瀬を重ねてるのだけど……
こんな事してしまった後に、アンドレ様との候補を争っていた侯爵令嬢が隣国へ嫁いでしまったわ。
実質、私が婚約者確定になった様なもの。
彼には、アンドレ様と結婚して1人産んだら、貴方を愛人にしたいわ。ってお話したの。
「僕も同じことを考えていた。気が合うね。」
ですって。ホント私達相性がいいのね?心も身体も。
そんなことを思っていたからなのかしら………
――――彼の子を妊娠してしまった。
純潔は誤魔化せても、妊娠は誤魔化せないわ…。
もうアンドレ様を手に入れる事は出来ないのね。
その時初めて泣いてしまったわ。浅はかな事をしてしまったと。
朝食の最中に匂いに吐き気が込み上げる…を何度かしてしまったら、お母様にバレてしまった。
報告したくはなかったけれど、お父様に話したら頬を打たれてしまったの。
「何て事をしてくれたのだ!やっと後少しで婚約者の座がお前のものだったのに!相手は公爵家だぞ!この事が明るみに出たら、どんな報復が待ってるか…」
赤くなったり青くなったり忙しい人ね、それよりも頬が痛いわ。
公爵家嫡男で皇太子になられる第一王子の側近候補。その肩書だけでも令嬢の釣書が大量に来るだろう。
そこに更に容姿端麗と文武両道がくっついたら…
婚約者候補だけで六人もいるわ。
私は、カルロッテ・ベンヤミン伯爵令嬢。婚約者候補達の中での身分は候補の中では下から二番目ね。
侯爵家、同じ伯爵家、子爵家の令嬢達は皆ライバル。
誰がアンドレ様の婚約者としての座を射止めるか、ギラギラしているわ。
そりゃそうよね、今、私達が結ばされる可能性のある令息の中で最も望まれる相手ですもの。
でも、皆あの方を分かってないわ。
あの方は女の武器で勝負してもダメよ。興味なさそうよ?
アンドレ様に有効なのは、いつも笑顔で親しげな女よ。高い身分だから、皆気を使ってる所に距離の近い仲の良い友人っぽさが新鮮に映るみたい。
興味ない態度が、今ではお茶をご一緒にする度に笑顔で私の話を聞いてくださるの。
きっと婚約者は私で決まりだわ。
最近、同じ伯爵家の候補が脱落したわ。
候補達の良くない噂を流してみたり、お茶会でいじわるしてみたり、そういう事してたみたいだけど、
公爵夫人にバレて候補から外されちゃったわ。
夫人は汚い事は嫌いみたいね。正攻法をお望みなのかしら貴族なのに。
夫人に媚びも売ってたみたけど、苦い顔をされて顔を顰められてしまったわ。
「私が婚約者になったら、お義母様と呼んでもいいですか?公爵夫人の事、前から尊敬していましたの。」
って言ってあげたのに、苦い顔だなんて。
私がアンドレ様と婚姻式後一ヶ月の猶予を持って領地に押し込んでやるんだから。
実は、お父様にはバレてる気がするのだけれど、私は純潔ではないの。
高位貴族は純潔性を重んじるらしいと最近聞いて、心配していたのだけれど、そういうの誤魔化す物があるみたい。
だって、とても長い候補期間だわ。
デビュタントだって済ませたというのに未だに候補に決めてくれないのよ。
アンドレ様は奥手過ぎて既成事実も作れないし。
デビュタント後の初めての夜会で、知り合った素敵な侯爵子息様に捧げちゃったわ。
アンドレ様より顔も身分も下だけど、私の事を熱烈に求めてくれる姿に口にしてたお酒の力も手伝って、フラッとなっちゃったのよ。
その後も彼とこっそり逢瀬を重ねてるのだけど……
こんな事してしまった後に、アンドレ様との候補を争っていた侯爵令嬢が隣国へ嫁いでしまったわ。
実質、私が婚約者確定になった様なもの。
彼には、アンドレ様と結婚して1人産んだら、貴方を愛人にしたいわ。ってお話したの。
「僕も同じことを考えていた。気が合うね。」
ですって。ホント私達相性がいいのね?心も身体も。
そんなことを思っていたからなのかしら………
――――彼の子を妊娠してしまった。
純潔は誤魔化せても、妊娠は誤魔化せないわ…。
もうアンドレ様を手に入れる事は出来ないのね。
その時初めて泣いてしまったわ。浅はかな事をしてしまったと。
朝食の最中に匂いに吐き気が込み上げる…を何度かしてしまったら、お母様にバレてしまった。
報告したくはなかったけれど、お父様に話したら頬を打たれてしまったの。
「何て事をしてくれたのだ!やっと後少しで婚約者の座がお前のものだったのに!相手は公爵家だぞ!この事が明るみに出たら、どんな報復が待ってるか…」
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