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第九話 これってもしかして。
しおりを挟む凄い能力を貰ってしまった。
…有難い事なのだろうが、扱いに困る代物。
誰かのスキルを頂くにも、どうやってそれを知る事が出来るのだろうか? と考えていると、やはりファンタジー系にお約束の“鑑定”スキルを授けてくれていたらしい。
そこで知り得た情報で、スキルを複製するかどうか私の基準で考えればいいと女神様は笑っていた。
向こうの世界の時間を止めて貰ってる為、女神様とどれだけの時間を過ごそうが問題ないのだけれど、何だか疲れてしまった私。
女神様がまた教会に来てくれればいくらでも話せると、今回はここまででお開きにしてくれた。
戻り間際に「シアの私室に戻って、疲れた体を少し休めたら“ステータスオープン”と唱えてね? それは、心の中で呟くでも、口にするでもいいから唱えてみてね。私が与えた能力が見れるようになっているから。」
(お約束第二弾だ! 鑑定、ステータスオープンとか…。現状を知る為にもお約束だけれど助かる能力だし有難い。)
私の心の中の言葉にティナ様もうんうんと頷いてくれた。
ティナ様にお礼をしっかりといってから、元の世界に帰して貰ったのだった。
女神様の箱庭から、元の世界へ戻ってくると、ちょうど神の光だとざわざわしていた直後に戻ってこれた。
この世界の人達は女神様をとても熱心に信仰しているようで、姿を見る事が出来なくても、あの凄い眩しい光の場に立ち会えた事を大喜びしていた。
私を挟んで座っていたお父様とお母様も勿論大喜びしていて「家族三人が居る場で奇跡の光が見れた事は大変縁起がいい!」と薄ら涙目で喜んでいた。
(言うつもりは無かったけれど、例え言えたとしても言わなかった…私の前に神々しく現れる為の小道具としての光だったなんて。
奇跡の光とまで言われるような事ではないんですなんて…拒否しておいてよかった。)
家族三人で厳かな気持ちで祈りを捧げた後、また最初に案内してくれた神官様に案内されて教会から出る。
そして、高級ホテルや旅館などでも見られそうな、ズラリと並ぶ神官様を始めシスター様達や、恐らく見習いだと思われる小さな子供達までが並び、とても丁寧なお見送りをされてしまったのである。
丁寧過ぎる対応に内心ひぇぇっと思い緊張していると、「高額な寄付金を納めている人間に対しては、いつもあのような感じなのだから、シアは気負う必要はないんだよ。」と説明してくれた。
なるほど、うちの公爵家はいい後援者って所か。
その後、お父様がおススメの海鮮レストランに案内して貰った。
魚料理は勿論のこと貝料理も豊富で、大喜びで出されたもの全てをペロリと平らげた。
色々食べたけれど、特に気に入った物は、ムール貝をにんにくオイルにつけて焼いた物と、香草と岩塩で蒸した白身魚。この二つは大変好みの味で、お父様がペロリと食べてしまった私を見て、もう一度注文してくれたほど。本当に美味しかった。
美味しい物を食べて幸せな気分になりながら馬車へ乗り込み、いざ屋敷へ! と帰る道すがら。
突如ガタン! と馬車が大きく揺れた。
「危ない!」とお父様に支えて貰う、お母様と私。
お父様が、御者席と繋がる小窓を開け「何があった!」と訊いた。
御者さんが酷くうろたえたような口調で「そ、それが、白い動物が二匹、急に飛び出してきまして…!」と説明してくる。
お父様に抱きしめられながら、私は――――
ん? と思う。白い二匹…?
これってもしかして?
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